「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ベートーヴェン 交響曲第7番
Beethoven: Symphony No.7


クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 1955年
Otto Klemperer  Philharmonia Orchestra of London

あちゃ〜

録音状態は良い。テンポは遅めで重厚。重量感たっぷりのベト7番である。
コントラバスの唸る響きに圧倒されて、ノックアウト。

1楽章
クレンペラーだから、もっと重々しい出だしだろうと覚悟していたのだが、まずまず。テンポは普通。
ガシガシガシ・・・とは弾いていない。
でも、冒頭の和音は、もちろん硬め。
「し〜ふぁ〜れ〜そ〜ふぁ〜ど〜ふぁ〜」 弦の上昇は、確かに硬めなのだが、高音域がよく響いているため、さほど重いとは感じない。その後、すぐにフルートの響きが重なっていることから、ホント、想像していたよりは、ちょぴり、しなやかな感じを受ける。
再度、冒頭の「ふぁっ! ふぁふぁふぁっ・・・」
木管の響きがホント気持ちが良い。スマートだ。
フルートの「ふぁふぁ〜 ふぁふぁっ〜」が聞こえてきて付点のリズムが鳴り出すと、弦とフルートの呼応が良い。まろやかに聞こえ出す。「たぁ〜たたっ たぁ〜たたっ」テンポが速くなると思ったのだが、中盤、さほどテンポがあがらない。しかし、中音域の木管類の音色が優しいし、柔らかい。
へえ〜っと感心するほど美しい。
弦もリズムも硬いのだ。硬いのだが、「たぁーらら たーららっ たたたたっ」
ティンパニーの合いの手は硬くて重いが、「たぁ〜」で伸びているヴァイオリンの高音域が美しく、伸びがあるので、大変楽しい調和になっている。
また、「たらん〜たらん〜ふぁらっどっ」と、弦に寄り添う木管が綺麗で、聞き惚れてしまう。
楽章の終盤、「たんたらん たんたらん・・・」と低弦が入ってくると、いっぺんに苦みが増してくるが・・・
木管が埋もれてしまわず、弦に負けじと存在感を出している。
また、木管と弦の絡みのシーンでは、ヴァイオリンが控えめに奏でており、木管がスポットライトを浴びている。これは、ひとときの安らぎを得る。
弦のうねりも迫力があり、金管が入ってきても低弦が相当に唸っている。
ぶっきらぼうに見えて、クレンペラー盤って、いや〜なかなか繊細じゃん。と思ってしまった。

2楽章
「たーたた たーたーたん」
素っ気ないか、無骨だと思っていたが。いやーっ なかなか熱い。テレテレと優美ではない。綺麗さもない。硬いのだ。しかし、じわーっと熱いっ。
「たーたた たーたた たーたた たーたぁ」と、いたって普通に演奏しているのに、弦が歌い出している。
しばらくすると、地熱のようにホコホコしてくる。
「そーそらしーし みみーふぁふぁふぁー ふぁーふぁ そらしー・・・」 このヴァイオリンすごい。
硬めには弾いているのに、荘厳に響く。それに、すげ〜 ドラマチックに演出されていて、すごい盛り上げだ。絶句っ!
堂々としてて重々しいのだ。でも、単に硬い、重いにはなっていない。
高音域のヴァイオリンより、その下の弦の響きに厚みがあり、ところどころ、さっ。と重さが変わるのだ。
きっと、第二かヴィオラの響きに厚みがあって、その重さが変わるのだと思う。
フレーズの重なりが面白く、この変わり身が凄い。
すかさず、さっと波が引いていくように、弱音に戻ったりする。すげっ。
また、弦のピチカートが良く響き、腹に響く。
弦のピチカートと一瞬の和音の響きが、とても豊かに響いており、う〜ん。これはヤラレタ。

3楽章
おもっ と思ってしまうなあ。やっぱ。硬めで、弾んではいるが、小気味よく小股があがったような〜舞曲風にはなっていない。テンポは遅め。
「ららそ ふぁふぁみ れれどし・・・」 う〜 やっぱ重いっ。
これじゃー 踊れない。とブツブツ思ってしまうが、そんなことはおかまいなし。
「たたた たたたた・・・」と一定のリズムは、しっかり刻まれて行く。
はぁ〜 まるで、ノミをふるって、硬い岩盤を削っているみたいだ。
ティンパニーや低弦は硬いが、楽章の木管は、しっかり美しさを保っている。弦が後退すると浮かび上がってきて、ソロのシーンに早変わりしている。 う〜ん。弦も良いが木管が、しっかりしているんだねえ。このオケ。
で、楽章最後の舞曲風フレーズは、まるで、横綱が土俵のまわりで、ドスンドスンと跳ねているみたいだ。げっ やっぱ重厚で相当な迫力あり。ダダダ ダダダダ・・・ 山が崩れそうな怖いっ。
木管の美しさと、弦とティンパニーの逞しいコントラストが、すげ〜 差がありすぎ。

4楽章
はあぁ・・・ おそっい。重いっ。
「チャンチャカ チャカチャカ チャンチャカ れししぃ〜」 弾んで回転するリズムが面白いのに。
なんと〜 クレンペラー盤は、「チャン チャカ チャン チャカ・・・」  テンポが遅めなので、しっかり区切りがついている。
で、コントラバスが、「〜んど〜 〜んど〜」と唸っている。
金管が入ってきても、煽られることなく、テンポは超遅め。
合いの手のチェロやコントラバスが、慌てず騒がす。我関せず的にマイペースな顔をしている。
でも・・・ 辛抱しきれず、走り出しそうなところがあって、ところどころ〜 はやくしてぇ〜とテンポが揺れそうになっている。
でも、テンポは一定に戻るんだよね。(苦笑) 我慢比べだわ。これじゃー。

クレンペラー盤の低弦、特にコントラバスは、ホントすごい。
まるで、船の機関室のエンジン室のような、すごい唸る音を出している。
エンジンモーター音の回転音ようなコントラバスは、狭い部屋で、うんご〜 うんご〜と一定に動いており、周りに反響を及ぼしている。
この音が、相当に重厚だと感じさせるようで、3楽章、4楽章続けて、圧倒されっぱなし。
ただ・・・ ショルティ盤のようなマッチョさはないし、力任せに一本調子で行ききる。というタイプでもなく、かなり計算されて聴かせてもらっている。
このクレンペラー盤、超低音と木管、ヴァイオリンの高音の音色 互いに喧嘩もせず、同居しているというところが・・・ やっぱ凄いんでしょう。 軽めのベートーヴェンが流行るなかで、さすがに重厚感たっぷり。
バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1964年
Leonard Bernstein  New York Philharmonic

なんじゃ こりゃ〜

録音状態は良くない。もし買うのであれば、リマスタリング盤を求めた方がよい。テンポ設定が、ちょっとワタシ的には合わない。なかなか加速しないし、結構、まどろっこしい。

1楽章
テンポはゆったりめ。音が硬く、重々しく演奏してくるのだが、フルートの音色や金管の音色が、イマイチ優美さには欠けている。
果敢に攻めてくる勢いは感じるし、豪快だし、低弦の響きも、さほど悪くないのだが、隙間が空いてしまったような音の響きがする。重々しい感じを振り切るように、弦の切れは良く、バッチリなんだけどなあ〜
とっても熱く、リズミカルに振ってはきているし、跳ねて、跳ねて〜 ワクワクさせられるのだが、どっか、噛み合わないというか、なんだか乗りきれないところがある。
低弦の重くて硬めの響きと、高い弦の旋律、木管の呼び水的なフレーズが、うまくバランスが取れてないのかも。
高めの弦はキレを感じさせ、躍動感を与えようとしているのだろうけど、木管の響きが、どこか痩せて、中心的な役割を担ってない。
この楽章での木管って、結構、魅力的な筈なんだけどなあ〜 役不足なんだろうか。ちょっと、モッタイナイ。サンドウィッチのパン部分が、カサカサに乾いてしまって〜 中の具が、ハム1枚って感じだ。
個々に音は聞こえるんだけどなあ、潤滑油が切れてしまって、分離してしまったような感じ。
あー やっぱり中間の音域が、ゲソゲソに痩せてて、魅力的に響いてきてくれないよぉ〜 勢いは解るんだけどなあ。

