私の友人の0さんが、奈良県に国産材によるソーラーハウスを建てました。Oさんから、ソーラーハウスの見学会(2000年3月4日〜5日実施)の時の案内文を送っていただきましたので、一部カットして、このページに掲載します。
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我々[夫婦&工務店]の思いをいろいろ詰め込んだ家 |
| 昨年9月から建築を始めた我が家がほぼ出来上がりました。 我々[夫婦&工務店]の思いをいろいろ詰め込んだ家です。 身体と心と地球環境と地域社会と日本の田舎に優しい家にするために工夫を重ねました。 将来、お家の建設や改築を考えておられる方の参考に、また、OMソーラーというちょっといい感じの仕組みについて知ってもらうために、また、工務店とOMソーラー協会を儲けさせる候補者として、はたまた、大袈裟に言えば、今後の家づくりのあるべき姿の提案を受け止めていただくために、是非、見に来て下さい! ☆以下に気に掛けたことを列挙します。果たしてどうなっているか、実地検分にお越し下さい。 ◎OMソーラー:太陽熱で屋根で暖められた空気を床下へ送り込み、基礎の蓄熱コンクリートを暖め、暖かい空気が吹き出し口からじわっと出てきて、家中をほんのり暖める仕組み。暖かい季節は、熱くなった空気でお湯を取ります。夏はお湯取りは勿論、屋根裏の熱気を排出したり、夜間の冷気を取り込んだりします。公庫の割り増し可 ◎国産材:柱や梁などの構造材や造作材は吉野。内装材と外壁と2階の床[=1階の天井]と吹 き抜けの丸太は京都府美山町(*1)。1階の唐松の床は信州(*2)。2階の天井[=屋根 裏の床]は国産の杉の合板という調子で、なるべく国産の木を使いました。一部ベニ ヤ板などは輸入材でしたが、木材価格の約9割が国産材でした。熱帯林や亜寒帯の 針葉樹(*3)の消費を減らし、国内の林業を少しでも手助け(*4)することが出来れば と思いました。★但し、キッチンセットや洗面やユニットバスは予算の関係上合板やプラスティックのペラペラでしかもホルムアルデヒドも多少ありです。 ◎無垢の木材&F1:無垢の木材を使って柱や梁が現れた真壁作りをしました。また、天井 を作らず、2階の床の杉をそのまま天井にしました(経費も節約)。合板は、「シックハウス症候群」の主因となっているホルムアルデヒドの揮発が少ないF1(*5)規格のものを使用しました。 ◎内装:1階は天然素材化と調湿性を重視し杉の腰壁とし、1階壁上部と2階の壁は全面に月桃紙を貼りました。ビニールでコーティングされたものでは意味がないので、全く「紙」そのものです。これで、「呼吸する壁」に出来ました。 月桃紙は沖縄に自生するショウガ科の多年草で薬用植物である「月桃」から作った紙です。防虫や防かび効果もあるので、接着剤にもこだわることができました。今やNOホルムアルデヒドの接着剤は常識でしょうが、人に優しいと言われる接着剤にも、防かび剤や防腐剤(*6)が混入されているので、気を付けたいと思っていました。結局、デンプンを主成分とする「のり」を使うことが出来ました。 ◎塗料:無垢の木が呼吸できることと人畜無害(ペットも住人)を基本に探すと、国産のものはダメで、ドイツ製が良いようです(*7)。外壁は耐候性も大事なので、多少毒性のある塗料を下地に塗り、上塗りには木目の現れやすい塗料を選びました。内部は、透明のものを1回、玄関の木製ドアと外部デッキにも素材の色を生かす透明のものを塗るつもりです。 ◎防蟻・防虫処理:OMは空気が乾燥するので、床下は常に乾燥し、土台に桧を使っていることもあり、防蟻・防虫処理(*8)は土台の外側の最小限の部分で済みました。 (内部に使うと「毒」が空気の循環と共に家全体にまわってしまいます。) ◎バリアフリー:1階・2階それぞれは段差を無くし、境界部分はすべて引き戸にし、バリアフリー化を図りました。