ひる ・ のびる


のびるはネギやラッキョウの仲間で山野に自生し、食用になる。
初夏に珠芽をつくり、白紫色の小さな花をまばらにつける。ひるは万葉集にこの1首のみ。


のびるの珠芽

醤酢(ひしほす)に ひるつきあてて 鯛願う われにな見せそ 水葱(なぎ)のあつもの

長意吉麿 万葉集 16-3829

酒の肴は醤油と酢にのびるを和えた物があれば十分ですよ。
その上に鯛の焼き物があればいうことなしです。なぎの吸い物などはいりませんよ。
仲間同士の宴席で詠まれた歌か。