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さくらの妄想イラ日記

●日々心意気●

2004年02月分

* 掲示板(直通) *

 

     ■   2月28日 時の輝き12・心意気 番外(高見さん)編   ■

しばらく練習の続きをして、ふと高見は台本をめくる手を止めた。
「ところで、桜庭。」
「はい?」
「ドラマの本番ではキスするの?」
「えぇっ!?しっ・・・しないですよぉっ!寸止めです寸止めっ!」
「そうか。それはよかった。」
「?」
「誰だって好きな子のキスシーンは見たくないだろう?」
ここまで言うと露骨かな?と思ったが、自分のことでいっぱいいっぱいの桜庭にはこの言葉も届かなかったらしい。
「へぇ〜高見さんもファンなんですか?松島夏美。かわいいですもんね。」
桜庭は今月9のドラマで共演しているアイドル歌手の名前を上げて言った。
「・・・かわいい・・か。」
よっぽどお前のほうがかわいいけどね。などと腐った脳味噌で考える。
いつからこんな風な感情を目の前の身長が185cmもある同性の後輩に持つようになったのか。
そんな俺の気持ちなど気付きもせずに桜庭はにこにこと笑いながら共演者を褒めちぎっている。
「すっごい人懐っこ〜い笑顔で、それがかわいいんですよね〜。女性アイドルって意外とワガママで性格が悪かったりするって言うじゃないですか?でも、彼女はテレビの中のまんまなんですよ。気さくでちょっと天然ですっごくいい子で。おかげでドラマのロケのほうもなんとか楽しくできて、正直助かってるんです。ちょっと積極的なとこがあるんでドキマギさせられることもあるんですけどっ。」
などと聞き捨てなら無い事まで言ってのけて、のんびりと微笑んだ。
天然はお前のほうでしょ。と心で高見は突っ込みを入れる。
目の前で微笑む人物の好きな相手が進であるということは知っている。
桜庭にとって進が特別であること。
気付かないほうがどうかしている。
だが、それが叶わないものであったとしても、だからと言って自分の想いが届くものではないことも気付いていたし、まして桜庭の職場には魅力的な異性があふれているわけで・・・冷静かつ常識的な思考で考えるならば同性でなく異性へと想いが移って行くのが正しい人の道というものだろう。
「・・・かわいい・・・か。」
「えぇ。人気アイドルなのに偉そぶらないし、ほんと気さくで。あぁ〜こういう子彼女にしたら幸せなんだろうなって感じのいい子ですよ。気も利くし・・・あ!うちのマネージャーにちょっとタイプが似てるかな?」
「へぇ?」
桜庭はそういうタイプが好みですか。気さくで気の付くかわいい女の子。
それにしてはその理想と進とは大きくかけ離れているような気がするんだけどね?
桜庭はそんな俺の心の突っ込みなど知りもしないで言った。
「サインくらいならもらえるかも!いります?」
恐らくはこの練習のお礼のつもりなんだろう。
どうせなら、もっと違うお礼をもらいたいところなんだけれどね?
「いいや。俺はファンじゃないからいいよ。」
「え?だって好きって??」
「それより、そんなかわいい子と一緒だとその気にならない?」
少し気になった事を聞いてみる。
桜庭は一見人付き合いが上手そうに見えて、実はガードが固くて、甘えるのが下手だ。
そんな桜庭がサインをもらえる程度には仲が良くて、しかも、理想的な彼女タイプで、かつ人気アイドルだけあって顔ももちろん愛らしいとなると・・・。
「へ?いや、まぁ、そりゃぁ俺も男ですから、演技とわかってても潤んだ瞳とかにはぐらってきますけど〜。」
「そうか・・・ぐらっときちゃうんだ。」
やはりそういう事になりますか。予想通りの答えに少し浮かんだ苦い想いを噛み潰す。と、思いもかけなかった言葉が後を継いだ。
「けど、やっぱり初めてのキスくらいは好きな人としたいな・・・って思っちゃうんですよねぇ〜。」
「へぇ?」
少し驚いた声をあげて見つめると、
「なんですか?」と桜庭は少しバツが悪そうな顔をして俺の顔を見返した。
俺はたぶん、さっきまでと違って、機嫌の良さそ〜なだらしない顔をしているに違いない。
「まだしたこと無いんだ?」
「うっ・・・高見さんはありそうですよね?」
「そう?でもないよ。」
「うそだーーーっ!絶対あるでしょ!高見さんそういうのスマートにやりそうですもんね。」
桜庭は勝手に決め付け言い切った。
まったく・・・おまえ、俺の何を知ってるっていうの?そんなことができるくらいなら、今頃お前をここで押し倒してますって。
桜庭の尻の下に引かれているマットに目を向け不埒な妄想を頭に浮かべる。そんなことなど気付きもせずに桜庭は勝手な高見伊知郎像を披露している。
「・・・何のかんの言って、モテモテですよね。高見さんって!隠れファン多いしなぁ〜。」
「それは初耳。」
「なに言ってるんですか!試験は必ず学年10位以内、っていうかむしろ5位以内!スポーツはもちろんできるし、おしゃれだし、話もうまいし、エスコートとかも上手そうだし、俺が女の子だったら絶対一度は告ってますよ!」
「女の子だったら・・・か。」
「?」
「それは美人だろうね。」
「ばかにしてーーーっ!」
桜庭はまるでタコのように口を尖らして頬を膨らませた。さすがに松島夏美もこんな桜庭の顔は見たことがないに違いない。そんなことを考えてテレビの中のアイドルをライバル視していた自分に思わず笑ってしまう。まったく・・・桜庭を好きになってからどんどん自分は愚かになっていく。
「俺よりも絶対にモテる桜庭に言われてもなぁ〜。」
「モテませんって!だいたい・・・女の子達が見てるのは俺じゃなくってアイドルの桜庭春人だし。」
最後の方は聞き取れるかどうかの小さな呟きになっていた。
「・・・そんなことないと思うけど?」
「偶像だけが一人歩きしてるんですよ。」
「そうかなぁ〜?中学のときからモテてたじゃないか。」
「クラスで一番でかいからだけですよ。身長だけ。」
「そんなこと言ったら俺も大田原もモテモテだよ?」
「だから高見さんはモテますって!」
「大田原は?」
「・・・い・・・いい天気ですね。」
「苦しい逃げ方だね。」
「あはは。」
「少なくとも、俺はここにいる素の桜庭春人が好きだよ。」
「・・・。」
驚いた顔をして固まった桜庭ににっこりと笑って見せると、茶化すような声音で続けた。
「告られたら一生幸せにしてみせるくらいの勢いでね。」
その言葉に桜庭はほっとしたように力を抜くと、とけるように微笑んだ。
「うわ〜・・・ホント女の子に生まれときゃよかったですね。そしたら一生面倒見てもらうのにな〜。」
「・・・ここにいる素の桜庭春人って言ったんだけどね。」
小さくぎりぎり桜庭に聞こえない程度の声で呟きを漏らす。まだ、桜庭に伝えるには早すぎるから。
聞き取れなかった言葉に桜庭は「へ?」といいながら俺の顔を見上げた。
そんな桜庭に、安心させるように微笑んで言った。
「なんでもないよ。さぁ、遊びはこれくらいにして続き始めようか。」

