元々はアメリカのマイクテストの文句「It's fine today」からきています。「t's」「f」「d」など、マイクでは拾いにくい発音が入っていて、マイクや機器の調子、音、バランスを調整するのに最適の言葉だったようですが、その英語をそのまま使わずに日本語に訳して利用することにしたようです。「今日は良い天気です」と話し言葉のように翻訳せずに文語調にしたのは、大声を出しても恥ずかしくないように風格のある表現を選んだとのことです。この「本日は晴天なり」を初めて使ったのは、気象庁の前身の中央気象台だと言われています。中央気象台は、大正14年に気象台の構内に無線塔を立てて無線放送で気象情報を流すことを考え、試験放送として「本日は晴天なり」を使いました。結局、中央気象台からの放送は実現することなく、本放送はNHKの前身の東京放送局から行われることになったのです。無線局運用規則第39条でこの言葉を必ず使わなければならないと決められているので、もし雨の日に「本日は雨天なり」と使うと、それだけで法令違反=犯罪になるのでしょうか?!
<2>天気説
中央気象台がはじめて試験放送をしたときに、担当者が「本日は誠によい天気ですね。それでは気象情報の試験放送を始めます。」という意味のことを言い、英語にも「It's fine today」というマイクテストの用語があるので、気象情報の放送はこの言葉からはじめようということになったのです。