階段は傾斜を緩くし、将来手すりを付けられるように下地に準備をしてもらっています。ただし、全面的に車椅子が使えるようには今のところはしていません。また、OMは家の中の温度差が少ないので、寒くてお風呂やトイレに行けないという「バリア」が少ないようです。 ◎太陽電池:キャノンの屋根一体型太陽電池を付けています。アモルファス薄膜で作られ、製作時のエネルギー(*9)が少なく、変換効率は結晶系より悪いですが、OMの集熱を妨げず、高温になっても効率が下がらないという優れもので(結晶系は高温で効率低下)、また、北側の屋根で、直射日光が当たらなくても散乱光でかなり発電し、さらに、屋根の代わりになるので屋根代も節約。3.072Kw分貼っています。目立たない様子も見て下さい。捕らぬ狸の皮算用では、年間7万円ぐらい稼いでくれるので はと考えています。補助金ももらえます。公庫の割り増しも可。 ◎雨水利用:北側大屋根の分を北側のタンクに集め、1・2階のトイレと散水栓につないでいます。750gのタンクなので、トイレの洗浄水を全面的にまかなうことは困難だと思います。南の屋根の東半分の分を、「天水尊」(*10)に集めます。これは散水用です。両者とも、非常用水にも使えます。 下流部の人間が水を無神経に使ってしまうと、水需要が膨らみ、無駄なダム建設で山村の存立基盤と上流の自然と山林保護を破壊する事(*11)につながります。また、都市化した地域が、雨水を全部短時間で川へ排出することが、下流部の洪水の危険を増大(*12)させ、不必要な河口堰や川と周辺住民を隔絶する堤防の嵩上げを産むので、その両者を少しでも「まし」にしようと考えてます。大阪は琵琶湖のお陰であまり痛い目にあいませんが、大事にしなくてはならないことではないでしょうか? |
注釈&解説 (ぎょうさん書いてすんまへん) |
(*1)京都府北桑田郡美山町 |
| 北山杉の里の京北町の北に位置する。近年、茅葺き屋根が多く 残ることや、内発型町興しで有名に。京北町とは水系が違ったため北山杉ほどの名産地にな れなかった。20年ほど前の地域調査からの縁で今もつき合いがある。過疎化が進む背景には国産材の消費低迷もある。行政のバックアップで山と自然を守ろうとしているが、このような普通の林業地の材を、関わりがある人間が使うことで、森林の管理や自然資源の保全の助けになると考えたし、吉野ほど質は良くはないが風雪に耐えた杉を、比較的安く入手できることもあり、工務店に無理を言って購入した。(夫) |
(*2)信州の唐松 |
| 1階のフローリングに使うと聞いて、以下のように思った。「戦中・戦後の乱伐で荒れてしまった信州の山に、生育が早く、早く売り物になる唐松がたくさん植林されたが、唐松はヤニの関係や歪みやすいのであまり売れず(南洋材の安価な輸入も影響)失敗だった。」といわれた唐松が、つかいものになって我が家に登場するなら、信州の山のためにうれしい!(夫) |
(*3)針葉樹の合板 |
| 熱帯林の破壊が問題にされ始め、合板にもロシアや北欧やアメリカやカ ナダの針葉樹を利用したものが多くなっている。一応先進地域なので、伐採の規制や植林の徹底など熱帯林ほどひどいことはないが、気候条件が厳しいので森の再生は困難のようである。国産の木の合板がもっと売れれば・・・欧米では、新品の木から合板を作って使うので なく、廃棄材からパーティクルボード等を作って使っているらしい。良い事だ。(夫) |
(*4)国内の林業を少しでも手助け |
| 国産材は高く、輸入ものは安いというのは、一部の銘木や節のない上等の木の話で、節がある普通の国産材(特に杉)は、今や輸入材と同じような値段らしい。節を気にせず国産の木を使おう! 但し、無垢の木を使うと大工さんの手間が高くなるが、そこは少し頑張ってほしい。山は、木が売れないと手入れも十分出来ず、災害や渇水などの原因になる。(夫) |
