ぶす
美しくない人、主に女性を悪く言う語。見た目だけではなく心の部分をさすこともある。
<1>トリカブト説
トリカブトからとれる毒のことを漢字で「附子」と書き、昔、狩りをするときに、矢の先にこの毒を塗っていました。含まれているアルカロイドは多量に摂取すれば猛毒ですが、漢方では、トリカブトの母根を烏頭(うづ)、子根を附子(ぶし・ぶす)と言い、鎮痛・抗リューマチ・強心作用がある薬として用いられてきました。誤って口に含むと神経系の機能が麻痺して無表情になってしまいます。その無表情をそのまま”ぶす”と呼ぶようになり、美しくない人を指してそう呼ぶようになりました。
<2>不助説
「不=ぶ」と女性をさす隠語「助=すけ」を略して、女性ではない=「ぶす」といい、女性に対して用いられるようになりました。
■トリカブトはキンポウゲ科の多年草です。日本に自生するトリカブト属はエゾトリカブト、ヤマトリカブトなど40種あまりあります。高さ1mくらいに成長し、夏になると濃紫色で烏帽子のような形をした花をつけます。トリカブトの名前の由来は,この花の形が舞楽のかぶり物である鳥兜に似ているためです。ニリンソウ・セリ・ゲンノショウコなどと似ているため、山菜と間違えた中毒事故が起こります。