「 頭のなかの ♪ おたまじゃくし 〜クラシック音楽を聴いてみよう〜」

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ベートーヴェン 交響曲第8番
Beethoven: Symphony No.8


ケンペ ミュンヘン・フィル 1972年
Rudolf Kempe  Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

こりゃ良いわ〜拍手

録音は良い。原盤はEMIだが、廃盤状態であり、全集は「Disky」より出ている。 1楽章は、熱くてツヨメだが、よく歌うしノビもたっぷりしてて、馥郁とした木管とホルン。
これだけ瑞々しい演奏は、う〜ん、手放しで拍手っ。

1楽章
「れぇ〜しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」
ケンペさんのベートーヴェン全集は、結構熱い。
冒頭から、ぐい〜っと押してくるパワーに圧倒される。
綺麗とは言い難いし、美音でもないし、カーッと最初っから熱いのだが、リスミカルで弾む。
そして、どことなくソフトな面もあって、意外にもフレーズを歌う甘さもある。
古くさい言葉だが、ガッツが感じられ、覇気があることと、太い線での一筆書きのような勢いがある。
低音の響きも硬めだし、ティンパニーもバンバンっと叩いているのに、なーんか甘さもロマンティックな面もあって〜という、ちょっと意外な面を見せる。
「タッタ タン タッタ タン タッタ タンっ」というリズムの刻みと、「そぉーみ そぉーみ」という、弦のノビがあるんだよなあ。聴いていてうちに、ワタシの首が、右に、左にと大きく振 れはじめるのだ。
カラダが動きを欲して自然に動くような感じ。この張りつめた弦のノビ感と、音の弾み方っていうのが、面白いし、聴いてて楽しい。
え〜っ 8番って、結構面白いっ。というイメージを与えてくれる演奏だ。
綺麗だな〜女性らしいな〜という演奏もあるけど、ここのティンパニーは聴いてて楽しく、ホント、自然に高揚しちゃう。
低音の響きも、結構入ってくる。70年代の録音のわりには、良い方ではないだろうか。
で、最後の方になると、ガガガガ・・・っと地響きを立ててパワーで押してくるし、熱さに驚かされる。
ライブを聴いているような興奮度もあるし、中味はカッチリしてて、その元は、やっぱり低い響きとティンパニーだと思うが、ピラミッド的に構築されて、びくともしない。

2楽章
前楽章とは違って、柔らかい。アップテンポの刻みだが、結構メリハリがある。
まるでハイドンの時計のようにも聞こえるし、でも、ゴロゴロゴロ〜という響きを持っていながら、「ん タラら〜 ん タラら〜」と歌うところは、まるでびっくり箱を開ける時のような、ワクワク感があるという感じ。
で、おっ!と驚かせてやろう〜と言う感じで、音量も変えてくるし、遊び心があるような感じがする。
オチャメさが感じられる。
シンプルな楽章だが、ところどころ、アクセントを置いてて、面白い。

3楽章
「そぉぉ〜れ そぉぉ〜れ そぉれ しっしっしっ」
メヌエットのような楽章で踊りたくなるのだが、ちょっと重めで、渋い。
カラヤンの演奏のような華は、まーったくと言って無いのだが、見た目はイマイチのくせに、結構、パリっとした仕立ての良い燕尾服、いや略礼服ぐらいは着ている感じがする。
パッパぁ〜 パパパっと響く金管の響きは、イマイチだし、細めで色気はないんだけど、ホルンだけは、ハイ、よろしいですね。それと、木管の暖かい響きが、う〜ん。これは見事。
この柔らかい木質的で、優しくて、温かみのある音は、良いですねえ。
クラリネットもフルートも、オーボエも、ホルンの音質も、ほほぉ〜 やわらかいし腰はあるし、良いなあ〜 馥郁としてて、かぐわしい香りが漂っていて、そこはかとなく〜 なーんて言葉がお似合いの雰囲気で、これは惚れ惚れしちゃう。
ホント、南ドイツのオケは好きだ。この響きは、まるで樹木が呼吸しているのを感じられる。って感じ。
それに、結構粘りを持たせて、ブンチャッチャとは単純に歌わない。
やっぱ、アクセントと重みを1拍目に持たせて、うぅ〜ん チャッチャと鳴らす。この拍感覚は好きだ。

