あひるはどこへ行ってしまったの?


 

3羽のアヒルが奈良佐保川の天平橋のほとりに住みついて 仲良くくらしておりました。

お魚はいっぱいいるし、草もたくさん生えているので
毎日毎日お腹いっぱい食べて、楽しくくらしておりました。

ところが梅雨になり、大雨が降り、水かさが増し、川原の岸もなくなってしまったのです。
川はゴーゴー流れます。
泳げないアヒルはとうとう流されていってしまいました。

どこまで流されて行ってしまったのだろう。
毎日楽しみにしてアヒルを見ていたおばさんは、 とても心配でした。

でも、おばさんはある日、次の新聞記事を見つけたのです。

 カモやサギなどの水鳥が多数やってくる奈良市法蓮 町の佐保川で、一羽のアヒルの救出劇があった。カモ につつかれて首筋や羽にけがをしていた。見かねた住 民が奈良県や奈良市へ訴え、2日午後、奈良署員と 一緒になって一時間がかりで保護した。アヒルは、パ トカーで仲間たちのすむ近くの池へ運ばれた。  近くの主婦が、自宅前の佐保川(川幅約6m)を泳いでい る三羽のアヒルを見つけたのは6月28日。2年 ほど前にも、川にアヒルが捨てられていたことがあ ったといい、今回も「捨てられたのだと思う」と話す。

 佐保川には「先住者」のカモやサギがいる。アヒル たちはカモにつつかれ、体のあちこちの羽が抜けてい た。主婦や近所の会社員が奈良県や余良市に相談し たが、らちがあかず、翌29日消防署佐保出張所へ連絡した。 消防隊員8人がその日のうちに来て3羽のうち2羽を保護し、約 600m離れた鴻ノ池へ放した。この池には20羽以上 のアヒルがおり、安全。残る一羽は逃げてどこかへ行ってしまった。

 ところが30日になって、残ったアヒルが姿を見 せた。相変わらずカモにつつかれているのを目撃した。川の水が少 しひいた2日に、依頼を受けた奈良新大宮駅前交番の警察 官3人と主婦らが一時間近く追いかけた末、川の中州で、篠田さ んが後ろから近ついて保護した。  首筋の地肌が見えるほど つつかれ、羽がぬけて、痛々しい姿だった。アヒルは 篠田さんに抱かれたまま、奈良署のパトカーで仲間の いる鴻ノ池へ運ばれた。

ああよかった!!  でも家の裏の佐保川には
アヒルたちはもう戻ってきてくれないのでしょうか。
おばさんは少し残念です。

おわり