---------- 車両解説 ----------

8600系

 1973年(昭和48年)に奈良線・京都線に登場した同線初の通勤冷房車で、車体は基本的に8400系に準じているが、冷房搭載による車体形状変更で若干丸みをおびたものとなった。冷房装置は10500kcal/hの集約分散型が1両あたり4台設置され、熱交換形換気装置(ロスナイ)を搭載して連続したクーラーキセに納められた。また1974年(昭和49年)から製造された8611Fからはさらに冷房効率を高めるために、ラインデリアが併用された。性能的には8400系と同じで電動発電機・コンプレッサーはTcに搭載された。また前面には行先表示器も設置された。
 1978年(昭和53年)に登場した第19編成は当初より6連で製造され、サ8170に電動発電機とコンプレッサーが搭載され、モ8620とク8120の先頭車は存在しないため欠番となった。さらに1979年(昭和54年)製造の車両はパンタが下枠交差形に変更された。なお、モ8617は当初2両編成で登場し、Mc車のモ8617にはパンタが2基搭載されていたが1976年(昭和51年)に爆破事故車8000系モ8059を電装解除・運転台撤去して冷房装置を設置のうえサ8167とし、新製のM車モ8667とともに編成に組み込まれて4両編成となった。この際モ8617の運転台側パンタは撤去された。更に2014年(平成26年)9月に名古屋線で使用されていた1010系の組成変更で、余剰となった中間車モ1062を電装解除してサ8177として、車齢限界でもあったサ8167と入れ替えられた。
 1982年(昭和57年)から1986年(昭和61年)にかけて8601F〜8603F・8612Fに8000系と同様の界磁位相制御・回生制動化の工事が施され、T車とMc車の車番が入れ替わった。また1985年(昭和60年)にラインデリアを装備していない初期車には扇風機が設置されたが、後にローリーファンに交換された。2006年(平成18年)9月には側面窓2箇所を一体大型ガラス化や座席シートモケットの変更などの更新改造が初期車の一部に施工されたほか、近年では内装扉部分と妻面を黒を基調としたデザインにし、ロングシート座席センターにスタンションポールを設置したものも登場している。
 落雷による機器損傷で8611Fが2023年(令和5年)10月から休車となっていたが、復旧することなく2024年(令和6年)4月に廃車となった。
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登場時は2連であった8617F 奈良線で活躍する8600系
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2014年9月に廃車されたサ8167の後継、元モ1062のサ8177 側面窓2箇所に一体化が施工された初期車
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←難波・京都
ク8150形(Tc) + モ8600形(M) + モ8650形(M) + ク8100形(Tc)
8151 + 8601 + 8651 + 8101
8152 + 8602 + 8652 + 8102
8153 + 8603 + 8653 + 8103
8162 + 8612 + 8662 + 8112
モ8600形(Mc) + サ8150形(T) + モ8650形(M) + ク8100形(Tc)
8604 + 8154 + 8654 + 8104
8605 + 8155 + 8655 + 8105
8606 + 8156 + 8656 + 8106
8607 + 8157 + 8657 + 8107
8608 + 8158 + 8658 + 8108
8609 + 8159 + 8659 + 8109
8610 + 8160 + 8660 + 8110
8611 + 8161 + 8661 + 8111 2024, 4廃車
8613 + 8163 + 8663 + 8113
8614 + 8164 + 8664 + 8114
8615 + 8165 + 8665 + 8115
8616 + 8166 + 8666 + 8116
8617 + 8167 + 8667 + 8117
8617 + 8177 + 8667 + 8117
8167(←8059) 2014, 9廃車
8177に入れ替え
8618 + 8168 + 8668 + 8118
8621 + 8171 + 8671 + 8121
8622 + 8172 + 8672 + 8122
 モ8600形(Mc) + サ8150形(T) + モ8650形(M)+ サ8150形(T) + モ8650形(M) + ク8100形(Tc) 
8619 + 8169 + 8670 + 8170 + 8669 + 8119

2024年 4月28日更新

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