2楽章
「ふぁ〜〜」
「どぉ〜 どっど し〜し〜」「そぉ〜そら し〜し〜  そ〜そら み〜みみ ふぁ そ〜そ〜」
弱音で始まる弦の響きが、良く聞こえてくる。
この2楽章の中音域の弦は、しっかり入ってきているし、まろやかに聞こえてくるのだ。乾いてはいるが、しっとりとした艶もあるし、ティンパニーの響きも、バッチリなのだ。木管の響きは、やっぱり、まろやかさには欠けているし、1楽章と同じ響きだねえ。ホルンは、ちょっと遠いけど・・・ 
「ふぁ〜 そふぁ ふぁ〜 らそふぁ ふぁ〜 ふぁみれ ふぁみど しど〜れ〜」
「ふぁ〜 そふぁ ふぁ〜 らそふぁ〜」 まっ、柔らかい音質ではないけど、素朴だし、穏やかさもあるし、ちゃんとオケが噛み合っている感じがする。えーっ 1楽章と2楽章では、なんだか印象が異なるなあ。
どーしてなんだろ。ちょっと驚いてしまった。
この楽章では、木管の音色が、しっかり絡まってきているし、弦と木管の絡みフレーズが、よく分離して聞こえてくるし、あっ 弦が、こうなっているときに、木管は、こんな旋律を吹いているんだなあ〜って、よくわかる。

3楽章
まっ 音の痩せ方は、仕方ないとは思うが、イメージしていたような躍動が無く。えっ。
期待してた熱さ、躍動感が、心持ちノリが悪く、テンポは遅めなのである。あらら〜 重いヤン。
木管の明るい音色が欲しいところなのだが、ここで、くすんでもらうと困るんだよなあ。
ティンパニーが効果的に響いて来ないというか、締まらないというか。
「ふぁ〜み ふぁ〜み ふぁ〜み ふぁ〜」
低い音は、硬めで良いけど、高い音で、しなやかに歌ってくれないと〜 運動機能があがらないよぉ〜
弦のノビは足らないし、カラダが硬く、杓子定規に動いているようで、なんだか、柔軟性に欠けた、お爺ちゃんの膝みたいになっているのだ。 
推進力の欠けた演奏になってて〜 だはっ。これじゃー 鈍い。鈍重だ。
「みぃ〜 れみ みぃ〜 れみっ み〜ふぁ そらそふぁ〜」
「ふぁ〜みふぁ ふぁ〜みふぁ ふぁ〜そ しらふぁみ〜」
全部で奏でる、上記のフレーズのところは、結構良いのだ。ところどころ、楽器によっては、光っている部分が感じられ、おおっ良いヤン。と思うところも、あるし、後半は、尻上がりにテンポアップし、ノリが良くなったように感じられる。

4楽章
あらら〜 また、杓子定規に収まってしまって〜 
3楽章後半で、せっかく、ノリが良くなってきたと思ったのに逆戻りしちゃっている。
これ、スタジオセッションだろうねえ。で、予め、テンポ設定が、しっかり決まってないんじゃーないのかなあ。CDとして通して聞くと、全体的に流れが悪く、鈍重さは否めないし、がっかりしちゃう。
また、この最終楽章は、丁寧に演奏しようとしているのか、ドイツ風に、重々しく演奏しようとしているのか、わかんないが・・・ 回転度数の上がらない重い車輪のようで。聴いてて、まどろっこしさが残る。

最後、帳尻合わせ的に、低弦が、だんだん熱くなって唸ってくるので、これだけ聴いていても面白い。
ホント、最後は熱く鳴ってくるのだが〜 やっぱり、オケ全体で、トータルで、加速してこないと〜
ワタシ的には、もっとギアを速めにチェンジして欲しいかな。
トルクが働かず、なかなか加速して行かないという、もどかしく感じる部分が長いので、聴いてて、ちょっとツライです。リマスタリング盤が出ているのかどうか、調べていないのでわからないが、う〜ん。
せっかく7番を聴いたのになあ〜 ワタシ的には、バーンスタインとベトベン。相性が悪いのかしらん。
意外とマッチせずに、がっかりしちゃいました。
クーベリック ウィーン・フィル 1974年
Rafael Kubelik  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。静寂で透き通るような演奏。
分売されており、コンセルトヘボウを振った2番がカップリングされている盤もある。

1楽章
9つのオケと録音した全集の1枚で、7番のオケはウィーン・フィル。
他に70年にバイエルン放送交響楽団と録音した盤があるらしいが、それは未聴である。
テンポは遅め。最初の「ぱ〜ん」の余韻のなかで、木管が静かに吹かれている。
弦は、パパパパパパ・・・と、力強いのだが、小柄な雰囲気。テンポは遅めで揺らさず、幾分小粒に感じてしまう。小粒だが歯ごたえはあるのだが、やっぱ小粒だろうか。
音色は、ウィーン・フィルというイメージからはほど遠い。う〜ん。言われなければ、わからないと思う。
和音は、重々しい和音という重厚さはなく、木管の音色の艶も落としているようだ。
でも、録音が良いためか、透き通っているし、音符を噛みしめているような雰囲気はする。
端麗で辛口系統。余分なモノを、そぎ落としたすっきり端正で、スマートで、澄み切った空気感がある。
かといって、隙間だらけでもなく、密度はそこそこ高い。
ぱ〜ん。ぱ〜んと、音階があがるところの最後なんて、シャボン玉が弾けて消えるような雰囲気がすることは確かだし、フルートの音色なんぞ、はかなげな感じがするほどなのだが、なんだかちょっと他と違う。
弦の厚みは、あまり感じないし、伸びやかさに欠けているかもしれない。
静かに瞑想するような気配があるのだが、抑制が効きすぎたのか、勢いがそがれているような気がする。

2楽章
冒頭から、消え入りそうな音で、緊張感が漂っている。ほとんど聞こえないほどで〜 こりゃ困ったなあ。と思ったのだが、そのうち、厳かで、あたりの空気を払うほどの緊張感が生まれ、げっ。
襟を正す。重々しい感じはしないのだが、張りつめた感じがする。
まるで宗教音楽のような雰囲気がある。レクイエムのような感じがするので、驚いた。
中間部は、ほっとする暖かさを感じた。木管が天使の羽根のようだ。降りてくるフレーズでは、珍しく弦の生き生きとした艶を感じる。

3楽章
小気味よく歯切れのある楽章になっているが、小粒系統で、弾んだ感じはしない。
可愛い粒の塊のような感じはするし、コロコロしているのだが、ちょっと下品に振る舞う盤もあるのだが。
う〜ん。クーベリック盤は、粒が揃ってて、ちょっと控えめに輝いている。

4楽章
この楽章は、私的には自分の尻尾を追いかけ回す犬をイメージしてしまうのだが・・・
クーベリック盤は、ウィンナーワルツのような上品な味わいである。
レガートが効いてて、色っぽいし、軽やかさもある。
木管がよく聞こえてくるし、ホルンはもちろん音色は良いし、中間音域がよく響いている。
この最終楽章を、酒に酔ったおっさんが踊ったようなディオニソス風の7番をイメージしてしまうと。
ちょっと、ツライ。これじゃ〜盛り上がらないっ!と怒る人もいるだろうなあ。
でもねえ。やっぱ、どこか盛り上がらない中途半端な感じがするのも事実で、抑制が効いて、効きすぎたかもしれない。音色の艶消しを施されているような。
抑制の効いた7番で、この7番で熱くなれないとは、ちょっと珍しいかも。

クーベリックのベートーヴェン全集は、下記のオケで構成されている。
第1番 ロンドン交響楽団
第2番 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
第3番 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
第4番 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
第5番 ボストン交響楽団
第6番 パリ管弦楽団
第7番 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
第8番 クリーヴランド管弦楽団
第9番 バイエルン放送交響楽団
ケンペ ミュンヘン・フィル 1971年
Rudolf Kempe  Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

