ベートーヴェン 交響曲第5番 Beethoven: Symphony No.5

 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
クリスティアン・ティーレマン フィルハーモニア管弦楽団 1996年
Christian Thielemann
Philharmonia Orchestra of London

ティーレマンさんの演奏は、ゴリゴリ、ごごごぉ~と、超重低音で迫ってくる古き時代の演奏スタイルである。ちょっと演出過剰気味だと思っていたが、今や押しも押されもしない指揮者になっちゃった。ワタシにとって、クラシックに親しむきっかけは、マーラーだった。なので、ピリオドには、ほとんどご縁がない。そもそも明確な定義を示すことが難しい。いつ頃から、ピリオドが流行ったのか今も続いているのか、一時期の流行は終わったといえるのか、定かでない。当盤のティーレマンさんの演奏は、古楽器演奏、ピリオド奏法とは異なり、フルトヴェングラーさん時代を彷彿する演奏スタイルだ。モダン楽器で大編成のゴリゴリ演奏である。
ごごごぉ~っと、地響きを立てている演奏なのだ。実際に聴いてみて、アハハ~ これは良いわ。 ダダダ ダぁ~ン! バタバタバタと、ゴリゴリした重低音とティンパニーが鳴っており痛快。小学校の授業で聴いたレコードの音が蘇ってきた感じがする。どうやら、アタマの片隅には、古いレコードで聴いたイメージが残っていたようだ。
べートーヴェンは、ことに5番は、これぐらいズシン ズシン、ごごごごぉ~っと、鳴ってくれないと、運命らしくない~って気がする。(稚拙すぎて恥ずかしい)ちゃんと対旋律も聞こえるが、チェロ、コントラバスの低弦の響きが、凄まじい音圧で迫ってくるので圧倒される。テンポの設定は一律ではない。美音とは、お世辞にも言えないし、誰のマネをしているんだっと本気で怒りたくなってくる。奥で響くティンパニーの音は、ドンシャリ気味。叩きづめでお団子を投げられ続けている気分なのだが、ロックを聴いている気分だ。これだけ重たい響きだが、キレキレっだ。アグレッシブ。リズム感が鋭く畳みかけてくる様は爽快だ。コーダ近くになると、間合いを空けてニクイほど阿漕な演奏である。ワタシ的には、わざとらしくて好きじゃありません。


■ ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
サイモン・ラトル ウィーン・フィル 2000年
Simon Rattle Wiener Philharmoniker (Vienna Philharmonic Orchestra)

ラトルの演奏は、推進力のある軽めの演奏だが、リズミカルで野生的、多彩なフレーズが聞こえ、情報量の多い演奏だ。カップリングは、ブラームス ヴァイオリン協奏曲(チョン・キョンファ)2000年12月 デジタル・ライヴ録音である。
とても快速で、モダンなピリオドを振ってベートーヴェンを録音することが、当時、衝撃的だったように思う。斬新で、少しついて行けない印象を持った。ブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴こうと思っていたが、運命の演奏に惹かれた。15年も経って、ようやく良さが、ちょっと解ってきたらしい。常にリズミカル。速いっというのは軽さを生むようで~ その分、ティンパニーの響きを大きくして締めている。
タタタ たぁ~ っというところも、怒濤のように響き渡る。ストラヴィンスキーの春の祭典並みだ。(って言ってしまうとオーバーだけど)野性的、凶暴なのだ。1楽章の最後、「そそそ みふぁれぇ~ そそそ みふぁれぇ~ (バン)」 このフレーズの裏の弦の響きが、同じ音量で絡んでくる。表と裏がリバーシブルのように扱われている。内声の響きが良くきこえる。木管の響きも弦よりも良く聞こえほどなので、静寂のなかの植物の生命のよう。新しいアメーバーでも生まれてくるのかのように、セカセカ、蠢きのように聞こえる。第2楽章は、木管のキュートな響きに、弦が、ふんわりとテヌート気味に被さってくる。テンポは遅いし、暗い。まるで、躁鬱病の患者のように打って変わって尊大になる。まるで、思春期の子供のようにあぶなっかしい。第3楽章は、ホルンの響きが美しい楽章で、倍音の響きが、ホールいっぱいに広がっていく。第4楽章は、いきなり歌い出すが、ヒスを起こしたおばさんのようにピッコロが添えられている。リズム的には、落ち着きのない子供のような飛びはね方をする。21世紀のベートーヴェンの演奏だ。ラトルさんなりに新しい挑戦をしているのだろう。


