故事成語

助長
 宋の国にとてもきまじめながいました。自分で植えた苗の生長がとても遅いので、だんだんと心配になってきました。毎日のように畑に通って世話を続けましたが、なかなか成長してくれません。

 ある日、いてもたってもいられなくなったは、生長を助けてあげようと考えて全部の苗をちょっとずつ上に引っ張ってくたくたになって家に帰りました。そして、家に帰ってから家族に言いました。「今日は本当にくたびれたよ。苗の生長があまりにも遅いので、全部の苗をちょっとずつ引っ張りあげて早く生長するように助けてきてやったよ。ああ、疲れた。」

 それを聞いた息子は大あわて。すぐに家を飛び出して、畑に向かいました。畑を見てみると、やはり苗は根が浮いてしまった状態で弱ってしまっていて、すっかり枯れてしまったということです。

■ 成長を助けること。余計なことをしてかえって害をまねくこと。

<例> 薬の使い方を間違うと、かえって病気の進行を助長することになりかねません。  
■人をゆったりと健やかに育てるには、その人の成長にあわせてじっくりと支えてあげることが大切だという、孟子から弟子への教えです。