故事成語

蛍雪の功
 晋の時代に車胤(しゃいん)という人がいました。幼いころからつつしみ深く、まじめに学問をして飽きることもなく、あらゆる文献に目を通して、何にでも広く通じている人物でした。ところが、家はとても貧しくて灯りの油をいつでも買えるというわけではありませんでした。夏の夜になると練り絹の袋に蛍(ほたる)を数十匹入れてその明かりで書物を照らし、昼夜を通して勉強したのです。その努力が実を結んで、のちに尚書郎<※現在の日本の最高裁判所長官にあたるでしょうか・・>という高官に出世したということです。

 同じく晋の時代の孫康も家が貧しくて、灯りの油がない生活を送っていました。冬の夜はいつも雪明かりに照らして読書していました。若いときから清廉潔白で、友だちも悪いつきあいは避けるようにしてまじめに努力したのです。のちに御史大夫<※現在の日本の総理大臣にあたるでしょうか・・>という長官に出世したということです。
■一生懸命学問に励むこと。特に貧しい中で苦心して学問をすること。
単に教育を受けることや、しっかり勉強をして学校を卒業するをさすこともあります。

<例> この合格は、まさに蛍雪の功が生んだものだね。おめでとう。