 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1985年
Christopher Hogwood Academy of Ancient Music

ホグウッドの演奏は、軽くて速い。何度か繰り返してきくとスピードに耳が慣れ、さほど速さは感じなくなるのだが軽量級だ。重々しい扉を叩くのが運命の動機だというのが、子供の頃から染みついてて、重みのある音が耳に残ってて剥がれない感じがする。4番、7番、8番のように軽やかにリズムを刻みつつアップテンポの楽曲であれば、オリジナル楽器の草分け在のホグウッド盤は違和感がないが~。う~ん。どうだろう。慣れとは怖ろしいもので、21世紀に入って十数年も経つと、ある程度馴染んだかもしれない。第2楽章では、金管の音が耳に障る感じがする。声が裏返って、ぱふぉ~って一人飛び出して調和を乱したり、不安定さや甲高い声がどうも苦手だ。思わず汚いな~って思ってしまう。弦の音色も冷たさを感じるし落ち着かない気分になる。全体的にも層が薄いと感じてしまう。やっぱりワタシ的には重みが欲しい。第3楽章のスケルツォは、スピードを持って走って行くので気持ちの良いもの。楽器の間での音の受け渡しも良く見えるし、ティンパニーの響きカシっとしている。木管のフレーズが面白いように聞こえる。薄口なので密度の高い見えないアンサンブルが見えるというメリットはある。第4楽章では、聞こえるべき音が聞こえないような気がして、気になってしまった。版が違うのだろうか。縦横ののラインが、かっちり合っていないような気がする。演奏の粗探しをしている自分に気づいて、ちょっと・・・凹んでしまった。昔のイメージの運命というイメージが払拭されず、どうも馴染めないまま、このホグウッド盤を聴き終えてしまった。動機を構成する大事な音、和音を構成する音が、しっかりと組み合わさって全体を構成する。曲自体が、カッチリとした構成で成り立っているので、引き算ではなく足し算なのだから、積み重なっている感じがしないと、どうもしっくりこない。


 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
小澤征爾 ボストン交響楽団  1981年
Seiji Ozawa Boston Symphony Orchestra

小澤さんの演奏は、運命の動機と言われている冒頭が引き締まってて、とてもバランスの良い整った演奏だ。最後の方の音を長めに引っ張っている感じがするが、気持ちの良い響きとして残る。楷書体だけど柔軟性も感じれる。テラークの良い録音で、ホールの残響が適度に入っており、音色は明るく軽めで若々しい音が鳴っている。低弦の締まった音は、老練な響きで、しっかりと下支えをしている。気になるティンパニーの叩きは、重すぎず軽すぎず締まったリズムの音としてクリアに響く。流れとしてもリズミカルだし、カチッとしているが硬すぎずない。弦のボーイングは、筋肉質とまではいかないけど締まった感じで、とても気持ち良いもの。
第2楽章は、艶のあるフルートの響きが、明るめのトーンを醸し出して、弦の穏やかさに彩りを添える。のびやかで開放感がある。第3楽章は、弦の柔らかいフレーズが、明るく深刻すぎない。幾分、喜びの気持ちがあるようだ。超低弦のガツンっという響きが足らないという方もおられるかもしれないが、力不足という感じはしない。切羽詰まった悲痛な感じはせず、明るく元気に、ただいま努力中デスって感じで歩いている。第4楽章は、努力が報われました~という風に、晴れやかに始まる。残響の豊かさが弦の艶感をいっぱいに広げていく。喜びが体いっぱいにて表現しているかのよう。金管の甘くて明るい音質が、このアプローチに似合っている。とても音が瑞々しいし、リズミカルで、若々しい。ハレの日の晴れやかさ。若いっていいな~っと羨ましくなるような、健やかで屈託のない、素直な元気さ。ボストン響のブラスって、これほど明るく燦然と輝く音色でしたっけ。年代物のウィスキーの味わいではないけど、なかなかに、しっかり~ 明るめのトーンで惚れちゃう音でした。


 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
ヘルベルト・ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1977年
Herbert Blomstedt
Sächsische Staatskapelle Dresden (Staatskapelle Dresden)