もえてるぅ〜

録音は良い。原盤はEMIだが、廃盤状態であり、全集は「Disky」より出ている。1楽章は超スローだが、最終楽章に火柱が立つ。
これは強烈っ。

1楽章
冒頭、明るい音色で「し〜」っと出てきたが、「しぃぃ〜ぃ〜 ふぁ〜ぁ〜 れ〜そ〜ふぁぁ〜 どふぁ〜」
楽器の音色の余韻が、ものすごく続く。
えっ メチャメチャ・・・遅い。まず、のけぞるほど驚いた。
この後、金管がティンパニーを伴って「ら〜ふぁ〜れ〜そ〜 ふぁ〜ど〜ふぁ〜ら〜」と吹いていくのだが、その前で、「しどれみふぁそらし・・・」と弦の上昇がある。
これが、また相当にテンポが遅いっ。
げっ! この長い階段が、何度か繰り返されるのだが、永遠に続くかと思うほど、ガシガシガシ・・・ と演奏し続けるのだ。それもテンポを変えず。
この間3分25秒。フルートの音色に変わって、心底、ほっとする。
はあ。なんぼど長いんやろ。この階段っ。しかし、息が詰まるかと思ったら、そうでもないんだよねえ。なんでかなあ。アバド盤のようなふわふわ感なんぞ、カケラもないのだが、伸びが良いことと、ほどよく余韻があるため、息苦しいわけではない。頃合いの緊張かなあ。それでも、やっぱ長いわ。
で、フルートの「ぱぱ〜 ぱぱ〜っ」が聞こえてきて、5分10秒頃から、ようやく、いつものフレーズになる。
「ふぁ〜みれ み〜らし どっど どれれれど〜」ようやく、付点音符が刻まれていく。
「らしどれみ〜 ふぁーみれみー そら しーししどれど〜」 明るいっ。
たたたた・・・「ふぁみれどっ!」と歯切れが良い。テンポも通常レベルに戻っている。(大笑)
「たんたらん たんたらん・・・」と、気持ちよい付点がついているので、とっても滑らか。

低弦の音もよく聞こえるが、ゴリゴリ、ゴシゴシ感はない。総体的には明るい伸びやかな音色で、特に、金管の音色が良いようだ。楽章の終盤は、コントラバスがかなり鳴っているが、明晰さには欠ける。それより、金管の「ぱららら〜」が、とても印象的に鳴る。
それにしても、どーして、この冒頭あんなに遅くしたんでしょうねえ。
推進力はあるし、のびやかさを感じるし、良いんだよねえ。
あの冒頭さえ、あんな超スローでなきゃーねえ。あの遅さは、すごい突飛だわ。やっぱ・・・。

2楽章
「ふぁ〜ふぁふぁ ふぁ〜ふぁふぁ ふぁふぁー」「そそらしーし みみみふぁ」
弱音ではあるが、芯のあるしっかりした音が鳴っている。
ふわふわ〜なんぞしておらず、弱い音ではあるが、アクセントがしっかりついている。
「そーそそ しーしー」では、後の音にアクセントがあるが、フレーズによって、楽器によって、重さを前に持ってきたり、後ろに持ってきたり、頻繁に変えているようだ。
決して、豊穣たっぷりの音じゃない。むしろ、ひらっぺったい感じがするのに、なかなか良いんだよねえ。
音の波が平板化してたら、きっと、う〜ん。と唸っていたと思うんだが。結構、膨らみがある。
あるっていうより、膨らませているように思う。これ、難しいと思うなあーっ。ビブラートがかかっているわけじゃーないんだよ。

3楽章
この楽章は、速いっ。速いって言っても、他の盤に比べたら普通だと思うのだが・・・。
「そそふぁ みみれ どどしら〜 ららそ ふぁふぁみ れれどし・・・」
テンポを几帳面に刻んでいく。木管の音色が透明で可愛い。
そして、弦の「たたた たー たたた たー」の語尾にアクセントがあって、振り子のようにリズミカルに動いている。
木管が、弦の軽やかな持続音の上に「みーれみ みーれみ みーふぁそらそふぁ」と吹いている。
ケンペ盤では、木管は細めで可愛い音なのだが、幾分ひらべったい感じ。重低音は、ちょっとボリュームが弱め。ティンパニーが入ってカバーされているので、まずまずの音量を確保している。
いずれにしても、テンポは遅めだが、アクセントがあるためリズミカル。

4楽章
「たた〜たららら たた〜たららら たた〜たららら らししー」
ティンパニーの打ち込みは、さほど激しくはないが、コントラバスの音色がかなり入っていて、重々しく響く。
しかし、弦に艶があることと、弦の伸びやかさがあるため、重い〜というだけにはなっていない。
で、途中でテンポをあげる。
ケンペ盤は、この楽章は、力強いというより、なめらかに、たたた〜 ららら〜 の最後にアクセントを強く持ってきて、振り子状態に仕上げている。
まあ、誰でも、そうやって振っていると思うのだが、メリハリが良い。地味だが流麗になっている。
弦の刻みの繰り返しで、少し熱くなっている。で、金管が入ってきたところから、ぐるぐる〜っ 回転がアップしてくる。ちょっと平凡だなぁ〜と、なめていたら、最後、超重低音がド迫力で迫ってきた。
まず、木管の合いの手が入ったところで、ヒートアップし、テンポがあがる。で、コントラバスが小刻みに刻み始めたところで、更にヒートアップ。
いったん静まるのだが、「しーふぁ しーふぁ」と、金管が咆吼したのを合図に、回転度数が更にあがって、コントラバスが、「どーふぁ どーふぁ」と、巨大な鞴を吹き始める。
それ以降、どーっ どーっ ぐわーっ バーン バーン。
最後には、まるで、火柱が立ち上ったようになってしまった。はあ〜 すげっ。ひぇ〜っ。こわっ。

う〜ん。ケンペ盤は、中間楽章は穏やかで甘美でさえあるが、1楽章は、すこぶる遅く、最終楽章の最後は盛り上げ方が尋常ではない。
コントラバスの音が、まるで鍛冶場の大きな鞴(ふいご)のように動き、風を送りつける。それまで、燃え上がる火種はあったのだが、目にはとまらず、形になっては、いこっていなかったのだ。一気に、このコントラバスの巨大な音量で、火柱があがった。
う〜ん。熱き思いは、やっぱ隠れていたらしい。凄い演奏だっ。恐れおののく。
ベーム ウィーン・フィル 1972年
Karl Böhm  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

 ねむうぅ・・・


録音状態は良いが、あまりにもソフトで、綺麗すぎて〜優美。ちょっと、緩いかなあ。リズム感としては、今聴くには、インパクト少なすぎかなと思う。
ベートーヴェン交響曲全集の1枚。
1楽章
聴いてまず最初に感じたのは、確かに綺麗な音なのだが、イマイチ、ワタシのテンポに合わず遅いなあ〜と思ってしまったこと。だろうか。
でも、テンポに馴れてしまうと、おおっ やっぱ綺麗だっ。と、思いなおしてしまった。
なんていうか、最近のベートーヴェンの演奏ってピリオドが流行っていたこともあって、どっか、あっさりしてて〜 スッキリしている。
端正といえば端正なのだが、素っ気ないと言えば、すこぶる素っ気ない。
木で鼻を括ったような演奏だな〜と思うこともあって、なーんとも言えない変な気分になることもある。
しかし、ベーム盤は、コクがあるというか、しっとりしているというか、ふんわりとした雰囲気を持っていてクラシカルだ。
熱ぽっく情熱的に演奏しているわけでもなし、明晰でもなし、ガツンとかますタイプでもないし、深みが足らないって言えば、深く、ないよなあ。かといって、中庸ってワケでもないし凡庸でもない。
上品だよなあ〜と思いつつ、素朴って言えば素朴だしなあ。難しいなあ〜 意思の強さとか、迫力が有るわけでもないし、訴えてくる力強さも、う〜ン。他盤と比べてしまうと、あまり感じないのだ。
まあ。なんとも表現が難しいのだが、安定感があるというか、安心できるというか〜 
良く聴かないと、地味な演奏でもあるんだけど、洗練はされているし〜 木訥としてても、なんか、ふんわか〜 なんでも相談できるようなオジチャン上司のような感じである。
でも・・・ なんか違う。違うような気がする。。。

2楽章
う〜ん。柔らかい。ちょっとヤワすぎるんじゃないだろうか。
やっぱ。弦が柔らかいのだ。
総体的には、荘厳でもないし、悲痛でもない、重々しい演奏ではない。
フレーズは長めで、てれ〜っとしている感じにも思うが、執拗さは少ないさっぱりしており、呼吸が浅めで、どうも深刻にならず、さらり〜っとかわされてしまった感じがする。
で、葬送な楽章だと思って聴くと、う〜ん。肩すかし気味に感じてしまうかも。
これでは、こりゃ なんじゃーっ。と、怒ってしまうかもしれないねえ。
あまりにも綺麗すぎて〜表面的ではないのか。(いやいや、表面的というほど磨きはないし)
この楽章の意味あいが薄れてしまって、あれれ〜
全く違うアプローチで、演奏してます。ワタシは、カクカクシカジカ・・・と、論じているようにも思えないしなあ。どう考えたらよいのでしょ、、、ワカラン。

