妙浄の庭(みょうじょうのにわ)

 

本門法華宗大本山『妙蓮寺』の方丈前に枯山水を造る。


佐渡に流罪となった『日蓮』が、荒れる日本海で水面に『南無妙法蓮華経』とお題目を書いたと言う故事にちなみ、石組は波を表現する。大小の石は全て岐阜の山石を用い『僧俗一体』の意味を込めた。石は複数の不等辺三角形を構成し、その空間に灯籠や筏(いかだ)組の橋を配置した。

本門法華宗の僧籍を持つ私の立場からも『南無妙法蓮華経」の妙なる清い教えを感じてもらえればと組み上げた。

*僧俗一体  僧も一般人も一緒にと言う意味。

*妙なる   不思議に感じるくらい優れている様子

石は僧や人を表現し、そのすべてが写真左側の本堂に向かって合唱している僧俗一体の姿を表現。以上このような構想で造った庭ではあるが、例えば、石橋を舟と想像するなら、荒海を渡る日蓮の姿が浮かび上がる。

庭とはこうあるべきものと固定して考えるのではなく、自由な発想で見ていただければよいと思う。特に枯山水は心象風景の表現なので自由に感じ、想像することに庭の楽しみ、醍醐味があります。