2008年の日記

2008
1.5土
明けましておめでとうございます。
去年のクリスマスのお礼も言えないうちに「あっ」と言う間にお正月。
毎年の事ながらクリスマスから年末年始、切り抜けるのが精一杯です。
でも、年末の大仕事、クリスマスが無事終えられただけでも、
有り難くてお客様に感謝!!です。特に24日の午後には
作る方が追いつかなくなり、ショーケースが空になるという事態も発生。
嬉しい悲鳴を上げることになりましたが、一部のお客様には
残念な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。
今年も私達なりの店づくりと、そしてやっぱりさらにお客様に喜んで頂ける事、
こんな自分達にも出来る事を模索しつつ、前進して行きたい。と思っています。
どうぞよろしくお願いします。


さて我が家の年越しは、31日夜まで営業して夜9時頃に実家へ。
両親と紅白を見ながら、年越しソバを食べて久々にゆっくり話をして
年が新しくなる頃に寝ます。
元旦には、山歩きを兼ねて神社にお参り。
今年は雪がちらつく寒いお天気でしたが、登ってるうちに汗をかくくらい暑くなってきます。
途中で上着を捨ててしまいたくなるくらい。
帰りは野いちごを摘みながらおしゃべりしながら、まさに道草ばっかりくって・・・・。
あとは畑の野菜をめいっぱい収穫して車に積み込んで帰ってきたら2日から営業。
普段から休みが少ないと、これだけで結構満足。
唯一の不満は、両親の好みに合わせて見るテレビ。
「昭和の歌姫美空ひばり」とか「なつかしの昭和の漫才名人」とか・・・・・・。
私は今の若手漫才師が大好きなのに言い出せず。
でもなぜか子供は中田ダイマル・ラケットといとしこいしで大ウケ。(ご存知ない方も多いかと・・。)
さあ、今年も頑張ろう!
どうぞ、今年もモンガトウをよろしくお願いします!!
2008
4.28月
(うわぁ・・どうしよう、もう4月が終わる。皆さんごめんなさい)
さあ、もう桜も散ってゴールデンウイークに入ろうとしています。時の速さにびっくりです。
この4月まで、ケーキ屋はイベントが立て続けで、そろそろゴールデンウイークというころで
イベントも終わりです。母の日が最終、あ、いえ、本当は父の日が最終です。
毎年春に桜が咲けば、生きてる幸せを感じる日本人的な私ですが、
いつもこの時期には、入学、入園で忙しくなって桜を見るのが難しい。
満開になった途端、雨に降られていつも悔しい思いをしています。
でも、近所の公園で発見!八重桜は今、絶好の時期。一重のソメイヨシノなどと比べると
ちょっと色気があってこれもまたキレイ!!
こんなに見事に咲いた直後なのに、散ってすぐの新緑の勢いも生命の力強さを感じさせてくれて
本当に植物ってすごいです!!
植物がスゴイ!面白い!と感じるのは最近凝っているコンフィチュール作りのせいもあります。
コンフィチュールに適した素材かどうか、季節の果物を見て周りますが、
皆様おなじみの素材(苺・木苺・オレンジなど)から、
ちょっと珍しいもの(ルバーブ(西洋の蕗)・スグリなど)まで個性的で面白い!
自然の恵みに感謝しつつ、食材と対話しつつ下処理していると
どんどんいい物になる予感がしてきて楽しい。
同じオレンジの仲間でも、それぞれ個性があって同じ方法では作れません。
同じ種類であってもそうです。
生の状態で、種・外皮・中わたなどに分けて味見して、それぞれどういう処理があっているか考えます。
さんざん考えて最善であろうという方法をとっても、結局は成功とは言えない状態で
出来上がってくることもあります・・・・・。はい、相当ヘコみます。
でもやっぱり面白い!果物は高くついて、瓶詰めで売るには採算は合わないけれど