3楽章
う〜 ヤワ。ヤワすぎ〜 弦が浅くて、浅すぎ〜
低弦の音が拾えてないのか、音のバランスが悪いのか、なーんか、プワプワしてて〜 ティンパニーの音も、しっかりアクセントになってない。
遠くで、パコパコと鳴っているような感じがする。
弱音で鳴ってますという感じではないし、切れがイマイチ、舞曲風ではあるが可愛すぎる。
ショルティ盤やクレンペラー盤を聴いた後に聴いちゃうと、はあ? スカみたい。と思っちゃうでしょうねえ。
なんか、全体的に柔らかすぎて〜 やっぱ、綺麗だとは思うけれど、なんか、もう少し芯になる音が欲しいような気がする。
表面柔らかだけど芯がある〜か、中は柔らかくジューシーだけど、表面パリっ。
いやいや、そんな贅沢は言いませんけど〜 いくら上品さが良いね〜とは言っても、ちょっとソフトすぎるかなあ。まあ最後の方になると、ティンパニーが、よいブレンドになって入っているんだけど。

4楽章
う〜ん。ふんわりしたスカート女性が、舞っているかのような。なんて上品な演奏なんだろう。
「たた〜たららら たた〜たららら たた〜たららら らししー」
低弦の響きが、ゴツゴツしたところがなく、いたって滑らかで、滑らかすぎるほど〜で。
アクセントがあまりついてないし、メリハリには欠けているけれど、流麗で〜 はぁ。
ぐるぐると回ってくる回転率は高くなく、小節が入っているわけでもなく、迫力が増すわけでもなく・・・。
いやいや、これほど、滑らかでよいのやら。さっぱり解らなくなってしまった。
弦、チャチャチャ、、、チャチャチャ、、、ふわっ。ふわぁ〜っ。
ドンドン バンバン、ジャンジャン、、、とは、鳴らないですねえ。
金管も鳴っているだけど、豪快でもなく、綺麗だ。綺麗すぎるっ。

総体的に柔らか。それしか言えない。・・・という情けない感想です。
最後は、テンポあっぷしてくれて、それなりに大円団にはなってるんですけどね。最後、バンっと一発かましてくれたら、まあ。納得したんですけど。いやいや、そんな余計なことしてません。蛇足無し。
するり〜っと、客観的で美しい演奏かなあ。って思います。
でも、今聴くには、インパクトが無さ過ぎだと言われちゃうでしょうねえ。スミマセン。強烈な個性を持った盤を聴くと、正反対に個性なさすぎ〜というか、綺麗すぎ〜と言われちゃうかもしれません。
決して眠いわけじゃーないし、緩いわけでもないとも思うんですけど、インパクトが少ないです。
バーンスタイン ウィーン・フィル 1978年
Leonard Bernstein  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は、あまり良くない。音が割れているようなバランスの悪い感じがするし、演奏は熱っぽいのだが、ワタシ的には粗い気がする。
ライブ盤 ベートーヴェン交響曲全集の1枚。

1楽章
重々しい出だしだが、テンポは普通だった。ちょっと遅いだろうな〜と予測していたのだが、そのうちテンポが速くなってきて、金管が少し割れた音で、力強く吹かれ、フルートも強い。ぴひゅ〜っ。
ひえ〜っ。これウィーン・フィルなの? うっそー?
のっけからテンションが高く、熱情的で、ぐいぐい〜 リズミカルで熱っぽい。
おお〜っ 最初から、ハイテンションだ。このテンポでいくのぉ〜 と圧倒される。
結局は、最初から最後まで。。。はやっ! なのだ。 
フルートの吹き方が、最初から、ちょっと耳障りで最後まで気になってしまう。
恐れ多くもウィーン・フィルなので、めったなことで下手とは言えないが、でも、やっぱり言ってしまおう。
青い。若いっ。へたっ(笑)
演奏自体、ライブだろうと思うのだが、自由闊達というか。熱っぽいし、やっぱ揃っていない。
同じウィーン・フィルを振った、杓子定規な74年録音のクーベリック盤があるが、これとは大違い。
アンサンブルが下手とは言いづらいが、まあ。少なくとも丁寧な演奏とは言い難い。
速いのだが、強引にでも、みんなをひっぱる〜という意思力はあまり感じないので、最後まで乗れない。

2楽章
この楽章をどのように解釈しているのか、ちょっとわからないのだが、葬送音楽的に思っているであろうクーベリック盤とは、かなり趣を異にしている。
ちょっとうつむきがちには歩いている感じはするが、青春の青臭さを残しているようで、自由きまま状態で、放任されているようだ。この演奏には、没入する気持ちにはちょっとならない。
音自体は豊かだと思うしパワフルなのだが、コテコテな感情移入をしているわけでもなさそうだし、この演奏が濃密かと言われたら、う〜ん。これは薄いと感じる。流れている感じがするのだ。

3楽章
冒頭より、はやっ! なに、これ〜っというほど速い。1楽章のハイテンションから、ずーっと〜
なにやら、せっつかれているかのようで、駆け足で通り過ぎていく。メチャ速い。
さらさら〜っ 行き過ぎで、止まらない。
ぼやいていたら・・・ 途中、テンポがぐっと落ちて、金管がストレートに鳴ってくる。
ホルンと木管のセッションも、う〜ん。丁寧な演奏を聴き慣れていると、相当荒っぽいと感じてしまう。
ウィーン・フィルって、こんなに荒っぽい演奏してたの? 

4楽章
崩壊しそうなほどの荒っぽい演奏で、驚いた。こりゃ〜ひどい。勢いだけで演奏されているようで、ティンパニーの響きも、弦の響きも良くない。金管の音も割れているし粗い。
音が、全て投げ捨てられているように、聞こえてしまう。
メリハリがなくて、音の響きが濁っているし、熱ぽいさに、ほだされる気にならなくもないのだが、独りよがり的に聞こえるし、う〜ん。なんじゃこれ。
雑い。何度か繰り返し聞いてみたが、やっぱ雑い。としか言いようがない。張りつめた感じがしないで、モノ足らないし、これでは、何度も繰り返す気にはならない。ごめんなさい。
プレヴィン ロイヤル・フィル 1987年
Andre Previn  Royal Philharmonic Orchestra

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。伸びやかでリズミカル。聴きやすく瑞々しいってことで、拍手っ。という感じ。専門的に聴いている人に、バカにされそうだけど・・・。
でも好きなモノは好き。
カップリング:ベートーヴェン交響曲第7番(87年)、8番(89年)、エグモント序曲

1楽章
冒頭、明るい音色の和音で始まる。硬い和音の盤もあるが、このプレヴィン盤は、柔らかい。
お尻がちょっと長めというか、伸びやかな演奏である。 テンポと音の伸びが、ガチガチに硬くもなく、ゆるぎず。
いや、実のところ、ちょっと緩めかな〜っと感じなくもないのだが、ティンパニーの叩く音と共に低弦が奏でるところは、そこそこ力が出てくるし、木管が合わさってくると、オケの色に艶が出てくる。
ふわ〜っとした、木管の音色が良いんだと思う。女性が吹いているのかなあ。 少女のような可愛いいフレーズに伸びがあるし、ホルンの音色も軽やかで、ホント暖かい春風の香りが漂ってくるようだ。これは、なんとも心地良い。
プレヴィン盤は、穏やかで、適度にゆるやかな音の膨らみと、まろやかさを持っており、弾力性、柔軟性と曲線美がある。
ホント、しなやかなベト7である。

また、ヴァイオリンと中音域の弦の響きが良い。中間層の音に厚みがあるので、中抜けした締まりのない演奏には、決してなっていない。 失礼ながら、あまり期待せずに聴き始めたのだが、う〜ん。なかなかの良い演奏だ。低弦が唸ってくるところは、ゴリゴリ感もあってなかなか歯ごたえもあるし、押し出しも力強い。矛盾した要素を抱えつつ、なかなかに整理されており、こりゃ良い演奏だな〜っと思った。

