第4日目(6月14日) 憧れのロートホルン鉄道&ハイキング、
                               その後ルツェルンへ。

朝、起きてみると、山の上のほうがちょっと
ガスっていました。
今日は、憧れのロートホルン鉄道に乗る日
なのになあ・・・・そんなことを考えながら
身支度を整え、二階のオーナーさんの
キッチンで一緒に朝食を摂りました。
オーナーさんにハイキングは出来るか?と
聞くと、雪があってまだ無理だろうと言われ、
ちょっぴりがっかり・・・・・

B&Bの部屋の窓から見た景色

スイスにはロートホルンと名のつく山が30以上あるそうですが、その中でも世界の
鉄道ファンが憧れる山がブリエンツァー・ロートホルンだと言われています。
そのわけは、ここには毎日運行されている蒸気機関車が走っているから。
しかも全長7.6キロあるのですが、未だに電化されていないただ一つのルートを
19世紀の開業当時からのSLが現役で走ってるのですから、驚きでしょ?
鉄道ファンでなくても、乗ってみたいという気持ちになります。

右の写真がそのSL機関車なのですが、
ちょっとみてください!機関車が前傾して
いるのが分かりますか?それは、この鉄道が
世界一急勾配の鉄道だからなんです。
山頂までの標高差は1678m.なのですが、
この鉄道は100m.進む間に高度25m.を
稼ぐんだとか・・・
かなり急勾配だということが分かりますよね

その急勾配のところで、ボイラーを水平に
保つために、こんな風になっているのだ
そうですよ。途中駅でボイラーの水を
補給しいくつかのトンネルを越えると頂上に
到着。7.6キロの道のりをゆっくり1時間
かけて走ります。
そののんびりさが堪りません。
その列車、頂上付近はこんなところを
走っていきます。

2252mにある駅に着くと、寒いくらいでした。
ふと、足元の植物を見ると写真のように
凍り付いてるではありませんか!!
あちこちに残雪も残っているし・・・・
辺りはすっかりガスっていて、せっかくの
アルプスの山々も隠れてしまっていました。
本当はここから途中駅のブランアルプまで
ハイキングするつもりだったのです。
というのも、その道中にはエーデルワイスの
咲いているところがあるというし、見事な角を
もったシュタインボックに出会えると
聞いていたからです。

左端の写真は、ハイキング用の標識です。行き先とそこまでの時間が書かれています
白地に赤のラインは中級用で、ラインの無いものは初級用となっていて、とてもわかり
易いので、安心してハイキングが出来ます。私たちは、途中駅のブランアルプまで鉄道に
乗って行き、そこからブリエンツの街までハイキングすることにしました。
途中駅では、真ん中の写真のように、必ずSLの機関車に給水します。
そして、右の写真のような放牧地を眺めつつ、高山植物の写真を撮ったりしながら
2時間ほどのハイキングを楽しみました。

途中、写真のように牛たちに道を阻まれたことも・・・・
というか・・・・私たちが牛たちの通り道にお邪魔させて
貰っているんだという感じでした。上の写真の右端は
途中から見たブリエンツ湖です。
青い色がなんともいえません。
高山植物を見るたびに感動し、写真を撮るものだから、
ちっとも先に進まなくて、夫に注意される始末。
でも黄色の花は、後にも先にもこの時だけしか、
見ることが出来ない貴重な花でした。
下の写真は、お茶を飲みに立ち寄ったレストラン。

さて、ハイキングを終え、3時半近くの列車で次の街、ルツェルンへ向かいました。
乗り換えなしで1時間半ほどです。このルートは昨日乗ったゴールデンパスラインの
続きになっています。しばらく走るとマイリンゲンの駅に到着、ここで進行方向が反対になり
ガチャンという音がしたかと思うと急勾配の線路をぐいぐいと登りだしました。
この区間はこのゴールデンパスラインの最大急勾配区間で1000m.進む間に120m.上がる
んだとか・・・・・そして『4つの森の州の湖』と呼ばれるフィーアヴァルトシュテッテ湖が見えて
来たかと思うと湖の畔に佇むルツェルン中央駅に列車が滑り込んで行きました。
長かったゴールデンパスラインの終点です。

先ずは駅の荷物預かりの所へ行き、3日前に
ジュネーブ空港駅から送ったスーツケースを
引き取りに・・・ちゃんとありましたよ。
そして、駅から歩いて7分ほどの旧市街にある
ホテルへ。今日から4泊するそのホテル・・・
ちょっと変わっていることで人気があるのです。
そのホテルはなんと1862年から1998年まで
実際に刑務所として使われていた建物なのです。
重そうな木の扉でしょ?中はとてもシンプルで
清潔なのですが、窓がとても高いところにあり
鉄格子がはまっているところに、刑務所の跡が・・・
独房や牢屋はスタンダードルームに、看守室や
図書室はスイートルームになっているんですって。

ルツェルンの街は旧市街と新市街とに分かれ、旧市街には石畳の狭い路地が続き、
中世の面影を色濃く残しています。そして、街のシンボルと言えば、『カペル橋』ですが、
もう一カペル橋より70年ほど遅く1408年に完成した『シュプロイヤー橋』というのがあります。
私たちの泊まったホテルは、この橋のすぐ近くにあり、上の写真がそのシュプロイヤー橋です
この橋の架かっている辺りのロイス川は水を浪波とたたえて流れていました。
全長80m.と短いその橋には67枚の板絵がかかっています。
その板絵には、かつてヨーロッパでペストが流行り、ここルツェルンの街でもたくさんの人が
亡くなったそうで、当時のペストの大流行の様子を描いているそうです。
よく見ると、死神と人間が戯れている様子が描かれていて、なんともおどろおどろしい
感じがします。

さて、この日の夕食は、歴史あるホテルの1階にあるレストラン『ブルガーシュトゥーペ』へ。
ここはスイス伝統料理が中心のお店で、中でも名物のパイ料理『ルツェルナー・ク−ゲリ・
パステーテ』を食べるならここが一番と太鼓判を押す地元の人が多いのだとか・・・・・
どんな料理か分からないけど、旅に出たからには、そこでしか食べられないものを
食べなくちゃね!出てきたのは上の写真のような料理です。パイが何段にも重ねられ
仔牛肉のクリームソース煮が添えられています。二人で食べても充分な量でしたが
隣のテーブルではみんな1人で食べていたのにはびっくり!!
評判だけあって美味しかったですよ。
そして、食後にコーヒーを頼んだら、果物とプチケーキの盛り合わせが付いてきました。

明日は、かつてキリストに死刑を宣告したというポンテウス・ピラトの亡霊が出ると恐れられた
山『ピラトゥス』に登ります。6月だというのにとんでもない目にあってしまいました。