でくのぼう(木偶の坊)
役に立たない者。
語源   
<1>泥偶説
 昔、人形のことを「偶」といいました。もっとも身近に作られていた泥人形のことを「泥偶(でいぐう)」と呼んでいたのが「でく」と略されて言われるようになり、人形一般のことを指すようになりました。当時の人形はまだ手足のない木の棒のようなもので作られることが多かったことから、手足を働かさない=なまけ者のことを「人形のような奴」という意味で「木偶の坊(でくのぼう)」と呼ぶようになりました。
<2>手くぐつ説
 「くぐつ」とは歌に合わせて動作する人形のことで、その人形を操る人々のことも意味していました。「くぐつ」の人たちは日本の芸能の源流的存在で、はじめは大陸からの渡来民で結成されていましたが、芸能が日本文化の中に浸透していくうちに、たくさんの人々が関わるようになっていきました。「手で動かされるくぐつ」の様子を人間にあてはめて、「自らは何もしない」「周りから手を貸さないと何もできない」人のことを「手くぐつのような奴」=「手くぐつ坊」と呼ぶようになり、略されて「でくの坊」となりました。それに「木偶」という漢字をあてて「木偶の坊」となりました。





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