春日山山麓、飛火野を中心とする奈良公園一帯は、万葉時代は春日野と呼ばれていました。
飛火野から春日山を望む。春日山に溶け込むような手前の円錐形の山は御蓋(みかさ)山。
見渡せば 春日の野辺に 霞立ち 咲きにほへるは 桜花かも
万葉集 10-1872
春日なる 御蓋(三笠)の山に 月出でぬかも 佐紀山に 咲ける桜の 花の見ゆべく
旋頭歌 万葉集 8-1571
雨ごもり 情(こころ)いぶせみ 出で見れば 春日の山は 色づきにけり大伴家持 万葉集 8-1568
春日野に しぐれ降る見ゆ 明日よりは 黄葉かざさむ 高円の山
藤原朝臣八束 万葉集 8-1571