謙譲の表現がよくわかりません。
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謙譲の表現は、まず自分の言動にだけ使ってみましょう!
●基本は2つ! 自分の動作の「〜する」と「〜申しあげる」です。
●「する」「します」「いたします」「申しあげます」という順に敬意が強まります。
上の原則に「お」や「ご」をつけてみましょう。
例をあげて、謙譲表現にしてみましょう。
「持つ」 「お持ちする」「お持ちします」「お持ちいたします」「お持ち申しあげます」
「案内する」 「ご案内する」「ご案内します」「ご案内いたします」「ご案内申しあげます」
★例題★ 次のそれぞれの表現は、自分側(謙譲)と相手側(尊敬)のどちらですか?
「利用する」
「利用なさる」
「利用いたします」
「利用申し上げます」
「利用します」
「利用になる」 |
A.自、相、自、自、自、相 |
※謙譲の意味で使う「利用させていただく」という表現には難しい議論があります。
※尊敬語は、相手が「〜になる」「〜なさる」と表現すればよいのです。
尊敬表現がクドくなってしまいます。
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敬意の強い順に並べてみたので、次の順番で言葉を選んでみましょう。
1.「食べる」という意味の尊敬語にスパッ!と置き換える・・ 召し上がる
2.「食べる」の「食べ」の、うしろに「なさる」をつける・・ 「食べなさる」
3.「食べる」の「食べ」に、「お」と「〜になる」をつける・・ 「お食べになる」
4.「食べる」の「食べ」に、「られる」をつける・・ 「食べられる」
5.「食べる」の「食べ」に、「はる」をつける・・ 「食べはる」
やはり、1.が最も印象がよく、敬意も自然で正確に伝わります。
ただし、それぞれ次のような問題点もあります。
1は、尊敬語がない言葉が多い。謙譲語を間違って使って、失礼になることがある。
2は、明快だが、3と組み合わさり「お・・なさる」というクドい誤用になることが多い。
3は、いろいろな言葉に使えるオールマイティ。丁寧さもほどほどだが、続くとクドい。
4は、「れる」と「られる」の使い分けがあってわかりにくく、敬意も低め。
5は、主に関西地方で使われますが、違和感のある人も多い、軽い敬語です。 |
尊敬語をクドくしている原因のほとんどは、2.3.4.を混ぜることが原因です!
2.3.を混ぜると 「お食べなさる」
3.4.を混ぜると 「お食べになられる」
これらは二重敬語だとも解釈できますが
厳密には間違いだし、言語に敏感な人は無理を感じるのです。
やはり、敬語はシンプルに的確に、が原則ですよね。
あっさり表現することを心がけましょう。
尊敬語を最低限使えたらいいのですが。
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それならば、「いる」「言う」「食べる」を確実に表現しましょう。
「いる」の尊敬は 「いらっしゃる」「おいでになる」「見える」です。
「**さんはおりますか?」は謙譲語です。敬意の対象には使いません。
「言う」の尊敬は 「おっしゃる」(「おおせになる」)です。
「**さんが申しましたとおり」は謙譲語です。敬意の対象には使いません。
「食べる」の尊敬は 「めしあがる」「あがる」です。
「どれをいただきますか?」は謙譲語です。敬意の対象には使いません。
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