弓弦葉 ・ ゆずりは


山地に生える常緑高木。春新芽が枝先に蕾のようにつく。 若い葉の生長をじっと待ち、見届けてから新しい葉に命を譲る。
ゆずり葉の名は次の世代への命の継承の願いがこめられたもので、 お正月の飾りにも使われる。

 

吉野の宮に幸ししときに、弓削皇子の額田王に贈り与えたる歌1首

古に 恋ふる鳥かも 弓弦葉の 御井の上より 鳴き渡り行く

万葉集 弓削皇子 2-111
 

弓削皇子は天武天皇の第6皇子。吉野に旅した時、かっての父の恋人額田王に送った歌。 あの鳥は
天武天皇がおいでの頃の昔を恋こがれているのでしょうか。 ゆずり葉の茂っている泉の上を渡って行きます。


春日大社神苑にて