***
あーーーしんどいです。いつまでこの残業の日々が続くのでしょうか。
いつまで高見さんこんなあつかいなんでしょうか(涙)
しんどそうや・・・ごめんなさい。でもそれでも見守りつづけてくれる高見さんが大好きですっ。
一緒にしんどい日々を乗り切りましょう!
って?また現実逃避か・・・ドナドナド〜ナド〜ナ〜〜♪
子牛は明日も仕事です。

 

     ■   2月23日 時の輝き11・うわ・・・ひさびさのアップ(汗)   ■

走り去る進らしい後姿を見送ってから桜庭は後ろに立つ人物を振り返った。
「・・・絶対今の誤解しましたよね?」
「たぶんね。」
片手に握っている『台本』で眼鏡のフレームを軽く持ち上げて高見が頷く。
そう、今度出演することになったTVドラマの台本。
初めての月9出演。しかも準主役という大役。だから高見さんに協力してもらって必死で練習していたのだが・・・まさかその練習風景を進に、あの進に見られるなんて!
「・・・あっちゃぁ〜」
桜庭は頭を抱え込みながら近くにあったトレーニング用のマットの上に座り込んだ。
「誤解されたら困るかい?」
「へ?高見さんのほうこそ。下手したらホモですよ?」
「相手が桜庭なら光栄だよ。」
「またまたそんなことばっか言って〜。」
「いやほんと。」
「モテるくせにそういうことばっかり言ってはぐらかしてるから彼女ができないんですよ。」
「はぐらかしたことはないんだけどなぁ〜?どうも相手が鈍感でね。」
その言葉に桜庭はガバッと顔を上げた。
「え?好きな人いるんですか?」
「・・・気になる?」
「気になりますよ〜〜っ!うわぁっ知らなかったぁ。じゃぁ余計ホモ説は問題じゃないですか!」
「いや。別にそこは問題になるような相手じゃないから。」
「理解ある人なんですね。」
「どうかな?臆病者そうだから実は問題あるのかもしれない。」
「どっちなんですか?」
「さぁ?」
にっこりと余裕の微笑を浮かべる高見の顔には『教えてあげません。』としっかり書かれていた。
こうなると冷静沈着なQBである高見さんから単純ヘタレなWRである桜庭が聞きだせるわけが無い。
気になるけれど怒らせるのは怖いし、なによりこのやさしくて親切な先輩に嫌われるのが怖い。
追究はあきらめた。
そんな桜庭の表情を読み取って高見は眼鏡の奥の瞳に少し意地悪な光を浮かべて尋ねた。
「ところで、さっきの続きはしないのかい?」
「続きって・・・」
「せっかくのキスシーンを邪魔されちゃったからね。」
「あはは。」
「もう一度はじめからやり直そうか?」
「あ・・・いえ・・・なんかすっごい照れるんで続きからにしましょう!」
「・・・残念。」
「へ?」
「いやなんでも。」
高見は明後日の方向を向いて答えた。
本当に自分の事はとことん鈍感らしい。
いや、ネガティブな内容には敏感だから、鈍感というよりも思考が後ろ向きなせいで自分に向けられる好意にはまったくもって気付かないだけなのかもしれない。
自分に自信がないから、相手が自分に興味を持ってくれることがあると思えないのか。
いや・・・ただ単に自分が対象外なだけか。
彼の見ている相手はたった一人だから。
チラリとしゃがみこんだままでいる後輩の頭に目をやった。
特徴のある前髪は先程まで進が立っていたであろう窓の外へと向けられている。
「まぁ、少しでも気にしてもらえただけよかったと思うべきかな。」
高見は自嘲気味な小さな笑みを浮かべた。

***
「いや、桜庭さん、もしかしなくてもホモですよ。」
そっとツッコミ入れつつも、このツッコミが限界なほど体力がありません。忙しすぎて体もちません。グハッ・・・(血反吐)
毎日毎日ぼっくらは鉄板の上で焼かれていやんなっちゃうよ〜♪
と歌いたくなるくらいヤサグレてます。ドナドナが流れたら末期です。末期の水はゾロか桜庭君かお頭にお願いしたいです。(脳味噌はすでに末期です。)
そして机の上もハードディスクの中身も末期です。
書きかけの小説とか絵とかが山ほどたまっていく。ぎゃ・・。40000hitの絵を描きたいのに・・・トホホ。やっぱ40000となるとあの人ですよね。ニャハ〜vはやくあの鍛えられた肉体を描きたいです。←えぇっ!?
すでにドナドナ流れてもいいかもしれません。末期症状発病中。

 

     ■   2月16日 ジャンプ乾燥・・・いや感想。   ■
最近文字ばっかやな・・・と気付いたものの、ちょっと時間がないもんでひさびさにジャンプの感想なぞ。
最近のアイシ。ヒル魔が!ヒル魔が!ヒル魔がっ! (←興奮しすぎで日本語にならないらしい。)
そしてセナ=アイシに気付いたかもしれへん十文字きゅん。
なんだか困っちゃうほどに萌えですが、何が一番困るって、あそこまで引っ張っといていきなりキッド出てこぉへんことでしょうか?ヒル魔とのからみをもうちょっと見たかった〜〜っ!
ところで馬。どうなの?馬(笑)
どの馬でもいいから一頭売ってもらえないものでしょうかね?にんじんやりたい・・・なでなでしたい。乗りたい。馬乗り。尻に敷く。←なんか日本語ズレてる(苦笑)
ナーガも見たかったですね!いたとしたらやっぱ阿含かな?ドレッドたてがみ。だって他の人じゃハゲ・・・じゃなくたてがみ無くなっちゃうもんな〜。雲水とか一休馬は良い子そうなんだけどな〜。特に雲水。大人しくって賢くってスリッって鼻面よせてくれそうやん?んで、横からグワシッって、ドレッドで目つきの悪いグラサンの馬が鼻面で殴り飛ばしにきよんねん。俺の馬に手を出すんじゃねぇ!と・・・そんなに好きか兄が。独り占めしたいか。頑張れ雲水。頑張れ私。脳味噌腐ってるぞ・・・。
心を入れ替え脳味噌入れ替え、ワンピ。
まるでテニ●リのように同人向けな展開にちょっとおののきつつみてます。きっとゾロサンの人はお喜びですな。
いや、もう、ゾロがかっこよければ全て良し!素直でないサンジもこれまたよし!(守られてたまるか!という心意気が大変良いです。愛らしい。ゾロサンもいいかもと一瞬思わされたよ。あぶないあぶない。)そして何より助けるべき姫君がチョッパーであることがゾロチョゾロ、チョゾロッチョブームな私には最高に幸せです。はい。みんなでゾロを愛していただきたいと思います。取り合え。ゾロを。(←いや、取り合われているのはチョッパーだから。)
どこまでも脳味噌腐ってます。
ただ言える事は春日さくらさんってばサイトにゾロ書いてないくせにものすっごいゾロが好きだってことでしょうか?それが最近よぉ〜〜っくわかりはじめました。
そこっ!今更って言わないっ!!