でもそこはパティシエですから、コンフィチュールをケーキに仕立てます。
自分で言うのもナンですが、かなり美味しいです。香りが違います!!
マカロンにサンドして、新製品「オレンジコンフィのマカロン」ができました!!
2008
.5.11日
今日は母の日です。
ケーキ店では、「母の日」は大きなイベントで、
イチゴのロールケーキやタルト、焼き菓子の詰め合わせなどが
お隣の花屋さんのカーネーションと共によく売れます。
母の日はかわいいお客さんがいっぱい来ます。
カーネーションを持った小学生や、髪の毛がツンツン立ってるお兄さん。
「母の日」用にして下さい。」と言われると、私まで嬉しい!!
(ああ、きっとお母さんにとってはいい娘、息子なのだろうな。)
母の日用のリボンをつけてあげると、とっても嬉しそうに帰ってゆく後姿が
な〜んか、幸せな風景ですよね〜。
それにしても気がかりなのは父の日。
母の日ほど、イベントが大きくない気がするのは気のせいでしょうか・・・。
男の人はケーキをあんまり食べませんから、きっと他のものでプレゼントするのでしょうね。
2008
5.19月
最近はコンフィチュール作りに取り組んでいます。
ソフトクリーム用ソースとして仕込んであるコンフィチュールの置き場所に困って、
見た目もキレイだからとお店に飾っていましたが、
これを見たお客様に売って欲しいという思わぬご要望が多く、
販売用に作り始めた次第です。
アルザスにジャムで有名な「メゾンフェルベール」というお店がありますが、
そこのコンフィチュールは斬新な組み合わせで、
スパイスやハーブを使ったコンフィチュールが人気です。
私も、私なりの感性でコンフィチュールの組み合わせを考えるのは楽しくて
最近の私の頭の中は、季節の果物の事でいっぱいです。
出来たての熱いコンフィチュールを瓶詰めしていると、
昔の遠〜い思い出が甦ってきました。
今年91歳になる長野に住む祖母は、ずっと畑仕事をしてきた人ですが
畑でどっさり採れた果物や野菜を、シロップ煮や水煮の瓶詰めにして
戸棚をいっぱいにしていました。
帰省した時には畑の新鮮野菜を、お土産には保存がきく瓶詰めの白桃や黄桃のシロップ煮、とうもろこしの水煮など子供達の好きなものを車のトランクにギューギューに積んでくれました。
まさに愛情の瓶詰めだったのですね。
農業国であるフランスもコンフィチュールは家庭の味があって、
おばあちゃんが作ってくれるもの。
日本もフランスも同じだなあ。と感慨深かったのです。
長野は果物も野菜も豊富で、うちのアプリコットは長野産。
夏の前のほんの一時しか出回らないし、いたみが早いのでスーパーでは
ほとんど見たことがありません。
ペクチンが強くてジャムには最適、他の果物とも相性がよく双方を引き立ててくれます。
先日作ったオレンジとアプリコットのジャムは、
オレンジの皮の苦味をアプリコットが和らげ、
アプリコットの酸味をオレンジの香りで包み込むといった風な相性の良さ!
今度は孫の作ったジャムも食べてみて欲しいなぁ。
皆さんも是非ご賞味くださいね。
2008
6.6金
最近始めた事。お店の看板なのですが、
皆様、チョークアートというものをご存知でしょうか?
もともとはオーストラリアが発祥だそうですが、
黒板にクレヨンのようなパステルでメニューを描いたりするものです。
カフェやレストランでたまに見かけますね。
日本でも流行りはじめ、何冊か描き方の本が出ています。
たまたま本屋さんで目にした本が、本場のチョークアートよりも
可愛らしくアレンジされたもので、見ているだけでもキレイで楽しい。
ケーキの絵も何点かあったので、お勉強に!という口実のもとに衝動買い!

