花筏(はないかだ) : ミズキ科

万葉名 
つぎね

つぎねふ 山背路を 他夫の 馬より行くに 己夫し 歩より行けば

見るごとに 哭のみし泣かゆ そこ思うに 心し痛し
 
たらちねの 母が形見と わが持てる 真澄鏡に 蜻蛉領巾 追ひ並み持ちて

馬買え我が背

つぎねふ やましろぢを ひとづまの うまよりいくに おのづまし かちよりいけば
見るごとに ねのみし泣かゆ そこもうに 心し痛し 
たらちねの 母が形見と わが持てる ますみかがみに あきつひれ 追ひなみ持ちて
馬買え我が背

万葉集 13-3314

 

 

「つぎねふ」は山城の地をほめる枕詞でつぎねが生うるの意味。一人静・二人静・花筏などの説がある。

花筏は雌雄異株の落葉潅木で山地に生え高さ1.5m程度。春から初夏にかけて葉の中央に淡緑色の3・4弁花をつける。雄花は数個、雌花は1〜3個つく。雄花には4つのおしべが、雌花には1つのめしべがある。花筏は花を載せた葉が筏に見えるから。花の後は緑から黒い実をつける。

 
花筏雄株 葉の中心に雄花満開 2004.4.12 自宅

 
花筏 雌花