大好きだ。ゾロ。大好きだヒル魔。そして馬でいいから出てきて桜庭きゅん・・・。

>追伸
最近ゼブラーマンの宣伝で哀●翔さん出てますが、あのグラサンをみる度に高見さんの眼鏡ってあんなレンズの形やねんな・・・と思います。あのサイドフレームも似合うだろうなv高見さんvv

 

     ■   2月13日 時の輝き・10   ■

あの後、桜庭はまるで何事も無かったようにいつもどおりに授業を受け、放課後はクラブの練習に参加した。
そして練習の後、慌ててシャワーを浴びたかと思うと濡れた髪もそのままに「仕事だ」と言って飛び出していった。
誰があの桜庭が余命3ヶ月の命だなどと思うだろう?
どうしても眠むる気になれずいつもより長いロードワークをした帰リ道。寮へと戻る途中に学校の練習室に灯りがともっていることに気付いた。
誰か練習しているのか?こんな時間に?
もう12時は回っているはずだ。こんな遅い時間に練習しているものがいることに進は驚いた。
オーバーワークは身体に毒なんだが・・・注意したものだろうか?
今までロードワークをして隣町まで行ってきた自分のことはすっかり棚に上げにしている。
進は門をくぐり練習室へと近づいた。
近づくとカーテンがすべて閉められているのがわかった。
練習室のカーテンを閉めるのは珍しい。
中にいる人物の練習の妨げにならないよう気をつけながら練習室の窓をゆっくりと開けた。
ダンベルを持ち上げているところに突然声をかけるのは危険だからだ。
開いた隙間からかすかな光と聞きなれた声が漏れた。
「俺・・・もう死ぬんですよね。」
それは桜庭の声だった。いつもよりも低い。硬質な声。
「そんなことは・・・」
桜庭の言葉を止めようとするようにかぶさって聞こえて来た声は高見さんのもののようだった。
「いいんです。俺、もう知ってるんです。先生に聞いたから。余命三ヶ月だって。」
「・・・。」
「もう助からないって。そう覚悟を決めたらすっかり楽になっちゃって。」
そう言って桜庭は笑ったようだった。
「何ばかなことを言ってるの。」
「ただ・・・色々遣り残したことがあるから。どうせなら後悔のないようにしてから死にたいなって思ってて。」
「遣り残したこと?」
「たとえば試合。レギュラーになったんだからせめて全国大会の土はふみたいな〜とか。うまいカキ氷屋ができたのにまだ行ってないなとか。アメリカンバーガーでメニュー指差してスマイル一つって言ってみたいなとか。」
「何それ?」
おどけた桜庭の声に拍子抜けしたように高見さんは呟く。そんな高見さんへ桜庭は続けて言った。
「あと・・・好きな人とキスしてみたいな・・・とか。」
一瞬の沈黙。
先ほどまでとは裏腹に真剣な空気が流れた。
高見さんと桜庭の目線が絡み合い、二人の体がまるで真中に磁力があって引き合っているかのように引き寄せられていくのがわずかな窓とカーテンの隙間から見て取れた。
高見さんの右手が桜庭の頬に添えられ、
桜庭の右手が高見さんの首元に添えられた。
徐々に近づいていく二人の唇・・・
「っつ!」
思わず窓を思い切り閉めてしまった。
バァーンッ!というおおきな音が静かな練習室の中で木霊のように響いた。
「誰だ?」
驚いたような声が聞こえる。俺は思わずその場から駆け出した。が、うまく足が動かない。
こんなときに限ってなぜ体が言うことを聞かないのだろう?
「進っ!?」
背後で桜庭が自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。

