(たけ) :  イネ科 

万葉名 ( たけ)
 


梅花の歌32首、天平2年正月13日に。時に初春令月にして気よく、風和らぐ。

梅の花 散らまく惜しみ 
我が園の 
竹の林に うぐひす鳴くも

阿氏奥島 万葉集 5-824

さす竹の 大宮人の 家と住む 佐保の山をば 思ふやも君

石川朝臣足人 万葉集 6-955

我が背子を いづち行かめと 
さき竹の 
そがひに寝しく 今や悔しも

万葉集 7-1412

み園生の 竹の林に うぐひすは しば鳴きにしを 雪は降りつつ

大伴家持 万葉集 19-4286

我がやどの いささ群竹 
吹く風の 
音のかそけき この夕べかも

大伴家持 万葉集 19-4291


竹を詠んだ歌は万葉集中に21首ある。そのうち「さす竹の」「さき竹の」などと枕言葉として用いられるのが9首。さすは芽生える、成長するの意味で繁栄長寿を祝福して大宮。皇子などの枕詞として使われる。