児手柏 (このてがしわ) : ヒノキ科

万葉名 
児手柏(このてがしわ)


ねぢけ人を謗(そし)れる歌1首

奈良山の 児手柏の 
両面(ふたおも)に かくにもかくにも ねぢけ人の徒

万葉集 消奈行文太夫 16-3836

奈良山の児手柏が両面であるように、ああ言えばこ言う、ねぢけ人のやからよ。

 

千葉の野の 児手柏の 
ほほまれど 
あやにかなしみ 置きてたか来ぬ

万葉集 大田辺足人 20-4387

千葉の野の児手柏のつぼみのようにういういしい可愛い少女、その恋人を置いてきてしまったなあ。千葉から九州へ旅立った防人が恋人を思う歌。


児手柏は中国原産の高さ3mほどの常緑樹。今では野生は少なく、庭などに植えられることが多い。
枝や葉が子どもの手のひらのように立っているので児の手柏とよばれる。




 

 
児の手柏(ヒノキ科) 京田辺市朱智神社付近 2004.2.21