2楽章
かなりの弱音で始まる。聞き取れない。と文句を言いかけたのだが、ティンパニーが締めている。
悲しみのレクイエム的だが、さほど緊張感はない。
透明度の高い、澄み切った録音ではないので、ちょっと残念なのだが、その分、暖かみが感じられる。

3楽章
ノリの良いベートーヴェンという感じで、これはリズミカルで瑞々しい。
音の強弱のつけかたも絶妙だし、歌うような雰囲気を持ちつつ、低音の響きも充分にあって柔らかい。
ひや〜っ。これええでー。間の取り方も充分で、オーボエとホルンとの響きも、まろやかに呼応している。
バランス感覚が良いのかしらん。音符がピチピチしている。活きの良いサカナちゃん。という感じ。

4楽章
いや〜っ これも良い。4楽章ののっけから、音は重厚だしリズムは良いし。
すごいバランス感覚で脱帽してしまった。 ノリノリになってくるベト7で、偏屈なお堅い方には、お薦めできないかもしれないが、普通の方には、絶対お薦め盤である。この楽章だけでも、充分に満足感あり。
決して軽薄ではないし、かといって、眉にしわを寄せて、難しく聴くというベト7ではない。 音色はウィーン・フィルに負けないぐらいの艶があり、木管と中音域の音色が特によい聞こえている。 弦の歯切れも良く、小股が切れ上がっているし、充分な伸びもあって〜 これにはヤラレタ。 メッチャ 楽しい。

チャンチャカ チャカチャカ チャンチャカ れししぃ〜
チャンチャカ チャカチャカ チャンチャカ チャンチャカチャンっ! 

特に、上記の踊るようなフレーズは、外に向かって渦が巻いているような、遠心力を感じるような・・・ 段々と膨らんで、弾けていくようなパワーを感じる。 繰り返すリズムのパワーは、このプレヴィン盤は、最高に伸びやかに、楽しく聴かせてくれる。こりゃスゴイ。 シャープさもあって、こりゃ〜いいわ。良い。すごっ 絶品!
ヴァイオリンとヴィオラの音色が良いんだと思う。弦の音色がよく聞こえるし、リズミカルなのだが、あくまでも上品だし、良い香りが漂ってくる。風香るというか、薫風という言葉がふさわしいというか・・・
ちょっと俗っぽいが、花びらが舞っているような雰囲気さえある。

ブロムシュテット盤と、よく似た雰囲気がする。もちろん、オケが違うので音色も違うが・・・。
シュターツカペレ・ドレスデンは、枯れた木質の音色がするが、このプレヴィン盤のロイヤル・フィルは、とても瑞々しくって、切れば水が迸って飛び出してくるような感じがする。 最終コーダに至っては、熱情的だが、狂った狂気的な踊りではなく、あくまでしなやかな美少女が、春風に乗って若々しく舞っているという感じ。
低弦のオスティナートも圧巻だし、ティンパニーもスゴイ。
このプレヴィン盤は、そうそう取り上げられる盤ではないし、穴馬的な存在だが、これは良いっ!
意外や意外・・・おみごと! 拍手っ。(きっと、私のように素人受けする演奏なんだろうなあ。)
アバド ウィーン・フィル 1987年
Claudio Abbado  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

う〜ん。どうだろ

録音状態は良い。ウィーン・フィルのエレガントな演奏で、すこぶる華麗で軽い。
ちょっと雅びすぎて〜へっ? なんか違うんじゃーないのかなあ。と思うほど違和感があるんです。ちょっと、ベートーヴェンっぽくないんだけど・・・。困ったなあ。

1楽章
冒頭こそ、全員で強く出てくるものの、その後「し〜っ ふぁ〜 れぇ〜っ」と、ふわ〜っと出てくる。
「し〜ふぁ〜れふぁ〜」何度もここだけ聴いても、天女の羽衣みたいで、柔軟で弾力性が高い。
その後も、のびやかに旋律をのぼりっていく。低弦もしなやかで、ゴリゴリしていない。
はあ〜 なんとも軽やかにステップを踏んでいくのだろうと、まず驚かされる。
フルートの木管が軽やかに耳に届く。ヴァイオリンの高音が良く聞こえる。録音のせいかもしれないが、幾分、高音域が勝って聞こえてくるようだ。余韻が、ちょっと多めで、透明度の高いクリアーとは言い難いように思う。でも、これが良いのか、羽衣風に、ふわふわした感じが漂ってくる。
序奏の後、付点音符が刻まれていくが、「ふぁ〜みれ み〜ら どっどどれみ みれ〜」
この付点が重くなっていない。う〜ん。重い振り子状態のリズムも好きなのだが、、、
「どっどー しら〜 ふぁらっどっ どどらふぁ」
コントラバスが入ってくると、ゴリゴリ感がでてくるものの、全体的に硬いイメージが無いので、腰砕け風に聞こえてしまう。う〜ん。あまり明瞭に構築されていないようで、音が、混濁しちゃっているかなあ。
低弦に、もう少し迫力があり、伸びてきても良いような気がするんだが。聞こえてはくるんだが、圧倒的に迫ってくるモノが少ないんで・・・。う〜ん。
アバド盤は、全体的に、優しい、のびやかな、歌いまわしという感じで、決して筋肉質なマッチョ系ではない。なめらかに流れていくんだが、タメがちょぴっと、私的には足らないような感じがする。
もう少し中音域の音がボリューム感があれば、いいんだけど。その点、ちょっと残念。

2楽章
「たーたた たーたーたん」
聴かせてはくれるが、う〜ん。ちょっと柔らかすぎかな。優美でこのうえなく綺麗なのだが、なんだか、ちょっぴり表面的に感じてしまった。もう少し内省的な感じがあれば良かったんだが。
弦が揃って階段を下りてくるところも、すごく優雅だ。するする〜っと階段をおりてくる。エレガントだ。
深刻さが欠如していると感じるのは、弦の柔らかさだと思うし、リズムを刻むところが、少ないからかも。
低弦が、もう少し重みを持って活躍してくれたらなあ〜 
「そーそらしーし みみーふぁふぁふぁー ふぁーふぁ そらしー・・・」 
エレガントすぎるのが玉に瑕というのも、う〜ん。申し訳ないようなコメントだ。

3楽章
アバド盤の優美さは、この楽章に生きていると思う。「ぱーららら ぱーららら〜」と軽快で活気にあふれている。溜息が出そうなほど・・・ エレガント。
スケルツォなのだが、まるでウィンナーワルツのように聞こえてくる。(違うことは、承知のうえだが)
音量の強弱は、ついているが、まるで歌声だなあ。
「みーれみ みーれみ みーふぁそらそふぁ」 女性の溜息のように聞こえてくるフレーズ。
恋の語らいのようにオーボエが歌う。
トリオのコントラバスとチェロは、そこそこ力強いが、深刻にならず甘い雰囲気が漂う。

4楽章
「たた〜たららら たた〜たららら たた〜たららら らししー」
アバド盤は、この「らしし〜」の「し〜」が、かなり長い。尻尾が長いのだ。
これが回転軸のようになっていて、これが優雅さの秘訣となっているように思う。まるで、足のすら〜っと長い、長髪の西洋犬の尻尾をイメージする。
弦の艶があることや、ふわふわリズムを刻むところなんぞ、ウィーン・フィルの良さというか。
これが短所にもなりかねないんだが・・・ 最終楽章は、エキサイトしている。
え〜 低弦にパワーがある。底力がある。今まで温存してきたんじゃーないの?と、びっくりしちゃうほどに、熱を帯びてゴリゴリ弾いている。
最後、ティンパニーの連打が絡んでくるところは、ますます、テンションがあがってくる。
すげ〜っ。速いっ。ティンパニーの連打の強烈な響き・・・ 柔らかいのだが、鬼のようだ。
決して品が無くなるわけでもなく、低弦がうねるなか、金管まろやかさを失わず・・・
3楽章から、最終楽章までは、かなり優雅だった。
しかし、これはアバド盤というより、ウィーン・フィルの優美さで持った盤という気がする。
人によって、好みがわかれるだろう〜と思う。
  ショルティ シカゴ交響楽団 1988年
Georg Solti  Chicago Symphony Orchestra

