臣の木 ・ もみ


臣の木は樅の木で、常緑で巨木になるので神聖な木と考えられていた。 クリスマスツリーも樅の木でつくられるのはおもしろい。

 
樅の若葉

山部赤人、伊予の温泉に至りて作れる歌

皇神祖(すめろぎ)の 神の命の 敷きいます 国のことごと 
湯はしも 多にあれども  島山の 宜しき国と こごしき 伊予の高嶺の 
いさ庭の 岡に立たして うち偲ひ こと偲ひせし 
み湯の上の 樹群(こむら)を見れば  臣の木も 生い継ぎにけり 
鳴く鳥の 声も変らず  遠き代に 神さびゆかむ 行幸処(いでましどころ)

山部赤人 万葉集 3-322

・・・険しい伊予の山から国見をすると、伊予の温泉のほとりの森にはいつからか臣の木がそびえている。 その大樹に鳴く鳥の声は変わらず、神代のままの姿である。