(*5)F1.F2.F3 |
| JAS(日本農林規格)の規格。合板のホルマリン放出量の違いによる分類。 F1=0.5mg/g以下=0.2ppm相当 F2=5.0mg/g以下=2.0ppm相当 F3=10.0mg/g以下=4.0ppm相当 住宅内の基準値としてはWHOが0.08ppm ドイツが0.1ppm カリフォルニアで0.2ppm F1なので安全とは言えない。 また、パーティクルボード類と中質繊維板の分類は、E0.E1.E2。E0=0.5mg/g以下=0.2ppm相当 E1=1.5mg/g以下=0.6ppm相当 E2=5.0mg/g以下=2.0ppm相当 となっている。基準にはないがF0と銘打ってホルマリン0の合板を作っている会社もある。 |
(*6)防かび剤や防腐剤 |
| 合板等の接着剤やクロスを張る接着剤に防かび剤としてホルマリンが含まれるので問題に なっているが、最近はノンホルム接着剤も出ている。しかし、TBZなどのポストハーベスト農薬として問題になった防かび剤が含まれるものもある。デンプン系やメチルセルロース 系が安心だが、防腐剤が入っている場合がある。我が家は月桃紙に「貼れ・晴れ」というデ ンプン糊を使ったが、防腐剤等についてはとことんは調べていない。(妻) |
(*7)ドイツ製塗料 |
| 塗料やワックスには化学薬品や有機溶剤がたくさん使われ、木の調湿効果や芳香発散が妨 げられるし勿論生物に悪い。廃棄の時にも有害で困る。自然塗料は鉱物や植物の着色剤や植 物系の油を使って、木材の保護と安全性を実現している。この分野で先進的なのがドイツで、 リボス社・アウロ社・オスモ社がある。日本のものはダメとかいたが漆と柿渋は良い。(妻) |
(*8)防蟻・防虫処理 |
| 白蟻やダニ対策として有機塩素・リン系の農薬や石油系の防腐・防虫剤を多用する傾向がある。金融機関が標準仕様としたり、所によっては建築許可の条件になったりして有害なのに全国的に広まった。ヒノキ等の防虫性のある木材を、しっかり換気された状態で使用すれば問題はなく、最近は控える傾向も出て良い事である。畳や畳の下・カーペット等にダニ対策として防虫処理をすることは、農地よりもかなり高濃度で農薬を使用することと同じである。有機リン系の農薬が使われ、中毒症状になると身体も精神も蝕まれる。シックハウス症候群の元凶の一つ。 |
(*9)アモルファスシリコン太陽電池 |
| キャノンの超薄膜のアモルファスシリコン太陽電池は、結晶系と比べるとシリコン原料は1/150で済むし、製造に必要な温度が300度で、1/5のエネルギーで作られる。結晶系が夏の高温で効率が落ちるのに対して、キャノンのものは5〜10%UPする。(但し変換効率は低い) |
(*10)天水尊 |
| 10年に一度程度水不足に苦しむ東京の下町で、水害の危険もある墨田区が雨水利用に取り組んだときに、町の発明家が工夫したものが「天水尊」として商品化された。墨田区は 「路地尊」と名付けた道ばたの雨水貯留施設も作っている。関東では水不足への対応からさまざまなメーカーが商品化している。雨水は、初期のものは酸性も強く屋根の汚れも含むので、最初の1mm分程度は除外し、その後の分を貯めるように工夫されている。5〜10t貯留すると、トイレの水もほとんど賄えるようだ。(夫) |
(*11)無駄なダム建設 |