殴られた気分だ

録音状態は良い。重低音の凄い、ガシガシした演奏で圧倒される。70年代にも同じシカゴ響で録音している。 歯ごたえタップリ。こうでなくちゃ〜とも思うけど。でも、最後は厳しい拷問を受けた感じになってしまって・・・。ワタシ的には、ちょっとマッチョ過ぎて、ボコボコにされる。まあ、気持ちが良いという方もいるとは思うけど。(笑)ベートーヴェン交響曲全集 全集としては2回目の全集で、1986年〜90年のデジタル録音である。1972年〜74年にも、シカゴ交響楽団を振った第1回目の全集録音がある。ジャケット写真が変更になっている場合もあるので、気をつけてください。(あっ、50年代にも、ロンドン・フィル等と録音しているのですが、全集にはなっていないと思います。)

1楽章
冒頭、ば〜ん! ぼけ〜っとしていると、ゴツイ音で一発かまされる。
オーボエのソロの余韻は残るが、なんともゴツゴツした冒頭で、重低音で始まる。
長い上昇音階で、音がのぼっていくところも、1歩1歩足下を確かめてのぼっているようで、コントラバスの音がすごく入っている。
ティンパニーの音も、硬く響いて、ガツンと一発という感じ。まるで、岩を削っているような感じを受ける。
ひえ〜っ こんなゴツゴツ突き立てていくような音は初めてのような気がする。
ヴァイオリンの旋律が美しく流れてくるところも、ゴリゴリ。まるで、しこりが固まっているようだ。ぐりぐり・・・。
ぱぱぱ〜っ 鳥の鳴き声のように呼応するところは、さすがに可愛い。
フルートは、可愛い声で鳴いているというのに、低音は、すごくドスのきいた呼応しているのだ。
はあ〜 なんとも両極端で・・・ イカツイおっさんと、可愛い小鳥という構図である。

で、ショルティ盤は、強烈なアクセントがつきまとう。シコを踏んでいるようで思わず笑いそうになるのだが、全編、緊張感が漂っているので、大声では笑えない。
とにかく、低音のリズムが凄い。
コントラバスって凄い音がなるんだ・・・と呆然としつつ、これが快感になりそうで〜 やっぱり笑えてしまう。
これだけ、ドスンドスンと鳴ってくると、低音に引っ張られて重しを付けられているような気分になる。
ただ、軽快感もあって、スピーディなのだ。キビキビしているので、引きずった感じはしないし、動きが俊敏で、野性感たっぷり〜 切り返しが速いというか。 とにかく、この運動量には圧倒されっぱなし。
時代がかった感じがしないでもないが、嫌悪感は感じない。
アバド・VPO盤のように、しなやかではない。天女の羽衣を纏うどころか、ショルティ盤には、チャンピオンベルトが相応しい。
しかし、良く動くコントラバスだ。すげ〜よなあ。これだけ運動量が多いと 、へばると思うが、普通のフレーズより、低音の動きの方が気になってしまって〜 非常に個性的な演奏になっている。
でも、木管も美しいんだよねえ。このゴリゴリのなかから、まるで、ぴよぴよ〜と、生まれたての「ひよこ」が泣いているようで、いとおしくなってしまうのも、これ事実 ・・・。
最後の低音のうねりなんぞ、 地中に出来た大きな渦巻きのようで、それを覗いているかのようだ。怖い。とにかく、キビキビした運動で、汗が、ほとばしっている演奏である。

2楽章
重々しい楽章 葬送行進曲だと思うが、意外とテンポは速め。
冒頭の音量は大きく淡々と進む。ねちっこくやらないし、宗教的でもない。1楽章と同様、音が厚みがあり重層的なので、熱い。繰り返したところでは、音量を幾分落としている。
最初から、聞こえないような盤も多いのだが、意外だ。
膨らんでくるところは、元気で生き返っている。もちろん重低音である。
しっかりした粘り腰だが、フレーズによって音の強弱がはっきりしている。
弱音部分にも緊張感があるが、大きく鳴ってくるところは、う〜ん。なんともガシガシ・・・ガチガチ。
岩山から転落しないように、しがみついていないとイケナイ・・・というような緊張感がある。

3楽章
この楽章を、ショルティは、どう振るのだろうと興味津々だったが、意外とテンポが良く演奏している。
オーボエなどの木管が活躍しているので、そこにふわっと乗っている感じがするが、どうしてもお尻が重く、まるで図体のデカイ恐竜のように感じてしまった。
フルートとオーボエかな。のセッションは、可愛いというより、フレーズの膨らみが足らないようで、ちょっと、素っ気なく感じてしまったのだが。
「ぱーららら ぱーららら〜」繊細じゃないんだよねえ。やっぱ。なんとも無骨一辺倒で、愛想のないこと このうえないのだが、運動体として見ると、やっぱ軽快なんだろう。
振り子状になっている「たぁ〜ららら たぁ〜ららら」というフレーズは、やっぱ相当に重い。
振り子が振りきって、飛んでいってしまうような心配は必要ないが、相当に重い。
ぱーらら ぱーらら の木管は、素っ気ないんで、これが私的には傷だなあ。可愛くないじゃん。
ファゴットのフレーズも速いっ。うわ〜もったいない。豪快に鳴っているのだが、やっぱ繊細さも欲しい。
なーんて大変欲張りなのである。

4楽章
うわ〜っ。まるで、絨毯を振り回しているようで、ごつい。
この回転台に乗ると、どうなるんだろう。と怖い感じがする。
残響は幾分多め。意外なほど響いているのだが、重低音で濁らないのは凄い。これだけ低音なのに、ふわ〜っと響いてるんだから。すごい録音だと思う。
特に、ティンパニーが柔らかいので、ロールの響きがすごい広がってくる。
高音域に艶がないのが残念だが、これだけメリハリがあると、完全脱帽である。最後の方は、テンポをあげてくるのだが、ガッシリした構成は微動だにしない。
もちっと、しなやかでも良いのだが、まあ。両方と言うわけにはいかないか。
フレーズの伸びが少なく、しなやかではないので、その内飽きてくるというのが正直なところ。ティンパニーの響きとコントラバスの重低音で、最後になると、耳がちょっと キツクなる。
くらくらしてしまって船酔い気分となり、聴いた後の爽快さは、少ないかもしれない。

しかし、まったく違う次元の世界で、確固たる存在感を示す演奏である。
闇の地下世界のカオス状態で、大きな渦巻きが見え、そこで拷問を受けているような気持ち・・・かも。
それにしても、ショルティ盤は、迫力満点である。ちょっと、マゾ的だけどねっ。
チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1989年
Sergiu Celibidach  Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

はぁ?

録音状態は、まずまず。ライブ盤拍手入り。凄い演奏だとは思うのだが、途中で体力・気力がもたない。何度も、へばってしまった。
カップリング:ベートーヴェン 交響曲第7番、8番

1楽章
冒頭の「しぃ〜ふぁ〜れ〜そ〜ふぁ〜」のフレーズは、テンポは遅いが、他の盤と比べても、遜色なし。
その後、「しどれみふぁそらし・・・」と弦が階段をのぼっていくのだが、穏やかな音色で、ゆっくりとのぼっていく。ここには、全くといってよいほどゴリゴリ感がない。
なんとも、空中に浮かんでいるかのような、浮遊感さえ漂う。
はあ? 嘘でしょ。ベートーヴェンで浮遊感だってぇ。
いや、嘘ではない。ホントなのだ。意外や意外っ。人の心理の裏をかくような感じ。で、その後、消えるかのような弱音で、ゆったりと奏でられていく。パ〜ン。という派手な金管やティンパニーのアクセントもない。
低弦だって柔らかいし・・・。
ウッソーっ! と叫びたい気分だ。
この柔らかさのうえに、さらに、フルートの「ぱぱ〜 ぱぱ〜っ」が聞こえてくるっていうんだから、半端ではない。完全に裏切られた心境っていうか。裏をかかれたっていうか。
「ふぁ〜みれ み〜らし どっど どれれれど〜」
はあ? なんて柔らかい舞踏会のようなフレーズで、あっけにとられる。どないなっとるんじゃーっ。
テンポは、案の定、相当に遅いっ。テンポは遅いが、ハーモニーは美しい。残響がとろけている。
はあ? 残響がとろけるベートーヴェンの7番なんぞ、聴いたことがないっ。
「たんたらん たんたらん・・・」の付点は、そこそこリズムが生まれているが、柔らかい。
たら〜ん たら〜ん。たーぁ。
アカン すっかり、このペースに巻き込まれてしまっておるわ。思わず口ずさんでいるではないか。
このベト7が、まるで、天上の音楽に聞こえてくるのだ。雲の上でダンスしているようで。あらら〜っ。
低弦のボリュームも、あるんだが、たら〜っ。としていて液状化現象のようになっている。
ここが天上でなければ、んじゃー、きっと底なし沼だ。

