芋づる式
ひとつのことから、それに関係する多くのものが、つぎつぎにあらわれること。
語源   
 「芋」とはサツマイモのこと。明治になって政治の中心となったのは薩長の藩士たちでした。特に薩摩(鹿児島)は、西郷隆盛・大久保利通をはじめとしてたくさんの人物が出世しました。人々はこれを皮肉って、特産のサツマイモとかけて「芋づる式に・・」と表現するようになりました。用例としては「芋づる式に捕まる」などあまりいい意味では使われていません。やはり、語源となった事情が影響しているのでしょうか。 

■サツマイモは、紀元前900〜1000年ごろに中央アンデス地方=熱帯アメリカで生まれました。紀元前200年頃ペルー北海岸のあたりで栄えたモチーカ文化の土器の中にサツマイモをかたどったものが見つかっています。コロンブスがアメリカからヨーロッパへ持ち帰ったと言われています。その後、気候の暖かいアフリカ・インドなどの植民地に持ちこまれて世界中に広がりました。東南アジアへはスペイン人やポルトガル人が持ちこんだとされています。日本には西暦1600年ごろ中国から渡ってきました。サツマイモと呼ばれるようになったのは、薩摩(鹿児島)から全国に広まったからです。鹿児島では「琉球芋」と呼ばれているので沖縄から伝わったということがわかります。沖縄では「唐芋」と呼ばれているので中国から伝わったことがわかります。中国では「甘藷(カンショ)」と呼ばれています。江戸時代の八代将軍徳川吉宗(よしむね)のころに、蘭学者(らんがくしゃ)の青木昆陽(こんよう)によって全国に広められました。青木昆陽が「甘藷先生」とも呼ばれていたゆえんです。
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