「え?」 「誰か会いたい人の顔が思い浮かばなかった?主人公みたいに。」 会いたい・・・ 王城メンバーの顔が思い浮かんだ。試合前の円陣を組んだ時の真剣な顔。眉間に皺を寄せて怒ってる監督の顔。笛を吹いて手を振るマネージャーの顔。大きな口を開けて笑ってる大田原さんの顔。やさしい目で微笑む高見さんの顔。そして・・・ 「へっ?えぇぇっ!???」 「ちょっと大丈夫?顔真っ赤よ?」 「あ、なんでもないです。ほんと、なんでもっ!」 「誰が思い浮かんだのかな〜???」 「チームメイトしか思い浮かばなくってホントにアメフトバカなのかもってはずかしくなっただけなんですよ〜っ///」 「マネージャーとか思い出さないわけ?」 「思い出しましたけど?」 「その子が好きとか?」 「違いますって。」 「不細工なの?」 「何言ってんですか!かわいいし。働き者だし。自慢のマネージャーですよ!」 「でも好きとは違うんだ?」 「なんでそういう話になるんですか?」 「でもさ、死が目の前に迫ってたら、好きな相手に会いたいとか、やってみたいと思ってた夢をかなえたいとか、思うもんじゃない?」 「だよね。」 「ダメ元で告白するとか。」 「貯金全部はたいて超豪華な一日をすごすとか。」 「豪華ディナーとか?」 「吉野家フルメニューを食べるとか?」 「いや、それは豪華じゃないですから。」 「じゃぁ、アメリカまで行って牛丼食べるとか?」 「だから、それは豪華じゃないでしょう〜。っていうか夢じゃないし!」 「何言ってるんだ!今や日本じゃ食べられない夢の食べ物だぞ!」 「・・・監督、貧乏っぽいです。発想が・・・貧困?」 「この映画大丈夫かなぁ〜・・・」 「失礼な!」 そんなバカ騒ぎを静かに聞いていた松島夏美が口を開いた。 「でも、急に死って訪れるものだから。余命3ヶ月なんて言われるだけいいのかもしれないですね。」 「え?」 「ほら、事故とかだと突然死が訪れるわけじゃないですか?同じ事務所の子があの自爆テロの日ニューヨークにいたんですよね。前日の夜まで一緒にニューヨークでレッスン受けて晩御飯も一緒に食べて、このドラマのオーディション受けるために私だけ先に帰国して。彼女は死んで私は生きてる。一緒にご飯食べたのに、次の晩御飯を食べる前に彼女は死んじゃった。」 「・・・。」 突然の告白。 一瞬、みんな時が止まったかのように沈黙が落ちた。 「そういうね、突然の死もあるんですよね。明日のことなんて何もわからずに、未来の夢ばかり追いかけて。いつかきっと有名になるんだ〜トップアイドルになるんだ〜なんて言って。二人で紅白出ようね!なんて笑って。『いつか』なんて来もしないのに。『いつか』なんて、明日すら彼女には無かったのに。だから・・・それならまだ、死ぬまで3ヶ月あるだけ、この主人公は幸せなのかも?なんて思っちゃったりするんですよね。」 彼女はそう言って笑った。少しだけ瞳の淵がいつもより潤んで見えるのはたぶん気のせいじゃない。 そして、そんな彼女の背中をぽんとたたいて、監督は言った。 「俺はさ、昔撮影中に主演女優に死なれたことがあるんだよね。」 「え・・・」 新たな告白。みんなただ重苦しいほどの沈黙の中で監督を見守る。でも、監督の目は懐かしそうに輝いていて。 「いつも元気でさぁ〜。コンサートがあるから九州まで行ってきま〜すvって。博多明太子をおみやげに買って帰ってきますねっ♪って言ったきり。帰りの飛行機が落ちて死んじゃった。」 「・・・。」 「人間、いつ死ぬかなんてわからないからさ。だから生きていけるって言うのもあるんだろうけど、でも・・・夏美ちゃんが言ったとおりさ、この主人公の場合は死の期限がわかってるわけでさ。それってあながち悪いことばかりじゃないんじゃないかな?その間にできることもたくさん探し出せるわけだしさ。たった3ヶ月とはいえ、後悔しないように生きる時間があるわけだろ?やりたいこと一生懸命にして後悔しないようにさ。」 なぁ〜?桜庭ちゃん?そう言って監督は俺に笑いかけた。湿っぽさなんてまったく感じさせないそんな笑み。 「・・・そう・・・ですね。」 思わずその笑みにつられて呟いていた。 そうかもしれない。何も知らずに突然訪れる死と、期限が決まって入るけれどそこまでの猶予がわかっている死。 覚悟を決めれば、その時間は有意義なものにできるはずで・・・。 「でも、俺だったら・・・この主人公みたいに強くは生きれないと思います。」 思わずまじめに答えてしまって、それをごまかすように少しおどけたように笑って続ける。 「俺のことだから死ぬのが怖くて泣いて過ごしたりしてそうかも。」 そんな俺に監督はあごに手をやりながらニヤリと笑って言った。 「そうかぁ?何のかんの言って、桜庭ちゃんはプライド高いから死ぬまで笑顔で過ごしそうだけどね。」 「え?」 「どんなにつらくても、泣きそうでも、それでも笑ってるイメージがあるんだよね。桜庭ちゃんはさ。」 「そんな・・・買い被りですよ。」 ぶんぶんと首を振った後、苦笑いを浮かべながら答える。 都合の悪いことをごまかすためのいつもの笑み。 それは、弱くてずるくていいかげんな俺の得意技で、決してほめられるようなものじゃないから。 「俺のはただのアホ笑いです。」 「ん〜その可能性もあるかとは思ってたんだけどね。」 「うわ〜見抜かれてるうっ。」 頭を抱えていじけてみせると周りのみんなは大笑いをした。 そんな空気にほっとする。 けれど、監督はほんの少し笑っただけで、静かな眼差しで俺のことを見ていた。 監督のこういうところが少しだけ苦手だ。ほんの少しだけだけど。 「けどさ・・・」 と何かをいいそえるように監督の唇が動いた。 でも、みんなの笑い声と俺の少しだけ困ったような笑顔に、その動きは一瞬止まって、そしてこうつないだ。 「ま、桜庭ちゃんの最終回の演技に期待してるぞ〜っ!ということで。」 「うわーーーっ、もしかして今までの前ふりはこのプレッシャーをかけるためのヨイショですかぁ?」 みんなの笑い声の中、俺はホッとしながらもう一度頭を抱えるフリをした。
*** なんでだ・・・今日はかろうじて画面揺れ程度ですんでいる。でも揺れるのね〜。文字打ってて画面酔いするっていうのはどうなんだろう??? しかし・・・もしやこのパソ不調の原因はボードなのか?グラフィックボードだったら致命的な気が・・・。 あんま考えないでおこう。考えたくない・・・。 考えるのは次週ジャンプだけで十分さ!王城合宿編さ!!!・・・って!来週あたい国内にいないじゃん!戸叶と同じくらいショック・・・アメコミもないんだよ。もっと悲惨?誰か変わりにあたいのジャンプも買っといて〜〜っ(涙)進とその後を追う桜庭きゅんを私にプリーズ!
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