***
エースをねらえ!を2週連続で見逃しブルーです。
あれほど頭を使わず笑えてストレス発散になるお笑いアニメ風ドラマがあっただろうか?いやない。こともない。←どっちやねん!
くそ〜見たいよ〜〜。妄想のねたが無くなって淋しいよ〜。
しかし、今週はジャンプでヒル魔が愛らしく、ゾロがチョッパーとラブラブで全て良し!って感じです。
ゾロチョゾロ、チョゾロッパーとかはじめようかにゃ〜・・・(どんなネーミングやねん!?)
そしてモチを焼くサンジ。
ほら、今まで船(バラティエ)のアイドルだったのに、今はその座をすっかりチョッパーに取られてるから!
せやし、チョッパーのことを「非常食」としか言わへんねん。困った子やね〜。
でもな、あの船のアイドルは『ゾロ』だから!いや『ウソップ』か?どちらも捨てがたい・・・。

 

     ■   2月11日 時の輝き・9   ■
ガチャリと扉が開いた。
「あれ・・・進?」
桜庭は驚いたような顔をした後、少しバツが悪そうに頭を掻いた。
「どうしたの?何か忘れ物?」
笑った目元がわずかに赤い。
泣いていたのか・・・。
だがそれを気付かせまいと桜庭はいつもどおりの明るい笑顔を俺に向ける。
「桜庭・・・」
何故一人で耐えているのだ。とか、何故俺に相談してくれなかったのだ。といった言葉が口元まで出かかって消えた。
今まで目の前の事実から逃げてきた俺にこいつを責める資格がどこにある?
だいたい聞いて何ができるというのだ!?この俺に・・・。
自分のふがいなさに歯噛みしながらさらに拳を握り締めた。両の拳は込めた力で白くなっている。
その手を桜庭が握った。
「やっばーいっ!進!チャイム!チャイムが鳴るっ!」
桜庭の声と同時に5時間目の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。
桜庭の手に引っ張られながら、俺は重い足を動かして教室へと向かった。
***
>気付くとサイトのカウンターが40000超えてました。こんなマイペースでヘタレなサイトに遊びに来ていただいて本当にありがとうございます。嬉しいです〜っ(感涙)どうかこれからも遊びにいらしてくださいませv

 

     ■   2月9日 時の輝き8   ■

「病院。」
職員室から遠ざかりながら小さく呟いた。
通院を担任や監督が知っているということは・・・やはりどこか悪いのだ。
あの日廊下で聞いた会話。
あの時は何かの間違いに違いないと思っていたのだが、痩せた体、倒れた時の顔色、減っていく昼食の量、通院という事実、どれを鑑みても導き出されるのはそれが事実であるという結論だけだった。
桜庭を探さなくては・・・そして確かめなくては・・・。
いつまでも事実から逃げようとするなど自分らしくない。
桜庭がいる可能性のある教室をひととおり見て歩いた。
だが見つけられない。
昼休みがもうすぐ終わる。
最期にここだけでもと覗きにきた部室に桜庭はいた。
扉の内側から桜庭の声が聞こえる。声をかけようとドアノブに手をかけた、その時、泣き声にも近い小さな叫びが聞こえた。
「いやだ・・・っ・・・死にたくない・・・死にたくないよぉっ!」
一瞬周りが全て黒に塗りつぶされた気がした。
光も音も何もかもが消えた気がした。
ただドアの向こうからすすり泣きだけが聞こえている。
それだけが世界の全てであるように。
桜庭は知っていたのだ自分の死を。
それでも俺の前で笑って。
あぁ・・・そうだった、彼女たちはなんと言った?
『ホントだって!お医者さんから告知されてたもん。』
告知。
そうだ、そう言っていた。医者から告知されていたと。
なのに俺はすべてに目を瞑り、耳を閉じ、真実を確認するために問い掛けることもしなかった。
辛いのは桜庭自身だというのに、俺は桜庭が死ぬかもしれないという事実を受け止めるのが恐ろしくて逃げたのだ。
「俺は・・・俺は何を・・・っ。」
自分のふがいなさに、ただ俺は両の拳を握りしめた。

