BACK
望都
Last Update:2007/05/22(Tue) 14:26

[←Back]   [No.17]   [Next→]
機材名Effector13 Shoe Gazer
種類ファズ
他使用機材gibson SG std / 偽COT(自作の一石ブースター) / JC120
価格約\26,000(送料込)
評価★★★★★


 ▼Comment
Truly Beautiful Disaster、Soda Meiserなどの極端系ファズで名を上げつつあるハンドメイド・メーカー、Effector13の新作ファズ。サンプルサウンドが気に入ったので、特に詳細を調べず購入しました。
二種類のファズを重ねがけする事ができる「二層ファズ」ということで……そもそも、ここまでアクの強いファズを、さらに重ねるというコンセプト自体が無茶。一層目の時点で既に相当過激なサウンドです。倍音が暴れるギラギラの鋭いファズで、単音は切り裂くような金属的なファズ音、コードだとノイズの壁を作り出します。Volumeは8時のあたりで最大になり、それ以上は音の密度が濃くなっていくような感覚です。Textureは真ん中から左にまわすと高音、右にまわすと中低音寄りになります。ボリュームを絞ると独特のジャリジャリした音に。
「MORE FUZZ」スイッチを踏み、二層目のファズを重ねると、重低音をミシミシに詰め込んだ音になります。単音で弾くとエグるような歪みが体験できますが、コードを鳴らすと、これは本当になんとも言えない強烈なサウンドで、カタカナで書くと「ブゴーッ」というかんじの……「息苦しい」という形容がぴったりくる音です。体に悪そうです。この二重ファズの状態、弾かない時は発振しており、ボディーの金属部に触れたり振動を加えたりするだけでこの音は暴れ、フィードバックで増幅されて、極彩色のノイズとなります。また、6弦に至ってはピッキングする必要すらありません。指で押さえているだけで無限のサステインが生まれ、あとはフレットを移動していくだけで音程を変えていくことが可能です。
後ろにつなぐ歪みやアンプの特性次第で音作りのコツが全く変わってくる敏感なペダルです。全体のサウンドを慎重に設定しないと、クリッピングの食い合わせが悪くなって音が痩せたり、難聴になりそうなハウリングが起こります。JC120のクリーンにこれだけ使うのが一番簡単なのですが、ジャストな設定のブースターと噛み合ったときの太く攻撃的な出音は極上で、捨てがたいものがあります。
というわけで相当なじゃじゃ馬ではありますが、出音の素晴らしさを捨てて、これを単なるジャンク音発生装置にしてしまうのは、宝の持ち腐れです。変態ファズと実戦的ファズの境目でウロウロしているようなファズで、変態ファズ側に確実に片足は突っ込んでますが、けっして一発芸の飛び道具ではありません。ジャンルはやたら限定されますが、ロックンロールに過激さを求めたい向きにはバッチリな音です。個人的にはまさに求めていたファズ、試行錯誤しつつ使い倒したいと思います。

[←Back]   [No.17]   [Next→]
Pass:
Miniりすと v4.01