単純に言ってしまえば「1回の表現でまとめて2人を尊敬する」ということです。
2人別々に尊敬語を使うのではなく、「A←B←私」というように、直列にならべて表現する方法なのです。
1.「社長」に部長が書類を渡す
まず単純に2人の場合で考えて、「社長に部長が書類を渡す」を「社長に部長が書類をお届けする」と表現します。この段階では、社長に対して謙譲語を使うことで、社長と部長の立場(上下)を決めています。
■ 参る、いたす、差し上げる、お話しする、お待ちする、お尋ねする、ご連絡する・・・
2.「部長」に対して、私が尊敬語を使う。
私から部長に対して、部長が「届けなさる」という尊敬語を使います。部長に対する敬語です。
■ 〜なさる、れる、られる、お〜になる・・・
3.「社長に書類を渡した部長」に対して、私が尊敬語を使う。
1と2を合わせて敬語を使います。これで、社長と部長を同時に尊敬している表現になります。
日常で、二方向の敬語を使う場面はあまりないでしょう。使うためには4人が必要だからです。
1.何かをされる「立場が一番上の人」
2.1の人に何かをする「話している本人よりも立場が上の人」
3.話している本人
4.その話を聞く立場の人
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学校では
★1年生の私から見た「2年生の先輩」が「3年生の先輩」にしたこと
★私から見た「先輩」が「先生」にしたこと
★生徒からみて「先生」が「校長先生」にしたこと
という場面にあてはまります。ポイントは言葉の順番が常に「謙譲語+尊敬語」になるということです。これは、古典ではよく出てくる表現です。
■
参る →
参りなさる 参られる お参りになる・・・
■
いたす → (
いたしなさる)
いたされる (
おいたしになる)・・・
■
差し上げる →
差し上げなさる (
差し上げられる) (
お差し上げになる)・・・
■
お話しする →
お話なさる お話しされる (
おお話になる)・・・
( )の表現は実際に使われることはまずありませんが、形だけから言えば可能のある表現ですね。
2005.05.21改