水 庵

障子の額縁から望む庭に風情を見いだす

 
 

行灯(あんどん)の灯りが夕暮れの甲水庵に情緒をそえる

背景に桂垣を巡らせたため、庭全体が品のある落ち着きを醸し出している。植木を少なく石組を強調している。庭石はほとんどが吉野の川石。今は自然保護で川石の採取も厳しい状態である。

1996年6月から作庭。この庭は太鼓橋二本を筏(いかだ)にして庭のポイントとした枯山水庭園です。わざわざ庭を見るための桟敷を庭の東側に造り、この桟敷からの眺めが一席、南東の角にある離れ座敷からの眺めが二席、本屋の座敷からの眺めが三席となっている。

一席と三席は対面に位置しているため、裏面も手を抜くことは出来ない。石組の場合、裏表ともに見せ場を作ることは至難の業である。

この庭のもう一つの特徴は、離れ屋の座敷から桟敷にかけて、本来、犬走り(軒内)にあたる位置に泉水(池)を掘り観賞用の錦鯉を泳がせている。

筏(いかだ)

ずらせて並べるといった感じの庭師用語