橿 (かし) :  ブナ科

万葉名 橿  (かし


河内の大橋を独り去く娘子を見たる歌1首

級照る 片足羽川の さ丹塗りの 大橋の上ゆ

紅の 赤裳裾引き 山藍もち 摺れる衣着て ただ独り い渡らす児は 

若草の 夫かあるらむ 橿の実の 独りか寝らむ 
問はまくの 欲しき我妹が 家の知らなく

万葉集 高橋虫麿歌集 9-1742

若草の夫がいるのだろうか。それとも橿の実のように独りで寝ているのだろうか。 問うてみたいのに、あの娘の家を知らないことよ。



 


ぶな科の常緑高木。しらかし、あかがし、あらかしなど。 万葉の舞台となっている関西ではアラカシが多く、単に樫というとアラカシの場合が多い。
実は1笠1つのどんぐり。ひとり寝の比喩に使われる。
 

 




春日神社神苑 2004.3.14

三輪大神神社 大きな幹に新芽 2007.6.2