| 都市はだいたい川の中流から下流にあり、上水道を備え、風呂・水洗トイレ・洗濯(昔は 流水すすぎという水道水の大量使用を当たり前としていた)・調理・洗面・洗車等々川や湖からたくさんの水を取水し、足りなければダムを造って貯えるという方法を取ってきた。水不足はあってはならないこととして、我々都市部の人間の水利用の中身は問われず、とにかくダムを造る事が優先されてきた。ダムは川の上流に作られ、堰堤の後ろに多くの水が貯まる場所がよいので、盆地のようになったところの出口に堰堤を作ることになる。(例えば「亀の 瀬」に堰堤を作れば、王寺も法隆寺も水没させて巨大貯水池ができ、大阪はたっぷり水が使える) しかしその盆地のような部分は山村の適地なので、ダム建設は山村の要地を水没させ、山村を衰退させることになる。過疎化がさらに進行し、ただでさえ手入れの行き届かない山林はさらに荒れる。すると、保水力が落ちた山林は渇水を引き起こす。一旦大雨が降れば山崩れや鉄砲水が発生する。治水のためにもダムを造らねば・・・・何をしてるやら・・(夫) |
(*12)下流部の洪水の危険 |
| 大雨が降れば川は水位が上がり、氾濫の危険が増す。昔は、中下流部には水田やため池が多くあり、また、庭や道も土の状態で、大雨が降っても水位の上昇は緩やかだった。しかし、都市化が進むと、水田やため池は宅地や工場や道路になり、さらにアスファルトやコンクリートやタイルで固められる。降った雨は短時間のうちに川に集中し処理し切れなければあふれる。その前に排水路や下水道であふれる場合もある。これを都市型の水害と呼ぶ。濁流が襲ってきたりはしないが、昨年、福岡で死者が出た。都市部の貯水力と透水性が大きく低下していったのである。都市部が雨水を貯めたり地下に浸透させることをもっと真剣に考えなければならない。(夫) |
我が家の省エネ生活報告 2000.8.9. |
| *電気に関して 屋根一体型太陽電池を南北両面に3.072kw分貼っています。屋根でOMソーラーの 集熱をするため、従来の結晶タイプの分厚い物(ピカピカで発電効率も高い物)は貼れず、ア モルファス薄型という発電効率の低い物を貼っていることと、「集熱ガラス」の部分がある ので、南の面だけで3kwが不可能なゆえ、南北両面に貼っています。それで効率はさらに 悪くなりますが、夏の晴天時の昼頃には2.4kw程度発電しています。 (メーカーのキ ャノンによると、少ない光でも発電し、夏の高温で効率低下せずむしろ上がるそうです。ゆ えに、他のメーカーと比べても遜色無しとのこと) 8月9日夕方現在:発電量 1719kwh(=44185円分) (3/8スタート 154日目 1日平均287円分) 今年のこれまでの消費の1.17倍(自給率117%) クーラーを付けたので(超省エネの一番小型1台だけ)自給率は80%台に落ちてます。 97〜99年3年間の3〜7月の平均消費量の1.36倍 売電量(昼間発電した量からそのときに使っている量を引いた分が関電への売電) 1068kwh(=27452円分)・・・4ヶ月分 買電量(夜間や日中足りない分は関電から買う) 約760kwh分 (概算18000円分)・・・・4ヶ月分 #まあとにかく、発電した分の約44000円分が節約した分 (うちからの支払いより、関電からの払いが多ければ儲け) *ガスについて OMソーラーは屋根で暖められた空気で床暖房をしたり、夏はお湯を沸かします。その分 ガスが節約できます。 8/5日夕方現在:使用量134m3 3/28日から131日目 1日平均 1.0229m3 97〜99年3年間の4〜7月の平均消費量 1.743m3 58.7% ! (ガス代は約70%へ) 8/7の検針では、今月はたったの6m3でした! 従来の8月の4分の1! *水について 北半分の屋根の水は水タンクに貯めてトイレのタンクへ、南側の東半分の水は「天水尊」 という簡易タンクに貯めて植木や北側のタンクの補充に使ってます。 8/5日現在:使用量80m3 4/30日から97日 1日平均0.825m3 98・99年の4〜7の平均消費量0.947m3 87.1% (水道代は約80%へ) |
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