ブロムシュテットさんの演奏は、品良く慎ましやかだが熱があり、ブレンド感に充足させられる。交響曲全集に言えることだが、ドレスデンのルカ教会での録音で、まろやかな残響があり、それだけでシアワセ感が漂う。で、5番の運命は、主題の提示は、そっけないほどに淡々と進んでいく。だが、段々と低弦の響きが厚くなり、繰り返していくなかで音量をあげてるように感じる。木管のみのフレーズになったところではテンポを落として弱音になるが、主題の繰り返しのなかで、ぐぐっと大きく膨らませて歌う。なるほど音量を調節して、ぐっと背伸びをした感じ、縮こまった感じでメリハリをつけている。そして、硬く、ギシギシギシ ドン!
低弦が、その存在を大きくしていく。ティンパニーのロールも、ごごごぉ~っという響きとなっていく。最初は、そっけない感じで淡々としていたのが、時間の流れのなかで熱を帯びていくわけである。
第2楽章も、音量とテンポの調節が頻繁に行われる。中音域のリズムが活発になるところ、低弦の響きを厚めにしているところ、金管とティンパニーが合わさるところなど、場面設定ができている。音の伸ばしもあり、ゆったりと残響を楽しむ。第3楽章は、ホルンの響きが美しい。特筆されるのはコントラバス。このコントラバスの音が、とても柔らかい。しっかりと硬さがあるのにゴリゴリ言わない。第3楽章は、ガチガチ、ゴリゴリ言わせて堅牢に演奏される盤が多いように思うが、硬い部分と柔らかく演奏される楽器と、役割が分かれている感じがする。金管なんかは、キラッとほんの一瞬煌めくし、ヴァイオリンは、滑らかにさらっと乗っかってくるし、気配りが行き届いててブレンド感がある。第4楽章も同じ傾向だ。ラストは、しっかり開放感を与えて、華やかにリズミカルにまとめあげていく。付点のリズムは快感っ。
柔らかいが硬め。硬めだが柔らか、細身だが流麗、品格のある響きだが熱を帯びていく。露骨には表出しない。ラストも、かかかか~っと熱を帯びて進むが、品良く、さっさっさっさっと終わる。大見得を切らないで終わるところが、ブロムシュテットさんらしいかな。美味しいブレンドコーヒーを、久々に頂戴した感じで・・・ 良い時間を過ごすことができました。


 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
カルロス・クライバー ウィーン・フィル 1974年
Carlos Kleiber Wiener Philharmoniker  (Vienna Philharmonic Orchestra)

クライバーさんの運命は、1970年代中期とは思えないクリアな録音だ。ゴリゴリしたベートーヴェンではなく、爽快なテンポで、スイスイ行っちゃう。クラシックの代表格とも言える楽曲で、クラッシックって言えば運命。 運命って言えば、冒頭の、あのジャジャジャジャーんでしょって、いうぐらい超有名な曲である。クライバーの運命は、どんな演奏だったかな~っと久々に聴いたら、冒頭の「っん そそそ み~ ふぁふぁ れ~」メチャ快活で軽快で新鮮。この冒頭部分は、古い演奏だとメチャくちゃ重いのだが、さすがに名盤の誉れ高い演奏だ。現代に通じるサクサク感ある推進力で、一気に聴かせる。8分休符の後、唐突に主題が提示されてからが執拗で、 何度繰り返したら気が済むのかなと言うぐらい繰り返される。でも、クライバーさんの演奏では、これが気持ちが良い感触に変わるのだ。あっさり系、気持ちよさが格別である。また、力加減が絶妙だ。力の入っているところと、抜けるところの強弱が絶妙だな~って思う。低音域のがっしりした上で、弦の柔らかさ木管の弱音の優しさが、自由自在に奏でられている。すごい。軽快なリズミカル感覚で、瑞瑞しく奏でられており新鮮だ。 クライバーさんの演奏って、セカセカした現代にマッチしているというか、先取りしているような演奏だと思う。特に第4楽章は、音色が明るくて軽め。一気に花開いた雰囲気があり、華やかだ。ベートーヴェンで、こんなに軽くて華やかで良いのだろうかと思わないでもないが、ホルンの彩りの良さ、一気に大輪の花が満開になったようだ華やかさには驚かされつつ、シアワセ満喫。あっという間に、コーダで加速されて終わってしまった。谷間を覗き込むような鋭さ、怖さ、厳めしさとは、全く無縁の瑞瑞しい世界のなか。スイスイと進む運命である。


