一目置く(いちもくおく)
自分より実力のある人を認めて敬意を払うこと。
語源   
 囲碁の「碁石1個」のことを「一目(いちもく)」と言います。囲碁では、弱い方が先に石をひとつ置いてから勝負をはじめることがあります。弱い方が相手の実力を認めて先に「一目(いちもく)置く」ことから使われるようになりました。

■碁石は、普及品には一般的に硬質ガラス製が使われています。
■上質な「白石」には蛤貝が使用されており蛤碁石といいます。蛤碁石は主に2種類あります。1つは「日向蛤碁石」。明治時代に宮崎県日向市小倉ケ浜で採れる蛤が「サイズが大きく貝の組織も緻密」だということで注目され、「貝の縞模様が細かく乳白色で美しい」「打ったときの音、指に触れたときの感触が格別」「使い込むと飴色に変色して風格が増す」ことから「碁石用として最高級」との折り紙がつき日向は日本一の蛤碁石の産地となりました。しかし現在では日向では蛤がほとんど採れなくなり「幻の碁石」と呼ばれるほど貴重な品となっています。
 もうひとつは「メキシコ蛤碁石」メキシコ蛤は貝がとても大きくて厚味のある碁石がたくさんとれます。「貝目が粗く日向産の貝に比べて若干柔らかめ」「白色が主流だが少し赤茶色系の色のついたものがある」のが特徴で、現在ではほとんどがメキシコ蛤となっています。メキシコ蛤碁石のランクは、質、色、艶、貝目の美しさにより3種類に分けられています。
 ○雪印 ─色が白く、縞模様が細かく美しい。(希少で高価)
 ○月印 ─雪印に比べ色、貝目ともに若干質が落ちる。
 ○実用 ─貝目が大まかで、少し色の混じった物がある。
■「黒石」には「那智黒石」という天然石が使用されています。産地は和歌山県那智地方です。色が濃黒色で粒子が細かく均一で美しい黒石です。

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