故事成語

両雄並び立たず
 楚の国の項羽と漢の国の劉邦という両雄が争っていました。項羽が優位に戦いを進めていたので、劉邦はいったん軍をさげて体制を整えようとしました。そのときある漢の儒者が劉邦に進言しました。

 「君主にとって、自国の民は天(=もっとも大切なもの)です。民にとっては食べ物が天です。 今、相手の楚軍の占領地にある大きな穀物の倉が手薄になっています。これは私たち漢にとってはまさに天の援助です。今、このタイミングで軍を引き上げてしまうのは相手に立ち直るきっかけを与えてしまうので大きな間違いだと思います。二人の勇者が仲良く王に並び立つことなどできるはずがありません。王はひとりです。今はこのまま楚軍と向き合ったままでいるべきです。そしてさらに穀物を手に入れて人々の身も心も潤して、楚を圧倒する力を誇示しなければなりません。」
■ つじつまがあわないこと。論理が一貫しないこと。

<例> 両雄並び立つことはできないので、どちらかがやらねばならない。