●尊敬の接頭語について
「おー」「みー」「おみー」「ごー」など、言葉の前につける言葉を接頭語、または接頭辞といいます。相手に関する語につくと尊敬語になります。たとえば「おからだ」「みほとけ」「おみ足」「ご出発」などです。「お」「み」「おみ」は和語につき、「ご」は漢語につくのが原則です。ただし、「お弁当」などの食に関する言葉や、「お勉強」などの教育・育児に関する言葉には漢語でも「お」がつくことがあります。女性の生活に身近な言葉は、和語、漢語は関係なく「お」が使われてきたようです。反対に、挨拶の言葉で、「ごゆっくり・・」など「ご」が和語につく例もあります。「おみ」は母音で始まる語につきます。「おみ足」がそうです。「おあし・・」となると、母音が重なり、発音しにくいからです。あくまでも原則であって「おみくじ」などの例もあるにはあります。 接頭語が適当がどうか判断する基準は「あなたの〜」と意味にあてはまるかどうかです。接頭語をつけるときは「相手が所有しているもの」ということを意識すればよいのです。たとえば、自分の車のことは常に「車が・・」と言い、相手の車の場合はあなたさまの車という意味ですから「お車」とすればよいのです。接頭語のつけかたは簡単ですね! 外来語には「尊敬の接頭語」はつけないのが原則です。「お茶」「おはし」は良くても「おコップ」「おジュース」はだめだということです。たとえば「おビールでよろしいですか。」は、人間ではないもの=ビールに敬意をつけているので本来おかしいのです。ただし、酒、ビールは接待の場ではとてもメジャーな飲み物ですから、一方は「お酒」と接頭語をつけているのに、一方は「ビール」ではバランスが悪いと考えるのが自然ですから、接客で強い敬意を表したいときには例外的につけていてもおかしいとは言えないでしょう。相手へこれから差し上げるが今はまだ私が持っているビール・・・相手のものか、自分のものかもはっきりしないものですから、いわゆる業界用語だと考え特別扱いしましょう。だれが聞いても「おワイン」などは不自然ですものね。 もうひとつ。「貴」と「御」の使い方です。はっきり言って、現状ではほとんどの名称に「貴」「御」をつけて問題ないようです。病院の呼び名は「貴(御)院」「貴(御)医院」「貴(御)クリニック」などですが、とにかく名称の後ろをとって使えばなんでもよい状態ですね。「貴」がつくものは「御」をつけても問題ない場合がほとんどですね。原則として文書は「貴」で統一していいでしょう。身近になるほど「御」になる傾向がありますが、それも前後の文面や会話の内容によって合う合わないがありますので使う側のセンスの問題になります。 たとえば信用金庫の場合は「貴庫」「御庫」となりますね。「貴台」「御台」とも言えますが、これは男性が相手の呼び名として使うのが一般的です。しかし・・・ここまで丁寧でなくても問題ないでしょう。この部分の表現がもとで面接に落ちたり商談が破談になるわけはありません。「御社」でよいし、文書なら「貴社」「貴支店」など一般的な呼び名で十分です! ■主な尊敬の接頭語 ※多くの場合、「御」に置き換えることができます。 そう思うと「御」ってすごい語なんですね。
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