近江の海 夕浪千鳥 汝が鳴かば 心もしのに 古思ほゆ
あふみのうみ ゆふなみちどり ながなけば こころもしのに いにしへおもほゆ
万葉集 柿本朝臣人麻呂 3-266 近江の琵琶湖の夕暮れの波の上に群がる千鳥よ。お前が鳴くと 心もしおれるほどに、昔都のあったころが思い出されることよ。
壬申の乱(672年)によって大津宮は壊滅し、柿本人麻呂が すっかり荒れた近江朝跡を訪ねた時の感慨を詠んだものと思われる。
2001.12.23 水鳥が一線に並んで 2001.12.23 千鳥に白鳥も加わって