蝉 ・ せみ


ひぐらしは 時と鳴けども

恋ふるにし 手弱女(たわやめ)われは 時わかず泣く

万葉集 10-1982

ひぐらしは鳴くといっても時を定めて鳴く。
人恋しく弱い女のわたしは時を分かたず泣くことだ。

ひぐらし。羽化直後だったのか写真をゆっくり取らせてくれました。高見山頂にて

夕影に 来鳴くひぐらし ここだくも 日毎に聞けど 飽かぬ声かも

万葉集 10-2157

夕日にきて鳴くひぐらしよ。しきりに毎日鳴くけれども飽きもしない声よ。

石走(いわばし)る 滝もとどろに 鳴く蝉の 声をし聞けば 都し思ほゆ

安芸の国長門の島にて 大石蓑麿 万葉集 15-3617

 
あぶらぜみ