「mikikoのチョークアート教室」大森みき子
http://mikiko-chalkart.com/
う〜ん、この表紙、買っちゃうでしょう?

クレヨンって子供の頃に使って以来、ほとんど触ってないけど
なんとも言えない描き心地。
すこしデコボコのある紙を使うと、最初はガタガタっと色がのっていって
その次になぞるとスルスルっと滑る感じに。その時に違う色を乗せると
キレイに混ざってグラデーションができてきます。
昔は、なんかベタベタするし、先に付いた色が混じってしまうし、
クレヨン自体や箱が汚くなってきてどちらかというと嫌いでした。
でも、この本を読むとそうならないようにどうしたら良いか。
がちゃんと説明してあって納得。
(どうという事はない、汚れるごとに拭く。だって!)
クレヨンってすごいです。油絵の具の代用として開発されたものだったんです。
発色もよく、退色も少なく、重ね塗りや混色も自在で、驚くほど表現方法が豊かです。
油分が多くてベタベタなのも、油絵のように盛り上げて塗るためだったんです。
子供のものだと思っていた私は目からウロコ!
これは優れた画材です。

私の画材フルメンバーです。右上はモデルのイチゴちゃん。
ブルーベリーは本の手順に従って描いてみました。
左上は色鉛筆24色、中央上はおなじみサクラクレパス20色、
右下はコンテパステル24色。
(専門家用なんて高いものもありますが、私にはこれで十分。)
そう言えば、パリは芸術の本場。日本の画材屋さんも専門店ではフランス語が多かった。
右下のボキボキ折れてるコンテはフランス製で昔のものですが、
素人の私には書きにくく、ほとんど使わないまま・・・・・。
(コンテが使えると上級者っぽいんだけどなぁ・・。)
最初はマカロンのポスターと、ロールケーキのポスターを描きました。
店頭でご覧下さい!
2008
6.8月
 皆様、本当にお久しぶりです・・・・。
暑かった夏ももう終わり、秋風が吹いてきました。
この季節は毎年、涼しさにホッとしながらも寂しく感じるのはなぜでしょう。
夏にいっぱい遊んで気がつくともうトンボなんかが飛んでいて。
急に一年の終わりが近づいてるような気がしてしまう。
こんな時に、BGMにちょっと淋しいバラードなんか選んでしまうと
もうすっかり擬似失恋モード。(笑)
読書や音楽や芸術の秋とはよく言ったものです。
普段はなんの情緒もないようなこの商店街も、人恋しい雰囲気に包まれてる
ではありませんか。(気のせいかな?)

 この秋、耳にした曲でとっても心に響いたものがあります。
思春期の心の揺れを歌った曲で、もうはるか遠い昔になった私でも
確かに、こんな頃があった・・・。と思わせます。
娘(10歳)もまだ今は子供ですが、いずれ近い将来悩み事を抱えながら、
思春期の難しい年頃に差し掛かるのだろうとすこし覚悟をしながら・・・。
そんな時にこんな曲に出会えば、どんなに救われることでしょう。
2番はその悩みに答えた手紙で、大人の私もとても励まされ共感が持てます。
ピアノの音色と、優しくてクリアな歌声に癒されるこの曲は、
NHKの「みんなのうた」で聴いたアンジェラ・アキの「手紙」という曲。
名前のせいでもないでしょうが、秋(アキ)にぴったりの曲です。
是非聴いてみてください。ジーンときます!
クリックすると試聴できます。
2008
10.16木
秋も深まってきました。そろそろクリスマスの事も頭をかすめ始めます。
しかしこの時期は、季節の果物が次々に旬を迎え果物売り場は
かなりの盛り上がりを見せています。ついついそれらを無視する事が出来ず、
何に使うか思いつきもしないまま買い込んで冷蔵庫を満タンにしています。。
 今はブドウ、ミカン、柿、梨、栗、りんご、イチジク、プル−ン、さつま芋、かぼちゃなどなど・・・・。
なかでも私の好きな素材はりんご。お菓子の素材としても優秀なこのりんごは
生でも、煮ても、焼いても、はたまた乾かしてドライリンゴにしても使える奴です。
特に私が弱いのは、少しのキズではねられ、色付きもまばらで、
選別もされず大きさがバラバラの自然のままのりんご・・・。
こういうりんごの方が実は美味しいのをご存知ですか?
木に成ったままで小さなキズがついたりんごは、そのキズを再生する為に木が枝から
養分を集中して送りこむらしいのです。キズひとつない色付きもみごとな大実も
お百姓さんの努力の結晶と思うとほれぼれしますが、高級りんごになり得なかった
キズりんごにもまた愛着が湧くのです。皮をむいてサクサクと刻みお砂糖をまぶして煮れば
どんな高級りんごにも負けない香りが店まで充満します。
まだシャキシャキと歯ごたえが残るように煮たものは、ソフトクリームのトッピングにも
相性が良さそうです。
蜂蜜といっしょに煮てコンフィチュールに、ばらとりんご、キウイとリンゴ、レーズンとリンゴ、
シナモンと、それからキャラメルリンゴと、さつま芋と、これらはみんなコンフィチュールで。
そしてコンフィチュールからまた新たなケーキが誕生します。
忘れてならないのが、タルトポンム。アーモンドタルトの上にリンゴを乗せて一度に
焼きこむフランス菓子の定番。私が初めてこれを知った時、
本当のフランス菓子ってこんなに美味しいものか!と驚き、しばらくはこればっかりを
作っていました。(笑)
と言いつつ、今日はパイを折ったので明日はやっぱりタルトポンムを焼きましょう!!