***
富山に遊びに行ってきました。大雪でした。まいった・・・。
しかし、何よりまいったのは道路がお湯で溶かされた雪で川になっていたことでしょうか・・・。
雪用に防水はしてたけど・・・それじゃおいつかーーーん!
知人に「駅前で長靴買いや」といわれた意味がよくわかりました。
でも魚美味しかったッス。きときとvvv

 

     ■   2月5日 時の輝き7   ■

桜庭は今日もいない。日直の当番だというのに・・・。
そして、桜庭の穴を桜庭の次の出席番号である俺が埋めることとなった。
桜庭と一緒に日直をするはずだった女子は朝桜庭がいないことを知ってすっかりやる気を失ってしまっている。
4時間目が終った。昼休み後の歴史の授業では資料を配るからと担任から聞いていた。
恐らく参考用のプリントだろう。
その程度ならば一人でも十分持って来れるだろう。俺は一人職員室へと向かった。
職員室に入ると担任と監督が何事か話あっていた。
珍しい組み合わせに少し驚きながら声をかけた。
「先生、次の授業の資料を取りにきました。」
「あぁ、ありがとう。このプリントを皆に配っておいてくれ。」
「はい。」
ちらりと監督へと目を向け頭を下げる。すると監督が言った。
「進。桜庭を見なかったか?」
「いえ、今日は見かけていませんが?休みではなかったんですか?」
担任へと目線を向ける。
担任は頷くと、
「いや、5時間目までには戻れると聞いていたんでね。そろそろ戻ってきたかと思ったんだけど・・・」
「まだ病院から戻っていないのか。」
苦虫を噛み潰したかのような表情で監督は呟いた。その言葉に担任が頷いた。
「長引いているんでしょうね。今日は検査があると言っていましたし、あぁいったものは時間がかかるようですから。」
病院?検査?長引いて?
どの言葉も妙に心に引っかかる。
尋ねようと口を開きかけたが二人の深い溜息と「なんでこんなことになったのか・・・」という呟きに実行することはできなかった。

 

