あけび : アケビ科

万葉名 佐野方(さのかた)


佐野方(さのかた)は 実にならずとも 
花のみに 
咲きて見えこそ 恋の慰(なぐさ)

万葉集 10-1928

佐野方は、実にならなくても花にだけでも咲いて見せてほしい。恋に苦しい心の慰めに。
 

佐野方は 実になりにしを 
いまさらに 
春雨降りて 花咲かめやも

万葉集 10-1929

佐野方は、実になってしまったものを、いまさら春雨が降って花が咲くことがありましょうか。


 


 


あけびは 山林に生え、周囲の樹木にからまって伸びる落葉性の蔓植物。葉は掌状複葉で互生。 花は4・5月、新葉とともに開花。雌雄同株。雌花はがく片3、花弁なし、雌しべ3−6。液果は6cm程、食用。


2004.4.11 飛鳥川・稲淵