棚 田 の 風 景
松阪市
☆2007.08
深野のだんだん田
涼を求めて樹氷で有名な高見山に出掛けた。
勿論、登山ではなく車で行ける所までである。
峠の駐車場に着くと、急な階段から始まる高見山への入り口があった。
暑い日差しの中、見ただけで心臓からパクパク音が聞こえて来そうである。
積雪のある冬には、樹氷が綺麗なので沢山の人が訪れて奈良からも臨時バスが運行されている。
一度は樹氷を撮りたいと思いつつ「帰りのバスに乗り遅れたら」の心配が先に走り未だ行けずにいるが、
冬にこの斜面を歩けるか・・・いや、その時は必死で登るれるかも知れない。
斜面を見上げていると主人が『ちょっと先まで行って来る』と登って行った。
暫くするとバイクが来て停まった。休憩でもするのかと思っていたら何やらゴソゴソし始めた。
上から降りて来た主人と話していたが、食べ過ぎたので『腹ごなしにちょっと登って来る』のだそうだ。
行きが1時間、帰りが30分で帰って来られるとはかなり登り慣れているのか。
上はTシャツでも足もとはしっかりと山歩きの姿で山の中へ消えていった。
私達は三重県側の方へ降りて松阪市の中をあてもなく走っていたが
やがてネットで見たことのある棚田へと行き着いた。
白猪山(しらいさん)南麓に開けた飯南町深野地区特有の棚田で、
石垣積みの棚田が一面に広がっており人家も同じ様に石積みの中に建ててある。
その景観は急な斜面を利用した生活の知恵が石の芸術を生み出したのかも知れない。
残暑の厳しいお昼時に訪ねた棚田は、色づき始めた稲穂が降り注ぐ太陽の恵みをいっぱいに浴びて頭を垂れていた。
棚田百選にも選ばれている。