故事成語

画竜点睛
 梁の国の武帝は、仏教を厚く信仰していました。たくさんの寺を建てて、寺の装飾画の多くはという画家に書かせていました。は、都の安楽寺で4匹の白い竜を描きましたが、どの竜にも、睛(ひとみ=瞳のこと)を書き入れませんでした。そして、「もし、この竜に瞳を書き入れたら、飛んでいってしまうんだよ」と言っていました。人々は、でたらめを言っていると思ったので、試しに瞳を書き入れるようにお願いしてみました。願いを受けては2匹だけ絵の竜の瞳を書き入れました。

 しばらくすると、雷が鳴り、稲妻で壁が壊されて、瞳を書き入れた2匹の竜は、雲に乗って天に飛び上がっていってしまいました。それを見た人々は腰を抜かし、の画力に感服したということです。

 瞳を書き入れなかった2匹の絵だけが、今も安楽寺の壁に残っています。
■文章や絵画で、最も重要な箇所に手を加えて、効果をあげること。
最後の大切な所に手を加えて、物事を完成させること。
※打消表現にして、最後の肝心なところを仕上げずに不完全な状態であるという意味で使うことが多い。

<例> すばらしい作品なのに、あと一歩のところで画竜点睛を欠いていて残念ですね。