4楽章
「ししし しどらっ しどらっ どどどれ  どれどっみっ・・・」と、ちょっと歯切れは悪く、ここの拍感覚はイマイチなのだが、弾む音に気をとられて、歌うフレーズにさしかかると、あ〜うっとり。
フルートのフレーズにさしかかると、あ〜っ またまた、うっとり。
ブロムシュテット盤のシュターツカペレ・ドレスデンの響きも良いんだけど、あの盤は、快速バージョンだった。
このケンペ盤は、もう少し歌ってくれるし、音の響きが柔らかい。
そのくせ、弦の響きが、なーんていうか、織り目が見えてくるような感じがするのだ。ロマンティックな香りが漂っていて、木管の響きが、めちゃくちゃ綺麗な織物を見ているようで・・・。
この盤は、多分両翼なんだろうなあ。重さも適度で、残響も頃合い。ティンパニーが、バンバン叩いているわけでもないし、主は、ブレンドされた響き。旋律は、弦をまたいで動いていくし、リズムは奥から生まれてくるし、響きは、奥行きと横の幅に広がっていくし、面白い楽章だと思わせてもらえる。
歌謡風のフレーズは、しっかり歌ってくるし〜 ホント、ベートーヴェンさんって、こんなにロマンチストだったの? って信じられないような演奏になっている。
ワタシの首は、この楽章になると音符と共に弾み伸び縮みして、指は自然に動くし、目も鼻も、う〜ん、うっとり状態で、なんと言っても、木管の可愛いこと。これは〜たまらりません。
リズムが快適だし、響きが良くって、フレーズが歌われていて〜 ハイ、申し分ありません。

快速でスイスイっと走っていく盤も多いが、このケンペ盤は、テンポは、さほど速い盤ではない。
いや〜 ワタシ快速盤も好きなんですよ。でも、これだけじっくり聴かせてもらって、リズム感が瑞々しい盤って、そんなにないんじゃーないだろうかって思います。これだけ、知情意のバランスが良くって、瑞々しい演奏が、8番なんてね〜 
もう、ジミなんて言わせない。って感じでしょうか。拍手〜っ!

カラヤン ベルリン・フィル 1977年
Herbert von Karajan  Berliner Philharmoniker
(Berlin Philharmonic Orchestra)

めがまわる〜

録音状態は良い。全盛期そのままに、とぎすまされた美音で流麗なのだが、最後の4楽章が超快速バージョン、圧巻なのだが、目が回ってついていけないーーっ。
1楽章
「れぇ〜しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」
「どぉ〜らしどど れ〜ど しれ そら らぁらぁ〜し」 ← 木管フレーズは柔らかい。
「どぉ〜らしどど れ〜ど しれっ そらっ そぉ〜」
「そぉ〜しぃ〜 そそぉ〜どぉ〜 そぉ〜みぃ〜 そふぁ〜 れっれ どっら」
「そぉ〜しぃ〜 そそぉ〜どぉ〜 みみ〜どぉ〜」
「みみぃ〜どぉ〜 みみぃ〜どぉっ みみぃ〜どぉっ みっどっ・・・」

まあ、なんと速く華麗で、流麗で〜 華やかな幕開けなんだろう。
感心しちゃうほど鮮やかで、メチャメチャ凄い。惚れ惚れしちゃうほどの身のこなしの優美なこと。 まず、この冒頭で、あっけにとられた。 70年代のカラヤン盤って、ほんと、美音でカラヤン美学と称されることが多いが、ホント、そのままっ。
滋味な8番が、こんな華麗な音楽だったとは〜 目から鱗である。 この冒頭だけで、思わず何度も聴いてしまった。