2楽章
消えるかのような弱音で、「ふぁーふぁふぁ ふぁーふぁ」
ここは、もう彼岸なのだろうか。三途の川は渡ったのだろうか。という気分になってしまった。
う〜ん。アカン。

3楽章
踊るようなアップテンポは期待できない。文字通り「ふわふわふわ〜っ」
完全に睡魔に襲われる。それも心地よい睡魔に。
そのくせ、重量感もあるし、「ふぁ〜みふぁ〜 ふぁ〜らっそっふぁみれ〜」のボリュームはあるのだが、その後の音が止まるかのような弱音で、は?
で、再度、舞踏会が始まるのだが、気怠いっ。メチャ気怠いっ。

4楽章
おきまりのフレーズが流れてきて、ようやく踊り出す気分にはなってきたのだ。
しっかし。このテンポはなんじゃっ。
「チャンチャカ チャカチャカ チャンチャカ れししぃ〜」 ん? 軽いくせに固いし、変な重力空間に放り出された気分だ。
コントラバスが、「〜んごぉ〜 〜んごぉ〜」と唸っている。
金管が入ってきても煽られることなく、テンポは超遅い。ここらあたりは、クレンペラー盤とよく似ている。
クレンペラー盤は相当に重量感がある。しかし、チェリビダッケ盤は、音が柔らかい。あくまでもソフトなのだ。
なんだろ。この違いは? う〜ん。しばし考え込んでしまった。
相当に力を入れて、カシカシと弾いているに決まっているのだ。この低弦の音量を出そうと思ったら。
でも、テンポにメリハリがない。消しているのか。語尾が丸いのか。
それにしても、これだけソフトに弾くのって、とても難しいような気がする。一定の音量を出し続けていくわけだし、残響も確かに美しい。だれ〜っと弛緩して弾いているわけでは決してない。

チェリさんは、いったい何を求めているのだろう。ベートーヴェンのハーモニーを奏でたいのだろうか。
何を私たちに訴えているのだろう。う〜ん。チェリビダッケ盤を聴いていくうちに、わからなくなってしまう。
4楽章はさすがにもりあがって、最後のうねりなんぞ、極上の響きがある。
すごい〜 とは思うのだが、この最終まで持ちこたえられず、へばって聴けないっ。
ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク (ORR)1992年
John Eliot Gardiner
Orchestre Revolutionnaire et Romantique

ばっちグー!

録音状態は良い。キビキビとした活きの良い演奏が聴ける。
ベートーヴェンが、暗くて固くて重くて難しくて、嫌だ〜っという人には、お薦めできると思う。

1楽章
冒頭の迫力は、オリジナル楽器(ピリオド楽器)とは思えないほどで〜 パンっ、と勢いよく叩かれている。
へえ。ひ弱な楽器だと思っていたのだが、迫力あるじゃん〜
それに音色も明るい。 「し〜ふぁ〜れ〜そ〜ふぁ〜」これは良いかも・・・。
続く、弦の上昇音階の「し〜ふぁ〜れ〜そ〜ふぁ〜ど〜ふぁ〜」 
ものすご〜く低い弦の音はない。でも、弦には力がある。ティンパニーの音をアクセントにして、テンポは速いし、軽やかにスムーズにのぼっていく。
確かに、普通のオケでは、ものすごいコントラバスの低い響きに、ガシガシ・・・と弦が奏でる盤であることが多いが、これは音の厚さ薄めだ。そりゃ楽器が違うからなあ。でも貧相ではないんだね。
オリジナル楽器だというんで、メチャ渋い音が出てくると、勝手にイメージしていたんだよなあ。
えらい勘違いというか、大間違いで、音色なんぞ、メチャ明るいっ。特に管が明るいようだ。
それに、このオケのフルートの音色が抜群っ。
このフルートにやられる。
バックでも、フルート軽やかに「ふぁふぁふぁふぁ・・・」と鳴っている。これが、すこぶる心地よい。
リズミカルと感じる大きな要素になっていると思う。
テンポも良いので、音に厚さはないが、熱く感じるのだ。ホント、勢いが良いというか、ピチピチした活力があるというか。これりゃ良いわ〜。と、冒頭3分程度で、こりゃ良いっ。と拍手してしまった。
で、フルートの「ふぁふぁ〜 ふぁふぁっ〜」が聞こえてきて付点のリズムが鳴り出すと、ますますピチピチしてくる。こりゃ速いっ。
速いが、音が、爽やかに巻き巻き踊っているようだ。語尾が、クルリンっと跳ねている。
特に、木管が、たらぁん〜っ。を繰り返す。トリルが入っているように聞こえるし。普通「タンタン」のところが、「タランタラン」に聞こえるのだ。
それも速いんで〜 しつこくなく、適度に、音が巻いて踊っているように聞こえる。
楽章最後の金管の「ぱぁ〜ぱら〜(ぱらっぱらっ) ぱぁ〜ぱら〜(ぱらっぱらっ)」が、とても印象である。金管の鳴り方に、奥行きがあることと、吹いている高さが違うようで、こりゃ立体的だ。
う〜ん。こりゃ〜 やられたっ!

2楽章
冒頭は、弱音で奏でられる。「ふぁ〜ふぁふぁ ふぁ〜ふぁふぁ」聞こえないぐらいの呟き。
重々しく奏でてくる盤もあるが、ガーディナー盤は、軽めでしめやかではあるが、重厚感の葬送的なフレーズとはなっていない。
弦に艶があり、明るい開放的な響きを聴いていると、まるで美しい宗教曲を聴いているようだ。
「そーそら しーし・・・ ふぁーふぁそ ららー ・・・そーそら しーし」
弦の美しいこと。まるで天上の音楽のように響く。透き通ったレースのようで。思わず驚く。
すっきりしてて、アッサリしているのだ。それなのに、ボリュームもあって色彩もあって、う〜ん。
薄口=あっさり=色彩感がないように思っていたが、これは違うなあ。
弦とティンパニーがシンプルに「たーん たた たーたー たーんたた たーたー」に奏でているのだが、副旋律として、オーボエが、「らどしら〜らふぁみれ〜」とオリエンタルチックに絡んでいる。

3楽章
快活に3楽章を奏でていく。「ぱーららら〜 ぱーららら〜」と、細身なのだ適度に硬めで、しなやかだ。
ティンパニーと弦の刻みは、硬め。木管は柔らかいっ。
このなんとも柔と剛のサンドウィッチ状態が好ましい。
まあ、だけど、この楽章は、速い速い。もう少し粘って欲しいところもあるのだが、粘らない。
「ふぁーみふぁ ふぁーら ふぁっみっれっ・・・ 」 これ速すぎじゃーっ!
もう少しエレガントに踊っていただいても良いんだが。アッサリ風味で、味付けがなさすぎ。
1楽章と比べると、ここは速くて、巻き舌(トリル)が速すぎてエレガント、まったり感がなくなっている。
舌がもつれるか噛みそうな速さで、楽しいことは楽しいのだが、重みによる振り子状態を楽しむ雰囲気ではなかった。

4楽章
見通しのよい最終楽章で、普段聞こえない中音域のフレーズが良く聞こえる。
上品な和音が、いつもなら隠れてしまうんだが。それを気づかせてくれた。
「チャンチャカ チャカチャカ チャンチャカ れししぃ〜」ティンパニーの音がアクセントで締めているし、「チャン チャカチャン」の最後が強く、小気味が良い。
しかし、やっぱり、弦が合奏するところのパワーは物足りない。
弦が上品ながらも、強く弾いているのだが、低い音、高い音での投げ合いが、伸びていないように思う。
でも、ホント瑞々しいし、清潔感があるし・・・
音色が明るいことから、若い情熱の伊吹のようなモノを感じることができる。
最後は、音量をめいっぱい上げてきて熱いっ。と感じることもできる。

