気候大異変
100年後にアマゾンは砂漠化する

2006年2月26日作成

2006年5月1日一部改訂

 2006年2月19日のNHKスペシャル「気候大異変第2回 環境の崩壊が止まらない」で、このまま地球温暖化が進むとわずか100年後には、アマゾンは砂漠化するとの予測が放映されました。これは、大変な事態がおこっていることを示しています。世界の森を守るための多くの人々の大変な努力・取り組みが、地球温暖化によってほとんど無に帰する事態といえます。残念ながら、この番組の内容はNHKのホームページでも、あまり詳しく掲載されていません。再放送の予定さえ決まっていません。そこで、このページでは、できるだけくわしく、この番組の内容を紹介するとともに、この問題に関するできるだけいろいろな情報や提案を掲載していこうと思っています。
 「アマゾン 砂漠化」で検索するとすでに、いろいろなサイトやブログなどで、この番組に対するさまざまな意見も載っています。皆様のご意見や提案、さまざまな情報をお寄せいただければ、さらに充実した取り組みが可能だと思います。皆様よろしくお願いいたします。
 皆様のご意見のページをつくりました。(06/4/1)
 

ご意見・ご提案などは「世界の森を守れ」管理人まで

(皆様の御意見のページへ)

目次
管理人からのお知らせ・お願い
番組の内容
番組のホームページを見るには
参考になるサイト
アマゾンの砂漠化を取り上げたブログ
新聞の記事から

管理人よりのお知らせ・お願いなど
 NHK教育の「サイエンスゼロ」とBSハイビジョンで、同じ内容のものが放送されましたが、私は、全く気づきませんでした。とくに、3月20日と21日のBSハイビジョンは、1時間半ずつで、より詳しい内容になっていたそうです。http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/stopglobalwarming/453.html(ブログ:温暖化いろいろ)
 「サイエンスゼロ」については、いくつかのブログで紹介されています。
「不眠症カフェ」http://plaza.rakuten.co.jp/alex99/diary/200604120000/ではとてもわかりやすく、まとめられています。
 もし、これらの番組をご覧になったかたがおられましたら、是非、その内容を管理人までお知らせください。(06/5/1)
 朝日新聞の記事によると「アマゾン熱帯林50年までに40%減少」というブラジル科学者ら報告の報告がイギリスの科学雑誌ネイチャーに掲載されているそうです。どなたか、英語のできるかたで、この報告を読んで、紹介していただけるかたはいないでしょうか。(06/5/1)

 

 2006年2月19日放映のNHKスペシャル「気候大異変第2回 環境の崩壊が止まらない」より

 2005年8月から10月にかけてアマゾンは記録的な大渇水におそわれました。幅10km近くもある大河が干上がってしまいました。川の水位は5mから10m下がり、たくさんの魚が死んで水面に浮きました。「水位が下がり、水の中の酸素が不足したため、呼吸ができなくなったためです。」干上がった川底には色鮮やかなみどりの草が生えました。「アマゾンでは、多くの人がいかだや船のうえに家を造り水上で暮らしています。しかし、水が干上がったため、家は河底についてしまいました。」
 「今回の渇水は大西洋の海水温の異常な上昇が原因と考えられています。普段は大西洋から湿った空気がアマゾン上空に流れ込みアンデス山脈にぶつかって雲ができ、雨が降ります。この雨は再び蒸発して雲となり、循環を繰り返しています。ところが去年は海水温の異常な上昇によって空気が暖められ、大西洋上に上昇気流が発生しました。上昇気流はその場で雲をつくり、雨を降らせました。水分を失って乾燥した空気は、周囲へと広がっていきます。その影響でアマゾンは乾燥した下降気流に覆われ、水の循環が止まり、雨が降らない状態がつづいたのです。地球シミュレータの予測では、将来温暖化がすすむと、南米周辺の海水温はさらに上昇します。そのため去年と同じメカニズムが働き、アマゾンはひんぱんに下降気流に覆われ、乾燥化が進むのです。この乾燥化はアマゾンの森にどのような影響を与えるのでしょうか。」

