河原撫子(かわらなでしこ) :  ナデシコ科 

万葉名 奈泥之故(なでしこ)

秋さらば 見つつ偲へと 
妹が植えし 
宿のなでしこ 咲きにけるかも

大伴家持 万葉集 3-464

妹が見し 庭に花咲き 
時は経ぬ 
我が泣く涙いまだ 干なくに

大伴家持 万葉集 3-469


見わたせば 向ひの野辺の 
なでしこの 
散らまく惜しも 雨な降りそね

万葉集 10-1970

野辺見れば なでしこの花 
咲きにけり 
我が待つ秋は 近づくらしも

万葉集 10-1972



 

河原撫子は日当たりのよい山野に自生する多年草。秋の七草の一つとして万葉集で山上憶良によってとりあげられている。
 

 


興福院・大伴家持の邸宅があった辺り