青二才(あおにさい)
年が若く、未熟な人を見下すときに使う言い方。江戸時代から使われており、若い男性に使うことが多い。
語源
「青」と「二才」という2つの語句から生まれた言葉です。

●「青」は未熟という意味を表します。古代の基本色だった赤、黒、白などにくらべて淡いこと(「淡し」という言葉が「青し」の語源だと考えられています)と、青は日の出や東の方角=始まりを表す言葉だからです。「青」は未熟さを表す接頭語として使われており、他に「青梅」「青臭い」「青田買い」等があります。

●「二才」に関する説を3つ紹介します。
<1>古語の「背」が語源になっているという説
 昔、「愛しい男性のこと」や「夫のこと」を『背(せ)』と呼び、「愛しい女性のこと」は『妹(いも)』と呼んでいました。さらに細かく、青年のことをニイセ−新背、成人をオオセ−大背、老人をフルセ−古背と呼び、青年の意味のニイセがなまって、ニサイ=二才になりました。
<2>出世魚説
 ボラなど出世魚の二才魚の「二才」を意味していて、幼魚でまだ成魚とならない、ボラ、スズキ、ブリなどの青魚(あおざかな)の出世魚のことを言います。ボラはイナ、スズキはセイゴ、ブリはハマチのことです。小ぶりで脂ののりもまだまだ不足という意味が未熟という意味につながっていて、これらの魚はさらに大きく成長していくことから、「青二才」という言葉の裏には「今にもっと大きく成長する」という意味が込められています。ちなみにボラは出世して最終的にトドと呼ばれ、「最終」の意味で「トドのつまり」という言葉が生まれ、「結局」という意味で使われています。
<3>中国語説
 幼なさを意味する漢字が『仔』。中華人民共和国の南部地方では「ツァイ」と発音します。この「ツァイ」の前に『乳』という字をつけて『乳仔(ニュウツァイ)』とすると、「乳くさい幼子」という意味になります。この『ニュウツァイ』が日本に伝わって「ニサイ」となり、後になって「二才」という字があてられました。

 ■「青」は古くから「アヲ」と表記されて、色を表すことばです。今と違って、色の範囲はとても広く、青・緑・紫系の色にとどまらず、灰色を代表とする黒と白の中間的な性格を持つ色相すべてを含んでいました。白馬のことを「青馬」と呼ぶのも、純白は青っぽく見えることや灰色=葦毛を「青」と呼んでいたことからきています。今でも代表的なワープロで「あおうま」と打って漢字変換すると「白馬」が候補としてあがります。青は「アハ(淡)」「アフグ(仰ぐ空の色)」「アサ(浅)」「アヲ(天居)」などからことばができたと考えられてます。
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