奈 良 散 策

秋燃ゆる談山神社

            ☆11月13日
               談山神社(一部デジカメ撮影)

               黄色い銀杏の葉が風に乗ってはらはらと舞い散った。
              談山神社に向かうバスが多武峰のバス停に停車した時である。
              満員の乗客から思わず歓声が上がる。ここでバスを降りて散策しながら談山神社に向かう人もいた。
              
               山道の両脇を大木の楓が出迎えてくれ、バスは駐車場へ到着しここから少し歩く。
              石段を一つ上がっては赤く染まり、山と一体化しそうな錯覚を覚える。

                             染まりゆく 錦の山も はかなくて 
                                     やがていつかは 風に舞い散る

                                                        ☆ワイドヒル

                             錦野の 楓のえにし 染め抜かん
                                     かえでならまじ さだめなりせば
                                                   ☆ホホデミさん


            (錦の山に美しく色づく楓のような縁を持った私たちだよ、(舞い散る=いつか別れると思わないでおくれ)
            心をつらぬけば舞い散らないものだよ?いいえ、変えてはならないよ、これが私たちの運命なんだからね。)

                             三つ編みの お下げにかかる 散りもみじ
                                      思えば遠き 頬のはじらい

                                     河内太古さん

               
               木の下に佇んで見上げていると、幾つもの団体が賑やかにお喋りしながら通り過ぎて行く。
              鮮やかな楓が風になびいては、ひらひら舞って絨毯を敷き詰める上を。
              落ちたばかりのひとひらを拾い、手のひらに乗せるとふと悲しくなる。まだこんなに綺麗のに・・・

                             多武峰 燃ゆるもみぢ葉 眺むれば
                                      ひらひら舞ひて 我もの悲し
                                                  ☆ワイドヒル


                             ひらと舞ひ 風に誘はる もみぢ葉の
                                       今は盛りと 見つ思ふべし
                                                 ☆ももさん


                     (・・・もみぢが散るのを悲しがってちゃいけませんよ♪ってことで。) 
             
                             舞い落ちる 紅葉違へど 移り行く
                                       季節を惜しむ 心は同じ
                                            ☆緋 青玉さん (P−SAPHIREさん)

                        
                        (舞い落ちる紅葉には違いがあるかも知れませんが、
                        別の場所であっても、移り行く季節を惜しむ心はあなたと同じですよ。)

                ◇耳成さんの別館万葉の花に初投稿したら返歌を戴きましたので皆さんにお許しを得て掲載致しました。

                 本殿に座りお参りして、後ろを振り向けば釣り灯籠越しに見る紅葉は何故か心静かに眺められ
                 ずっとこのまま座っていたい気持ちになる。

                   談山神社は多武峰(とうのみね)の山中にあり、大化改新の中心人物藤原鎌足を祀る神社。
                  舒明、皇極二代の天皇の世に、国の政治を欲しいままにしていた蘇我蝦夷、入鹿の親子を討伐し
                  政治を改革しようとした中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)が
                  西暦645年5月藤の咲き乱れる多武峰に密かに登って「大化の改新」の談合を行った所です。
                  後にこの山を談い山・談所ヶ森と呼び神社の社号の起こりとなりました。