     ■   2月1日 チキンカレーと魔法の種(ゼフサン)   ■

ジジィが鍋で何かを炒めている。
1つの鍋からはニンニクに生姜になにかスパイスの香り。バターのいい香りもしている。
もう1つの鍋からはタマネギの甘い香り。
キッチンの上に並べられているのはヨーグルトに1cm角に刻まれたトマト。鶏骨付きのぶつ切り肉。
「何作ってんだクソジジィ?」
「見てわからねぇか?」
「わからねぇから聞いてんだろ。」
鍋を覗き込む。
大量のバターの中に浮かぶニンニクや生姜のみじん切り。あと何かわからない小さな花の種のようなものがまるでバターの中で踊るように煮えている。それをジジィはやさしく木ベラで混せている。ジジィの手は料理の時はとてもやさしい。実は顔も一緒にやさしい表情になっているがジジィは気がついていない。
もう1つの鍋はすでに火は止まっていた。中には大量のオニオンソテー。ソテーという柔らかさを超えているように見える。
ジジィにしちゃ失敗なんて珍しい。っていうか俺が見た中で初めてだ。
「炒め過ぎじゃねぇの?」と言うと
「クソガキにはわからねぇか。」と鼻で笑われた。
ムカツク!!!
ジジィは火を弱めるとオニオンソテーをバターで煮え立った鍋の中に入れた。
焦がさないようにじっくりと木ベラで混ぜる。それを5分ほど続けると鶏肉を入れ上下に返しながらまた5分ほど炒める。
そして赤茶色の粉を鶏肉にまぶしつけるように鍋に入れた。
覗き込んでいた鍋の中から強烈なスパイスの香りが舞い上がってきて俺は思いっきりむせこんだ。
「汚ねぇな。おいクソガキ。鍋の中にツバ入れるんじゃねぇぞ。」
「・・・っ!!!」
大丈夫かの一言ぐらい言いやがれこのクソジジィ!!!
言い返してやりたかったがセキが止まらず言い返せなかった。
くそっ・・・ジジィめ!
俺がむせている間にクソジジィは塩とトマトとヨーグルトを入れたようだった。
あの香辛料の中にヨーグルトってどうなんだ!?
煮え立つ鍋の中はすでに謎の物体Xだ。
そこへ牛ベースのスープを加えるとジジィは再びゆっくりと鍋を混ぜはじめた。
初めに入れていた大量のバターと鶏肉のせいで鍋の上には膜が貼りそうなほどの油とあくが浮かんでいる。
ソレをジジィは丹念に取り除いていく。
「なぁ、何作ってんだよ?」
「まだわからねぇのか。」
「わかるわけねぇだろ。なぁ、初めに入れてた花の種みたいなのなんだよ?」
「あぁ?」クソジジィは眉間に皺を寄せて俺を見た後、もう一度「あぁ。」と言った。
「あれはクミンシードだ。」
シードというからにはやっぱりなんかの種なんだろう。と言うと
クミンというセリ科の植物の種だと教えられた。インドという国ではスタータースパイスとして油の香り付けに使われるのだそうだ。
ケーキやピクルス、チーズの香り付けに使っても美味いなとジジィは付け加えた。
ピクルスやチーズはまだ予想がつくがケーキは想像もつかない。
するとジジィは笑って言った。
「恋人の心変わりを防いでくれるそうだから女ができたら食わせられるように練習しておくんだな。」
「大きなお世話だ!」
「あぁ、種子をポケットに入れておくだけでもいいって言ってたか・・・よかったな。」
「どういう意味だよ!!!」
この挑発的なセリフのおかげで翌日からクミンシードと格闘することになるんだが、それは後の話。バラティエを旅立つ時にクソジジィのコック服(だけでなくいたる服)にクミンシードを入れたのも後の話。
ジジィは急に俺の相手をやめてスパイスがおかれている棚へと向かった。
バラティエのキッチンには何百どころか何千何万の香辛料が置かれている。
でも、ソレを全て使いこなせるのはくやしいけどクソジジィだけだった。
「この料理は香りが命だからな。」
「おい、ジジィ今度は何入れるんだ?」
「コレは知ってるだろう。嗅いでみろ。」
鼻先にスパイスを入れた入れ物が突き出された。
辛い、鼻が刺激される、でも華やかな、食欲を呼び覚ますような香り。
コレは・・・
「カレー?」
「カレーなんていうスパイスはねぇよ。」
けど、この匂いはよくソテーやムニエルとかに味付けしたりする時使っているカレー粉の中に入っている香りのはずだ。
「ガラムマサラだ。覚えとけ。」
ちなみにソテーで使っているカレー粉はこういった香辛料を組み合わせたものなのだと教えられた。
