日本への渡来はいつごろ?
 日本への漢字の渡来時期については諸説があります。もちろん遙か昔のことなので、はっきりさせることは難しいのですが、だいたいの推測はできます。日本に現存する最も古い書物のひとつである「古事記」や「日本書紀」に

 応神天皇の時代に
 朝鮮半島の百済という国の和邇(わに)吉師(日本書紀では「王仁」)が
 論語十巻、千字文一巻、あわせて十一巻を日本に伝えた

という話が載っています。この記述をもとに、朝鮮から王仁博士が千文字を伝えたといわれる「西暦300年頃」を最初とする説が有力ですが、それ以前から中国本土とも貿易をしていたことがわかっていますので、実際は仕事上、日本人は中国語=漢字を理解していたはずです。

 さらに、西暦57年に後漢の光武帝から「金印」が授与された、という有名な歴史的事実がありますが、そのときの「金印」の文字が日本人にとって意味があった=わかったとするならば、すでに西暦0年前後には漢字を理解できる人々がいたとするのが当然でしょう。実際に、「紀元前には既に日本に漢字が渡来していた」と思われる証拠もいくつか見つかっているようです。

フッタ
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