第5日目(6月15日) 雪の展望台 ピラトゥス & ハイキング

この日は、かつてキリストに死刑を宣告したというローマ総督ポンテウス・ピラトの
亡霊が各地をさまよった挙句にこの地に辿り着き、誰かが山に登ろうとすると嵐を
起こしたと言われ、実際に中世まで登山が禁止されていたという山、ピラトゥスへ。
まず、ルツェルンから電車で20分ほど乗ってアルプナハシュタットの駅に到着。
そこから登山電車に乗ること40分で終点標高2070のピラトゥスクルムに。

←山肌にへばりつくように走る電車
  (スイス鉄道の旅より
)

伝説の山ピラトゥスに登山電車が
敷かれたのは,1889年。
弾劾絶壁をへばりつくように登って行く
この登山鉄道は、1000m.進むたびに
480m.上る世界一急勾配の登山鉄道
で、世界中からたくさんの人々がこれに
乗るために訪れるそうです。
何故世界一急勾配になったかという
理由の一つに、建設費を安く抑えようと
言うのがあったそうです。
あまりに急だったため、ラックレールだけ
では浮いてしまう為、ラックレールを両側
から歯車で挟む方式を取り入れている
そうです。

上の写真左がピラトゥスクルムの駅で、丸い部分がホテルになっています。写真右は駅の前にある
テラスで、お天気が良いとたくさんの人であふれるのだとか・・・・・その奥gホテル・クルムです。
このテラスからは眼下にフィーアヴァルトシュテッター湖やルツェルン市街が見え、向かいには
アルプスの山々が見えます、が、生憎この日はお天気が悪く、それは叶いませんでした。

時折ガスが晴れ、隙間に眼下の町並みが
見えるのですがとうとう最後まですっきりと
晴れることはありませんでした。

この日は日曜だったためか、地元の方の
ボランティアでしょうか・・・・アルプスホルンの
演奏が行われました。

ポンテウス・ピラトの亡霊の仕業でしょうか・・
段々気温が下がり、時折降っていた雨が
次第に雪に変わっていき、とても寒くなって
きました。とても、6月半ばとは思えません。

ここには2つのピークがあり、一つはエーゼル峰、これは、10分ほどで登れます。
もう一つはトムリスホルンといい、ここから往復1時間くらいで行くことができます。雪がちらちら
降っていましたが、次回いつ来れるかわからないので、頑張って行くことにしました。
岩肌に作られた細い道を行くのですが、切り立った岩山の山腹に作られた道なので、なかなか
スリルが味わえます。ガスって眼下が見えなかったのが、かえって良かったかも・・・・
見えていたら、腰が引けてしまっていたかもしれません。
そのほか、ホテルクルムの上にある岩山の周りを歩くコースもありました。写真の右端が
そのコースの途中です。岩山をくり抜いた窓があります。


さて、ルツェルンの街に戻るには、乗ってきた
登山鉄道にまた乗っていく方法がありますが
ここには、隣町のクリエンスまで2本のロープ
ウエイを乗り継いで行くこともできます。

雪でどうしようかと迷ったのですが、私たちは、
ロープウエイで乗り継ぎ駅フレクミュンテックまで
行き、そこから途中駅のクリエンザーエックまで
ハイキングすることにしました。

頂上では雪でしたが、標高が下がるに
従って雨に変わりました。
結構雨脚が強かったので、さすがに
ハイキングする人の姿はまばらでした。
私達も、日本でだったら、恐らくここまで
してハイキングはしなかったでしょう。
2時間ほど歩いて途中駅に到着。
そこからロープウエイでクリエンスへ。
そして、バスでルツェルンまで戻り
ました。


さて、ルツェルンの街に着く頃には、雨もほとんど止みました。
そこで、街を少し散策することに・・・・・先ずはここでしょ!と「カペル橋」へ。
この「カペル橋」はルツェルンの街のシンボルともいうべきもの。その昔、湖から襲ってくる敵から
街を守る城壁の一部なんだそう・・・・。旧市街は湖・川・そしてムーゼック城壁に守られていて
その東の砦が「カペル橋」、西の砦が「シュプロイヤー橋」なのです。
この橋の完成は1333年で、木造の橋としては、ヨーロッパ最古。でも、惜しいことに1993年に
火災で半分以上が焼けてしまいましたが、翌年1994年には見事に修復されました。
私は、たまたま修復した翌年に、この橋を訪れています。その時は、修復の後も真新しく、くっきりと
分かるほどでしたが、14年経って訪れてみると、その境目はほとんど分からなくなっていました。

1994年の再建当時の橋

今年見た橋

カペル橋からフラフラと歩くこと10分もかからない
ところに、あるホープ教会です。ここは8世紀に
建てられたベネディクト派の修道院で、17世紀に
一度火災で焼失してるそうです。
その後、ルネッサンス様式で再建され、現在に
至ってるのだとか・・・・・
時間が遅かったので、中には入れませんでしたが
1500年頃の作といわれるマリアの祭壇と
4950本ものパイプを持つパイプオルガンが
見事なんだそうです。

その帰り道に見たのが写真のような
可愛らしいシティ・トレイン。
40分ほどかけて、旧市街と新市街のおもな
見どころを周ってくれるようです。
他にも、食事しながら、あちこちを周ってる
くれる車も見ました。

さて、今日は駅の中のスーパーで買い物してホテルで部屋食に!駅の地下に2つのスーパーが
入っていて便利です。
早速、ワインとチーズ、サラダ、チキン、パンを買い込みました。
明日の天気はどうでしょうね〜