故事成語

惻隠の心 羞悪の心 辞譲の心 是非の心 四端
 孟子が言いました。
 「誰かの不幸を深く哀れんで悲しむ惻隠(そくいん)という心が生まれたときに、『仁』が芽生えます。自分が約束を破ってしまったり悪いことをしてしまったことを恥ずかしく思って憎む羞悪(しゅうお)の心が生まれたときに、『義』が芽生えます。自らが一歩退いて人に譲ろうとした辞譲(じじょう)の心が生まれたときに、『礼』が芽生えます。そのことが良いかどうか考えて判断しようとした是非(ぜひ)の心が生まれたときに、『智』が芽生えます。
 人の体には生まれたときから両手・両足の四体が存在しています。それと同じように、人間には生まれながらにして惻隠・羞悪・辞譲・是非の四つの心があり、そこから仁・義・礼・智が芽生えるのです。この四端(したん=端は”芽生え”の意)を人々が理解して充実させてゆけば、仁・義・礼・智が広まり、世界中が安らかになっていくことでしょう。」 
■人間の本性に宿る心。

<例> ○○の心こそが、今のあなたに最も必要な心ではないでしょうか。