 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
オトマール・スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1981年
Otmar Suitner Sächsische Staatskapelle Berlin (Staatskapelle Berlin)

スウィトナーさんの演奏は、軽やかだが、引き締まった感じのフレージングだ。涼しげな音でシツコクなくさっぱりしている。ガツンっと一発かまそうという意識は希薄で、さらっとしているが、軽やかすぎず丁寧で清潔。オケ全体の響きは、いささか薄い印象を受けるが、低弦の響きやティンパニーは、。引き締まった音だ。間合いをあまり入れず、タメないで行くので、聴いている以上に軽量級に感じてしまうかもしれないが、しなやかな音、ホルンのふわっと感、適度な残響が印象に残る。マイク1本で収録しているのだろうか、ホールの後方で気持ち良く聴いている感じがする。がっつり系の演奏が好きな方には、モノ足らないかもしれないが、暑苦しく、硬いのは苦手という方にはお薦めの演奏だ。第2楽章は、特に美しく、弦と木管のコラボが印象に残る。チェロも木質的だし、フルートの音もシックで落ち着きがある。トータルで響きを存分に楽しむことができる。ここのティンパニーは、力強いが、硬いわけでもドスンっと下に響くのではなく、音が上の方に広がるような感じがする。木管は、裏方に徹して控えめなのがいじらしい。
音が受け渡し場面も、無駄な動きがないというか、素朴だけど、あたりまえのことが、あたりまえにできている安心感がある。ホルンの響きも美しい。第3楽章では、木管や弦の木質感が活かされ、インパクトが強い演奏となっている。コントラバスのリズミカルなフレージングは、すごい。こんなに弾めるのかと驚くほど。ここは、スウィトナー演奏の最大の聴きどころだと思う。第4楽章は、3楽章から続けて演奏されるが、3楽章が低音の蠢く音が、とっても弱音く、耳に定着していただけに、この楽章の入りは、とってもインパクトがある。奥まったところから、どどどどぉ~っと音が津波のように押し寄せてくる。 ラストはみごとに燃えます。ライブ盤だと思うほどオケが燃焼しており、聴いてて燃えちゃいますね。


 ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No.5
シプリアン・カツァリス 1989年 リスト編曲ピアノ版
Cyprien Katsaris

カツァリスさんのリスト編曲ピアノ版での演奏だ。なにせ痛快で、耳タコ状態となっている楽曲、ダダダダーンの運命が、こんなにスピード快速で、軽妙かつ大胆にピアノで弾かれてしまうとは圧巻で、とても新鮮だ。ピアノの多彩さを天才の作曲家と演奏家が合体して作り出した理屈抜きに面白い演奏である。カップリングとして、エロイカ変奏曲も収録されており、ウキウキしながら歌劇を見ているかのような演奏で楽しめるとは思ってもいなかった。
なにげに買ったCDだが、聴き始めた途端、思わずのめり込んでしまった。運命の動機冒頭から迫力もあるし、音の粒立ちの綺麗な演奏で、間合いの取り方も巧く文句のつけようがない。交響曲を10本の指で弾くというリストの考え出した企画(編曲)自体は面白いが、実はあまり期待していなかったのだ。ラヴェルが、ピアノ曲を管弦楽曲にしているのと逆バージョンである。どうせシンフォニーなのだ。オケの方が良いに決まっている。オケに勝るものはないのだし、いかにリストとはいえ、密度を感じられないピアノ曲になっているに違いないだろう~って思っていた。しかし、良い意味で期待を裏切られました。カツァリスさんの超テクピアノは、ホント楽しいです。打ち込みの強さ、柔らかさ、可愛らしさ。旋律の間合いを埋めるかのような左手の動き。
ピアノなので、当然、金管の演奏スタイルとは全く違うので、とても心配したのだが心配は無用でございました。低音の響きを聴いていると、ピアノって弦楽器だっけ。なんてアホな事をのたまってしまう始末。
それに、ベートーヴェンの主題が、よくわかって良いというメリットがある。耳タコができているくせに、近寄りがたいイメージを植え付けてしまいがちな「運命」がノリノリだ。最後4楽章は、とにかく圧巻! 和音が濁らず、迫力のある左手の響きの重厚さ、右手の素早さ。ユーモアが感じられた演奏で、シアワセ感でいっぱいになりました。



ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
1974年 C・クライバー ウィーン・フィル G ★★★★★
1977年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン DS ★★★★
1981年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン De ★★★★
1981年 小澤征爾 ボストン交響楽団 Telarc ★★★★
1985年 ホグウッド エンシェント室内管 OL ★★★
1996年 ティーレマン フィルハーモニア管 G ★★★
2000年 ラトル ウィーン・フィル EMI ★★★★
リスト編曲ピアノ版
1989年 シプリアン・カツァリス Teldec ★★★★★
所有盤は、まだ未整理です。

交響曲第5番ハ短調 作品67は「運命」と呼ばれ、クラシック音楽の中でも最も有名な曲の1つです。ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述すると、「英雄」の完成直後から、交響曲第4番、フィデリオ、Pソナタ23番の「熱情」、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲第4番などを作曲した後に、1808年に田園と一緒に初演されています。交響曲に初めて、ピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンを導入し、「暗から明へ」という構成をとり、激しい葛藤を描いた1楽章から瞑想的な2楽章、3楽章の不気味なスケルツォを経て、4楽章で歓喜が解き放たれるような曲想上の構成をとっています。
第1楽章 ハ短調 2/4拍子 ソナタ形式
「ダダダダーン」という有名な動機に始まり、この動機を元にして第1主題が、ホルンが第2主題の旋律の骨格を運命の動機のリズムで提示することで第1主題部から第2主題部への連結が図られ、運命の動機のリズムが対旋律としてまとわりついていきます。
第2楽章 変イ長調 3/8拍子 変奏曲。
A-B-A'-B-A"-B'-A'"-A""-codaから成る緩徐楽章。第1主題は、ヴィオラとチェロで出る穏健なもので、第2主題は、木管、続いて金管で歌われる力強いものです。
第3楽章 ハ短調 3/4拍子 複合三部形式
チェロとコントラバスによる低音での分散和音のあとに、ホルンによって提示されるスケルツォの主題は、「運命の主題」の冒頭の休符を取り去り、スケルツォの3拍子にうまく当てはめたような形です。チェロとコントラバスが、トリオの主題を提示したあと、他の楽器がそれに重なり、フガートのスタイルをとっています。トリオのあと再びスケルツォに戻り、不気味なコーダから、アタッカで次の楽章に繋がります。ベルリオーズは、この楽章のトリオの部分を「象のダンス」と形容したそうです。
第4楽章 ハ長調 4/4拍子
楽器編成にピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンが加わるため、色彩的な管楽器が増強され、他楽章に比べて響きが非常に華やかになっています。第1主題は、ド・ミ・ソの分散和音をもとに構成されたシンプルなもの、第2主題は、運命の動機を用いたもので、続く小結尾主題は力強いもの。コーダでは加速し「暗から明へ」における「明」の絶頂で華やかに曲を閉じます。詳細は、ウィキペディア(Wikipedia)を参照ください。


 

YouTubeでの視聴


ベートーヴェン 交響曲第5番
Beethoven: Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
Herbert von Karajan カルロス・クライバー ウィーン・フィル
第1楽章 ttps://www.youtube.com/watch?v=yF_2RdOFNv4
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=xY6KgPQrwgo
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=OFVkyoX5uuQ
第4楽章 https://www.youtube.com/watch?v=-u5WiRmLnYQ

Beethoven Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
シュターツカペレ・ドレスデン - トピック ブロムシュテット
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=l6RjIs93Bk4
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=axGPt6yBpYM
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=0aZraZaOtks
第4楽章 https://www.youtube.com/watch?v=DcdqnF4OHmA

Beethoven: Symphony No. 5 in C Minor, Op. 67
小澤征爾 - トピック ボストン交響楽団
第1楽章 https://www.youtube.com/watch?v=A8NB-dBcJyA
第2楽章 https://www.youtube.com/watch?v=1xnn30bY-14
第3楽章 https://www.youtube.com/watch?v=lxwRwcm7OSM
第4楽章 https://www.youtube.com/watch?v=5GPJIKymeLw



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