やっぱりそうなるよね・・・。 桜庭は進の手が自分の手を通り抜け握りこぶしを形作るのをただ無言で見ていた。 「俺、幽霊になっちゃったみたいなんだ。」 まるでできの悪い冗談。 でもそれは本当のことで。 すり抜けけた進の手を見つめながら桜庭は自分が本当に実体のない存在になってしまったのだと実感する。 まぁ、あの河原にたどり着くまでの間に徐々に気付いてはいたんだけどね・・・。
***side 王城 桜庭回想 16:00
いつもなら必ず追っかけに見つかっては追いまわされるはずの繁華街。 そこをとおりぬけても誰も自分を振り向きもしない。 通り道にあったクレープ屋で買い食いしちゃおうとお店の人に声をかけたのにまるで俺をシカトしてるみたいにこちらを見てもくれない。 繁華街を3分の2くらい歩いた頃にはさすがにおかしい事に気付いた。 だけど、その結論を認めるのは恐ろしくて・・・人ごみの真っ只中に立ち尽くした。 そんな俺の周りを通り過ぎて行く人。人。人。 気付くと真正面に白のジャケットに紫のシャツといういかにもチンプラっぽい人が立っていて、まるで俺の存在がまったく目に映っていないとでも言うように肩をいからせながらまっすぐつっこんできた。 (やばっ・・・ぶつかるっ。) ぼんやりと立ち尽くしていた俺は避けるのが遅れた。半身と半身がぶつかる。・・・その瞬間チンピラは俺の中を通り抜けて行った。 正面から歩いてきたのに、俺の存在に気付きもせず通り過ぎていった。 「うそだろ〜っ?」 両手で頭を抱えて歩道にしゃがみこんだ。そんな俺に誰も気付かずに、俺を踏みつけるようにして通りすぎていく。 幽霊。生霊。透明人間。 何に当てはまるのか良くわからないけれど、とりあえず自分がもう人間としての実体を持っていないことだけは認めなくてはいけないらしかった。 行くあても無くて、ただ町をさまよっているうちに、気付いたら河原に座り込んでいた。 沈んでいく夕日が黒美嵯川をオレンジ色に染めていく。 夕焼け色に染まっている空と景色を眺めながら、徐々に暗い色へと置き換わっていく景色と同様に気分も暗く塞ぎこんでいく。 誰も気付いてくれない、自分の存在がまったく認められない、それがこんなに恐ろしいことだとは知らなくて。 三角に折った膝を抱きしめた。 不覚にも涙が出そうになった。 幽霊とかが涙を流せるのか解らないけれど・・・。 流したところで誰も見ることはないのだから、我慢することないんだよな・・・なんて思った時、背後から声がかけられた。 「桜庭?」 なんで彼が俺を見つけられたのかなんて知らない。 なんで俺に気付いてくれたのかも知らない。 でも・・・俺がここにいるのだと進が気付いてくれた。それが嬉しかった。
<日記> うわぁぁぁ・・・桜庭がっ!っていうか、高見さんの桜庭を見守る目が!進への高見さんの心ツッコミがっ!なんだかもう、どんどん高見さんがメインキャラへとのし上がっていくわ・・・もう地味だなんて言わせないわ!先生たちも、きっと高見さんのことお気に入りでしょv というわけで、なんだか嬉しくて嬉しくて、浮かれついでにお蔵入りしてたイラストを貼ってみたり。冬ソナ最終回の最後の最後のとこを寝て見逃して、悔し紛れに描きました。あんなに笑えるコント・・・じゃなく、ドラマのラストを見逃すとは!No〜〜〜ッ!!! でも、王城トライアングルラバーズは見逃しませんよ。えぇ!見逃しませんとも! ところで、進。桜庭あんだけ頑張ったんやし、ちょっとは筋肉ついたと思うので、変わったとちょっとでいいから思ってあげてね? え?桜庭は桜庭だから、どう変わろうと特別なのはかわらないって?あぁぁ!なるほどっ!もう、心でがっちり繋がってんねんな。そうか、そうか。 (頭のかわいそうな人がここにいますよ〜・・・って!私かっ!)
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