大和三山のに一つで、標高139.7mと三山の中で一番低いが、山容はやさしく秀麗で、
濃い緑に包まれた美しさはひときわ目を引く。
もとはもっと高い山だったが、盆地の陥没で沈下し、山の頭部が地上に残された単調な円錐形で、
人の顔にたとえれば耳が無いような山なので、耳無山→耳成山と呼ばれるようになったともいわれている。
右前方耳成山、左畝傍山、後方葛城山名を縵子という美しい乙女に3人の男が求婚した。
乙女は「わたしの身は露のようにはかないのに、 男たちの思いは巌のように固い」と嘆き、
ついに池をさまよい水底深く身を沈めてしまった。
男たちは嘆き悲しみ、それぞれの思いを歌った内の1首。耳無の 池し恨めし 吾妹子が 来つつ潜(かず)かば 水は涸れなむ
万葉集 16-3788
耳成の池は恨めしい。愛しいあの娘が来て入水したならば水が涸れてくればよかったのに。
耳成山頂への道 耳成山麓の歌碑
耳成山公園から耳成山を望む 耳成山南麓の池