大伴坂上郎女は大伴旅人の異母兄妹で、娘の坂上大嬢が旅人の長男・家持に嫁いでいる。
佐保川の近くに住み佐保川を詠んだ歌を多く作っている。
佐保川
外にゐて 恋ひつつあらずは 君が家の 池に住むてふ 鴨にあらましを
大伴坂上郎女 万葉集 4-726
外にいて慕い続けるのではなく、君が家の池に住むという鴨にでもせめてなりたいものですのに
我妹子に 恋ふれにかあらむ 沖に住む 鴨の浮き寝の 安けくもなき
万葉集 作者不詳 11-2806
我妹子に恋いするからであろうか。沖に住む鴨の浮き寝のように、私の心は安らかでない。