鏡女王 (かがみのおおきみ
 

(天智)天皇の鏡女王に給へる御歌1首

妹が家も 継ぎて見ましを 
大和なる 
大島の嶺に 家もあらましを

万葉集 天智天皇 2-91

あなたの家をずっと見ていたいものよ。大和の大島のあたりに家もあったらよいのに。


鏡女王の和え奉れる御歌1首

秋山の 木の下がくり 行く水の 吾こそまさめ み思いよりは

万葉集 鏡女王 2-92

秋山の木の下を隠れて流れる水のように、見えずとも、天皇がお思いくださるよりずっと深く私はお慕い申し上げることでしょう。


 

鏡王女は額田王の姉、舒明天皇の皇女、天智天皇の妃ともいわれている。
後に藤原鎌足の正室となる。

「忍坂(おさか)の山」と歌われた外鎌山(292m)の南ふもとに舒明(じょめい)天皇陵・鏡女王忍坂墓がある。 舒明天皇陵の前の木の下道を上っていくと、明るい棚田がひらけ、後方は外鎌山山頂。

 

 
畦をのぼった丘にひっそりと鏡女王の「忍坂墓」がある。