几帳面で、ちょいと硬さも感じるが、音色が明るく開放感もあって・・・ う〜ん。なんだか、ひとことで言うには難しい。ガーディナー盤は、違う要素を両面持っているような感じがする。
アプローチは自然であるようだが、巧みであるし、複眼的というか、演出上手というか・・・。
それに、ライブの延長線のようなテンションの高さもあって、これは良いんじゃーないだろうかと思う。

ラトル ウィーン・フィル 2002年
Simon Rattle  Wiener Philharmoniker
(Vienna Philharmonic Orchestra)

録音状態は良い。ライブ盤 再度聞き直さないと〜 あっけにとられるほど驚いてしまって。これが21世紀のベートーヴェンなのか。う〜ん。

1楽章
「し〜ふぁ〜れ〜そ〜ふぁ〜ど〜ふぁ〜」 
聞き慣れた冒頭のフレーズは、ちょっと軽めで、さぁ〜 す〜っ ふぁ〜。
このスピードと軽やかさに、そして頂点に立つ前に、すっと力を抜いて、さぁ〜っと引いていく。その変わり身の速さに、まず驚かされた。ふわっとしているというか形が自由自在に変わるというか、無駄な力が無いというか。
確固たる自信で、いかにも堂々と、ガシガシ硬めに弾いてきた盤を聴いてきた場合、へっ?と、拍子抜けしちゃう。まるで、太極拳でもしているかのようで、息づかいが浅めであり深め。
で、呼吸を整えて、弦の上昇は、一気呵成にのぼっていく。
ホント、太極拳をしている人を、横で見ているみたいに不思議な気分になった。
太極拳のように、動きが超スローではないんですけどねえ。うまく言えないけれど、呼吸法が、他の人と違いますね〜って感じがする。
付点のリズムが鳴り出すと、そのうちに、スリリングな感じに。
決して熱くなりきらないのだが、フレーズのなかの直線的なところ、曲線的なところのメリハリがついてて、優美な曲線を描いている。曲線の下降線が、特に美しい。
で、付点のリズムが、際立って生きているような気がする。
オケのバランスも綺麗だし、中音域の木管類の音色も、まろやかに溶けているし。
これ、ホントに、ウィーン・フィルなんだよねえ。シンジラレナイんだけど・・・。
1楽章から、あっという間に、最終楽章まで流れてしまって。はあ。

繊細でありながら、軽すぎず、スピーディだし、スマートだし。今風でいいんじゃー。と思う。でも、私的にはハテナマークが飛び交っていて、あっけにとられた。
これまで聴いてた、既成概念が、ぶっ飛んでしまって。口があんぐり〜 
感想どころじゃーないので、また、古い盤から聞き直しましょう。ということで、今回終わり。ごめんなさい。
シプリアン・カツァリス 1982年 リスト編曲ピアノ版
Cyprien Katsaris

こりゃ良いわ〜拍手

録音状態は良い。なにせ、交響曲がピアノに変身っ。
理屈抜きに楽しめる。もちろん、元の曲を知っていないと、充分には楽しめないとは思いますけど〜
カップリング:ベートーヴェン交響曲第7番
1楽章
「しぃぃ〜ぃ〜 ふぁ〜ぁ〜 れ〜そ〜ふぁぁ〜 どふぁ〜」
馴染みのある7番は、いかにも寂しい出だしで、ぶつ切り状態なのだ。だって余韻が続かないんだもん。
まっ 仕方ないか。で、タタタタ タタタタ・・・と上昇していくところは、ハイ、低音を伴って昇っていくので、迫力が出てくる。
繰り返して、小声で、ふぁっ ふぁっ・・・ ふぁっふぁふぁふぁ〜っと転んでいくフレーズは、とても可愛く、そして威厳を持って演奏されていく。
最初の木霊のように呼応しているフレーズは、ちょっと迫力がないんだけど、ピアノで弾くとこんなものかな。
でも、「しっし しれそ そふぁれし  しっふぁ れどしっ!  ふぁ ふぁっ どふぁれっ どっ!」
楽器間の呼応するシーンというか、やりとりを楽しむ場面では、やっぱり、間合いが空いているので〜 ちょっと、ピアノで弾くのは、難しそうだ。残響が続かないもんね〜
リスト編曲バージョンだが、その楽譜通りに弾いているのか、ちょっとわかんないけど。交響曲を、ピアノ1本で弾いていくのだから、結局、右手と左手しかないわけだ。
リズムが生命線とも言えるような楽曲だけど、多くの音が、密度高く詰まっているし、でも聴いてて、もちろん不満はない。
もっとも専門家ではないので、ここでは、この楽器が本来使われている筈だが、それが、ピアノに置き換わっているのか。どの楽器部分が省略されているのか、そんなことは、ワカンナイのですけどね。
知りたかったら、楽譜を見比べていただかないと・・・。なんとも〜 (ワタシ的には、そんな時間も能力もありませぬ。)

2楽章
「ふぁ〜 ふぁふぁ ふぁ〜ふぁふぁ ふぁ・・・」 「そ〜そら し〜し ふぁ〜ふぁそ ららぁ〜」
いつもだと、重厚感のある葬送的なフレーズだ。ここは、ショパンでもないのだから、粒立ち良く弾けるわけじゃないし、低音の響きがないので、まあ、こんなモノかなあ。
繰り返していくうちに、右手の高い音が増えていく。

3楽章
「っそ しそし れっ そっそ ふぁふぁ みみ れれ どし〜 ららそ ふぁふぁみ れれどし・・・」
このフレーズは、とっても可愛く始まって、リズミカル。
シンプルな音が続くが、リズミカルに刻んでいくし、ところどころ、アクセントを置いて飽きさせない。
「みぃ〜れみっ みぃ〜れみっ み〜ふぁそ らそ ふぁ〜 ふぁ〜みふぁ〜 ・・・」 右手が活躍し出すと楽しい。

4楽章
「チャンチャカ チャカチャカ チャンチャカ れぇ〜 ししぃ〜」
ハイ、4楽章になると一気に爆発っ! となると思っていたのだが、意外と、さほどでもなく、あれっ?
でも、そうだよねえ。ティンパニーの音が欲しくなってしまう。
「たんたら たんたら たららら〜」の 最後のあがってまわる音が、テンポよく入ってくるし、左手のアクセントの音があるので、結構楽しめる。
「れぇ〜ど しれどし れどしら そふぁみれ たんたら たんたら たんたら・・・」
最後のノリノリになる酔っ払いのようなフレーズは、ピアノで充分聴かせてくれるし。こりゃー拍手ですよね。
ベートーヴェンの交響曲って、こんなシンプルな音が続いているだけなんだ〜と、驚いてしまった。
文字で書いていくと、余計にシンプルさがわかっていくのだが、CDを聴きながら文字に落とすのって、結構大変っ。(汗) ワタシの愉悦性が失われしまいそう〜(笑) 
それにしても、4楽章を、お休みなしでピアノを一人で弾ききるのって大変そうです。カツァリスさんお疲れさま〜♪
1955年 クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 EMI ★★★★
1958年 ワルター コロンビア交響楽団 CS  
1959年 コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Ph  
1964年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC ★★
1969年 S=イッセルシュテット ウィーン・フィル Dec  
1971年 ケンペ ミュンヘン・フィル EMI ★★★★★
1972年 ベーム ウィーン・フィル ★★★
1974年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec  
1974年 クーベリック ウィーン・フィル ★★★
1975年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン DS  
1976年 C・クライバー ウィーン・フィル  
1977年 カラヤン ベルリン・フィル  
1978年 バーンスタイン ウィーン・フィル ★★★
1981年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン De  
1987年 プレヴィン ロイヤル・フィル ★★★★★
1987年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団  
1987年 アバド ウィーン・フィル ★★★
1988年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★
1988年 ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph  
1989年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI ★★★
1991年 サヴァリッシュ コンセルトヘボウ EMI  
1992年 C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン Ph  
1992年 ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク Ar ★★★★★
1998年 インマゼール アニマ・エテルナ Zig-zag  
1999年 バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン  
2002年 ラトル ウィーン・フィル EMI ★★★
2005年 ハイティンク ロンドン交響楽団(ライブ) Lso Live  
リスト編曲ピアノ版      
1982年 シプリアン・カツァリス    Tel ★★★★
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