・・・そうだったんだ・・・。
ガラムマサラという、さっきの赤茶色の粉より少し黄色っぽい色の粉が入った。
香りがいかにもカレーな香りになってきた。
だが・・・やはりいつものカレーの香りとは違う。
ヨーグルトだのトマトだのが大量に入っているのだから当然だ。
「この料理はなんなんだよ?」
「お前解ったんじゃなかったのか。」
「何がだよ?」
「さっき言ったじゃねぇか。」
「?」
「カレーって。」
「へ?コレが??」
やっぱりそれだったらジジィこれは失敗だろう!?
そんな俺の表情を読み取ってかジジィは説明してくれた。
「正確にはカリーって言うべきか。チキンカリーだ。
 普段お前が使っているカレー粉はイーストブルーの東の端の国のものだ。今日のはイ−ストブルーでもかなり西よりの国でカレーの発祥の地のものだよ。」
「へぇ?食っていいか?」
既に指は鍋のふちまでたどり着いていたのだがジジィに叩き落とされた。
「ダメだ。」
「なんで!?」
「こいつは時間を置いてなじませたほうが美味い。その間にナンでも焼くか。」
「ナンってなんだ?」
「・・・てめぇその年でオヤジギャグか?」
「ギャグじゃねぇ!」
ジジィは軽く首をすくめて見せると「ナンってのはパンみたいなもんだ。」と言って石焼釜の上におかれていたボールを持ってきた。
中にはイースト菌で膨らんだパンの生地のようなものが入っている。
「コレを野球のボールくらいの大きさに分けて丸めろ。」
「あんまりこね繰りまわすなよ。」
丸め終わると乾燥しないようにボールに蓋をした。
15分くらいして取り出すとボールはさらに大きく膨らんでいる。
「いい感じに膨らんでるぜ。オーブンに入れようか?」
そういうと、てめぇは本当に物を知らねぇな。といわれた。
そしてボールを引っ手繰ると麺棒で平たく大円につぶしてしまった。
「な・・・何するんだよっ!せっかく膨らんだのをつぶしてどうするんだよ!」
「ナンはコレでいいんだよ。」
そう言うと全部同じような形にしてラップし、また放置している。
俺はといえばただ見つめるばかり・・・。
そして15分ほど立つと今度はその表面にオリーブオイルを塗って石焼釜へと放り込んだ。
徐々に広がる香ばしい香り。パンと違ってバターの香りはしない。
素朴な香り。
どれくらいの時間がたっただろうか?パンと違って平べったいから焼成時間は短くていいらしい。
引き出して出てきたのは白っぽい表面にこんがりと狐色の焼き色がついたひらべったいパン。
ピザに少し似ているだろうか。
ひょいととって齧ると塩と小麦の香りだけで特に味がしない。
「なんか素朴な味だな。つーか淋しくねぇ?」
バターとか入れればいいのに。と言うと殴られた。
「ホントにバカだなてめぇは。コイツと一緒に食うんだよ。」
そう言うとジジィはさっき作ったチキンカリーというものを差し出した。
食欲をそそる香辛料の香り。
さっきは痛いくらいの香りだったのが時間がたってまろやかなものに変わっている。
ツバを飲み込むと、ナンにつけて食ってみろ。と言われた。
頷いてナンをドロリとしたソースにつけてみた。
美味い!
甘くて華やかで爽やかで・・・辛いっ!
最後にきた辛さがまたたまらない。
「なんだ?これっ!?」
ジジィがにやりとした。
「クソ美味ぇだろ?」
口惜しいけど頷くしかない。
パクパク食べつづける俺にジジィがそっと牛乳を差し出した。
「なんだよ?」
「ガキにはミルクが必要かと思ってな。」
「誰がガキだ!」
でも口の中は火事寸前だ。素直に手を伸ばして飲んだ。
「???」
なんだこれ?牛乳じゃない。ヨーグルトにフルーツの香りがする。
「プレーンのラッシーでも良かったんだが、たまたま美味い南国フルーツのピューレが手に入ったんで混ぜてみた。」
という。ラッシーだと?どこぞの犬の名前ではないか?と突っ込みたいところだがあまりの美味さに口はグラスから離れることを拒否した。
「どうだ?口の辛さがマシになっただろうが。」
マシにどころか・・・カリーの風味を殺してしまわず、次の一口がさらに美味くなる。
まるで食前酒のような効果だ。しかも甘すぎないから、カリーとラッシーとの組み合わせでいつまでも食べつづけられる。
「おかわり。」
差し出した2つの器に、ジジィは満面の笑みを浮かべた。