 この番組に登場したイギリス生態系水文学(すいもんがく)センターのピーター・コックス博士は、次のように語ります。「2100年までのアマゾンの熱帯雨林のシミュレーションを行いました。その結果は驚くべきものでした。」
 このシミュレーションによると、アマゾンを中心に広がる森の分布の変化は、「今世紀なかばから乾燥化の影響で、アマゾン川河口付近から上流に向かって、森が次々と失われ、砂漠へと変わっていきます。そして、2100年には森の3分の2が消滅し、アラビア半島の面積を上回る広大な砂漠が広がってしまうのです。」
 番組の中でコックス博士は次のように言っています。
 「口にすることをためらうほど、衝撃的な結果でした。最初は自分が何か間違ったんじゃないかとおもいました。シミュレーションは、温暖化の影響だけで森林がなくなっていくことを示しています。温暖化は木を切り払ってしまうこと以上に脅威なのです。」
 番組ではアマゾンの砂漠化の進行の過程について次のように説明しています。
 「雨が少ないため、植物は十分な水を獲られなくなり、やがて、一部の木が枯れ始めます。一カ所が乾燥するとその影響は周辺に急速に広がり、灌木が点在するサバンナへ、そして草原へと変わっていきます。さらに乾燥がすすむと、草すらも生えなくなり、2100年には砂漠が広がってしまうのです。」
 この番組の司会をしているIPCCの前議長ロバート・ワトソン博士は次のように言います。
「皆さん信じられますか、この結果に私も本当に驚きました。アマゾンが砂漠化したら、その影響は地球全体に及びます。アマゾンは膨大な量の二酸化炭素を吸収し、樹木や腐葉土の中に貯蔵しています。砂漠化すると現在世界中で排出されている二酸化炭素のじつに8年分が大気に放出されることになります。すると地球の温暖化はさらに加速しそれが又乾燥化をすすめるという悪循環に陥ってしまうのです。」

※「」内の文章は、放映された内容の引用の部分です。


 なお、番組の中で、コックス博士のアマゾンの砂漠化のシミュレーションの様子が、ブラジルの地図の画像で表されました。それを後で、スローで再生してみると、2030年には、ブラジル東部端の部分で砂漠化がはじまり、2045年からはアマゾン川河口部分の砂漠化がはじまるように描かれていました。
 番組ではこのあと、温暖化により乾燥化が進むと、食料の生産が減少すること、デング熱などの熱帯性の感染症が拡大すること、環境難民が増大することなどが描かれていました。

※水文学とは・・・「自然界における水の循環を水文学的循環(hydrologic cycle), 縮めて水文的 循環または水循環といいます。この水循環を中心概念とする学問分野が水文学(hydrology) です。」(東京大学生産技術研究所 沖・鼎研究室のホームページ(http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/Mulabo/research/indexj.html)より

NHKスペシャルの気候大異変の番組のホームページを見るには
 NHKオンラインのサイトは http://www.nhk.or.jp/、NHKスペシャルのホームページはhttp://www.nhk.or.jp/special/です。このページから「放送記録」のページに入り、2月19日の「気候大異変第2回 環境の崩壊が止まらない」のところをクリックしてください。

地球温暖化について参考になるサイト
全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)
http://www.jccca.org/copyright/
地球温暖化問題を知り、調べ活動するためのサイト

