日本人はなぜ自分たちで文字を作らなかったの?
 漢字が渡ってくるずっと前から日本列島には人が住んでいて、自分たちで話す言葉を持っていましたが、それを書き表す文字は持っていませんでした。

「言葉があるのに文字がないなんて不自然ではないか」
「日本人の先祖は能力が低かったのか」

と考える人もいると思いますが、そう単純なことではありません。現在世界中にある言語は約4000語。そのうち元々文字を持っている言語はごく少数です。ヨーロッパの各国語を考えてみてください。英語、ドイツ語、フランス語・・・文字はとてもよく似ていますよね。ということは、どこか共通のところから文字をもらっているのですね。

 同じように、日本語を話していた祖先が文字を持っていなかったことは、おかしいことでも恥ずかしいことでもありません。単に、人が住んで言葉ができたのが早いか遅いかの違いであり、漢字が渡ってこなければ、いずれ自分たちで、自分たちの言葉にぴったりあった文字を作り上げていたでしょう。

「漢字が渡ってくる以前に日本固有の文字があった」として「神代文字」等の名称でその存在を主張している説があります。しかし、山田孝雄氏をはじめとする多くの学者の「文字はなかった」という主張は、分析がとても詳細で、正確で、説得力があります。「文字がなかった」という定説は、今後も覆されそうにありません。

フッタ
漢字の成り立ちあははっホームページ