***
チキンカレーを作りました。
宣言するほどのものじゃないだろ!って感じですが、結構まじめに作ったんですよ〜。
ってなわけで一緒に作ったナン&ラッシーも撮影。
ちなみにチキンカレーが入っている器は自分で作った信楽焼きです。
うれしがここにおる・・・(恥)

 

     ■   2月1日 時の輝き 6   ■

珍しく桜庭が朝から教室にいた日の昼休み、ふいに桜庭が尋ねた。
「もしもさ。もしも進が病気で、試合の前日に突然アメフトをやめるように言われたらどうする?」
「そんなことはありえん。健康管理はきちんと行っているからな。」
「いや、だからもしもだって。」
「もしもなど仮定の話はするものではない。ましてそんな非現実的なことなど聞いてどうするというのだ。」
「非現実的・・・か。うん。そうだよね。普通そうだよね。身近にありえることとは思えないよね。」
考え込むように呟く桜庭の顔を見て、あの日廊下で聞いた会話を思い出した。
『桜庭君・・・余命3ヶ月なんだって・・・』
あの日からそんなことがあるはずはないと否定しつづけ、桜庭に問うこともできずにいた言葉。
しかし桜庭の痩せた体と練習中に倒れた時に見た青白い顔色は病人のそれだった。
「桜庭・・・」
「何?」
桜庭は考え込んでいた顔を上げた。
「どこか悪いのか?」
「何が?」
「いや・・・病気で試合を休まなくてはいけないような・・・」
「へ?まっさか、全然元気だよ。仕事が忙しくって疲れてはいるけど、でもまぁ仕事がないよりずっといいからね。贅沢な悩みってヤツ?」
桜庭は少し照れたような顔で笑って見せた。
その微笑みは病人のものとは思えないほど明るいもので。
やはりあの女生徒達が話していたのはデマだったのだろうと思い直した。
いや、無理にそう思い込もうとしたのかもしれない。
桜庭の昼食の量が日に日に減っていることに気付いていたにも関わらず、それに気付かない振りをして。
俺は桜庭がいなくなるかもしれないという事実から目を逸らしていた。


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