リンクフリー
リンク集も充実している
http://www.jccca.org./more/dantai/
「これまでの温暖化関連ニュース」
http://www.jccca.org./topnews/index.html
には最新の情報が掲載されている。
気候ネットワーク
http://www.kikonet.org/
地球温暖化防止に取り組む全国の市民・市民団体のネットワーク組織 リンク集も充実している
EICネット
http://www.eic.or.jp/index.html
独立行政法人 国立環境研究所が提供し、(財)環境情報普及センターが運用している このサイトの海外ニュースの中のページの中に、ピーター・コックス博士の記事がある。(イギリスの研究グループ 森林・土壌が地球温暖化を加速する可能性を指摘という記事
ロバート・ワトソン博士について 来日して講演会等も行っている 中日新聞社のサイトの「http://www.chunichi.co.jp/hold2001/wat/」のページ(2001国債講演会 地球は今 温暖化と私たちの運命)などに、講演の内容が掲載されている。
「温暖化いろいろ」(ブログ)
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/
stopglobalwarming/
JANJAN(市民インターネット新聞)ブログ 地球温暖化についての、最新の情報がどんどん掲載されています。
京都議定書の次のステップは何だろう(ブログ)
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/
post2012/
JANJAN(市民インターネット新聞)ブログ
「温暖化いろいろ」の姉妹サイト
海外の動向を中心に最新の情報が掲載されています。リンク集がとても充実している
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
http://www.bnet.jp/casa/index1.htm
とてもいろいろな活動をしている特定非営利活動法人です。 「2℃が限界?!地球温暖化の最新情報というブログ http://blog.goo.ne.jp/casablog 
も制作している
NPOレインボー http://www.rainbow.gr.jp/index.html 地球環境保護に関する様々なプロジェクトのネットワーク

リンクフリー
地球温暖化に関するさまざまな取り組み・情報が載っているが、トップページの「環境情報」の「地球温暖化最新 hot news!」
(http://www.rainbow.gr.jp/data/news.html)はとても参考になる。
「アマゾンの砂漠化」をとりあげたブログ
表裏一体 アマゾンが砂漠化 http://sdogs.blog45.fc2.com/blog-entry-49.html

「アマゾン熱帯林50年までに40%減少 ブラジル科学者ら報告」という記事
(4月9日の朝日新聞の朝刊より)
 朝日新聞の記事によるとブラジル・ミナスジェライス連邦大学のソアレスフィーリョ氏らのグループは「環境破壊が現在の速度で進めば、2050年までにアマゾンの熱帯雨林の約40%にあたる200万平方キロが消失し、約100種の在来種の哺乳(ほにゅう)類が生存の危機にさらされる。」という報告をイギリスの科学雑誌「ネイチャー」で発表しました。熱帯林の破壊のスピードは、従来の予測の倍以上の早さで、「急速に進む私有地の開発に対して科学者らは危機感を強めている。」そうです。
 この熱帯林破壊の原因は、牛肉の輸出や中国への輸出が好調な大豆栽培のために樹木の伐採が急速に進み、「これらの物資の輸送のため、これまで人が入らなかった熱帯雨林の中心部を貫く自動車道の建設も進められている。」からだそうです。ソアレスフィーリョ氏らは、さまざまな想定をシミュレーションした結果、「私有地の開発が生態系に大きな影響を与えていることから、公的な保護地域を設けるだけの現在の規制では不十分だ。」と結論づけました。
 報告では、「農業経営者たちに一定の基準を守らせ、所有地の森林を持続可能な形で管理するように義務づけるべきだ、と提言。この基準を守らない農場主に対して国際市場への参入を禁止する規制も求めて」いますが、それが実現しても、「27%ほどの熱帯雨林の減少は避けられない」と推定しています。
 なお、従来の計算では「2050年に全体の15%程度の80万平方キロが失われる」という予想でしたから、破壊のスピードが大幅に増大していることになります。
管理人のコメント
 地球温暖化だけではなく、この記事のように熱帯林の破壊が進めば、アマゾンの森は非常に短期間の内に破壊され尽くしてしまうでしょう。多くの人々の大変な努力にもかかわらず、このような事態が進むことは大変残念ですが、これは、経済学的に言うと「市場経済への敗北」と言えるのではないでしょうか。違法伐採の問題でもそうですが、グローバリゼーションが進み世界の隅々にまで市場経済化が進むと、森林を伐採した方が、利益が上がるという市場経済の原則が誰にも押しとどめられない状況になっています。とするなら、市場経済に介入し、「森林を伐採しない方が利益が上がる」と言う状況にもっていく必要があります。世界中から森林保護資金を集め、森林が保護されている地域に「森林保全交付金」のようなものを交付していく、というようなことができないでしょうか。森林の保護には、「大変なコストがかかる」ことに目を向けて、ブラジルなどの現地政府に任せるのではなく、各国政府・企業・個人が森林保護の費用を負担していくべきだと思います。

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