●相対敬語 フッタ

 同じ人に対して、相手との関係によって敬語の使い方を変える用法を相対敬語といいます。たとえば、課長が自分より立場が上だとします。課長の言ったことや行動を表現するときには常に「尊敬語」を使うことが原則ですが、来客の前では課長の言動に「謙譲語」を使うという用法です。

 日常では
    ○「課長がおっしゃっています」 尊敬語
    ×「課長が申しています」 謙譲語

 来客に対しては
    ×「課長がおっしゃっています」 尊敬語
    ○「課長が申しています」 謙譲語

という使い分けです。

 昭和時代のはじめの頃までは絶対敬語が主流でした。公的な場では、自分の両親に対しては他人にも尊敬語で表現していたのです。「父が仰せになっていたので・・」という形です。夫婦の間でも妻は夫に尊敬語を使って「主人がそうおっしゃるものですから・・」と表現していました。あくまでも公的な場でということで、誰もが必ずそう表現していたということではないと思いますが。

 昭和時代の中期以降は、すっかり相対敬語が定着しました。敬語利用の主体が日常生活からビジネスに移り変わったからでしょう。学生の間は敬語をそれほど意識することなく過ごし、就職活動や社会人として自立する頃になってから敬語の必要性を感じるようになる人がほとんどのようです。

 「相対敬語」とよく勘違いされる「二方向への敬語」というものがあります。違いを簡単に整理しておきます。

 ●相対敬語とは
   同じ人に対して尊敬語を使ったり謙譲語を使ったりする使い分けのこと。
 ●二方向への敬語
   立場上で差がある二人に対して、両者ともに敬語を使わなければならない
   場面で、「謙譲語」と「尊敬語」をうまく組み合わせて二人に差をつけて敬語
   で表現すること。


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