ティンパニーを伴って、まるで序曲のように豪快に鳴ってくるフレーズなのだが、序奏部分がないだけに、圧倒的な勢いで、いきなり、やって来るのだ。 きっと意識して、音を詰めて叩いているんだろうけど、これがまた効果抜群。
それにしても、まあ〜 70年代のカラヤン盤は、やっぱすごい。
この8番の冒頭は、ティンパニーよりも金管で、「そぉ〜 そぉ〜っ」と、通奏低音のように鮮やかに鳴りっぷりが良いし、輝いている。

ブロムシュテット盤だと、ティンパニーが前面に出てきていたが、このカラヤン盤は、色の鮮やかな弦が見事だし、それに、速いっ。なんという色艶のよい弦の響きなんだろう。 それに、これだけ速いのに、一糸乱れず、見事なアンサンブルで聴かせる。 それに、みごとに木管の音が、ばらけずに丸いフレーズになって流れてくる。 ティンパニーも、結構叩いているのだが、バンバンっという響きが無いというか、バンバンと叩いている筈のティンパニーの響きが、バンバンと聞こえない。
残響と共に、優美な響きを残すだけだ。
それに、まず、弦である。 速いのに、息が長めに聞こえるという、ふんわりした曲線美があり、高音域の弦の響きが多く聞こえ、中音域の弦は、ひとかたまりの音の層となっている。
音質は柔らかい女性的な響きにも聞こえるし、かといって、メリハリのある流麗さだし〜
やっぱり、速さがモノを言っているのか、スマートで鼻先の長い流線型のスポーツカーというか、飛行機で言うとコンコルド、いや、船で言うと格好良いヨットというか、なにせスマート。
まあ、聴きようよっては、音が、鼻から抜ける〜って感じもしないでもないけど、イヤミなほど優美で、スマートである。まあ、言っちゃなんだが、いかにも秀才って感じでしょうか。

弦が、残響の多めの響きで、ティンパニーも、このテンポでスイスイ行かれている割には、硬いワケでもないし、教会の残響みたいで〜 コントラバスの響きも、ゴリゴリ言わず、適度にまろやかだ。
後半は、主旋律の低音フレーズより、高音域のヴァイオリンのフレーズが、みごとに入ってて、いや〜こんな艶っぽいんだ。と改めて8番を見直しちゃうぐらい。
イッセルシュテット盤は、ウィーン・フィルの音色で、かなり綺麗だし女性的だが、ベルリン・フィルも、これだけ流麗に、テンポ良く演奏していると、う〜ん。
このフォルムの綺麗さに、見事に、やられてしまう。としか言えないかなあ。悔しいけどっ。

2楽章
「そそそそ そそそそ・・ そらそら そらそぉ〜み みれれっふぁれみど〜」
弦のピチカートの弾んだ柔らかさ、ピチピチして、メトロノームの刻みを底辺にして、ここでも、弦のフレーズが、「らしそ らしそ らしそぉ〜」というフレーズを大きく、膨らませている。
メトロノームといいつつ、速めで、変化をつけて〜 テンポはしっかり変えており、一定ではない。
トリルが可愛いし、弦の「たたら たらら らぁ〜」という印象的なフレーズを、しっかり大きく弾かせている。
単に、柔らかいというのではなく、ちゃんと脈打ってますという感じがする。
他の盤は、こんな活き活きしてたっけ、意外とオチャメだなあ、とカラヤン盤を聴いていると思う。
ブロムシュテット盤が、退屈だったのに比べて、音をしっかり伸ばすところ伸ばして〜 弾力を持って、くわ〜っと伸ばされていくし、身をかがめているところや、すばしっこく動くところもあって、伸縮自在。
ついつい、これは聞かされる。やっぱ、流麗さがあるんだなあ。

3楽章
「そぉ〜れ そぉ〜れ そぉれ しっしっしっ れ〜どらふぁ らそしそ どれふぁみ らしどっふぁ〜そ」
退屈になりがちなフレーズを微妙に伸縮させてて、弦の柔らかくも深みのある響きで楽しい。
チェロの響きと、ヴァイオリンの響きの後ろに、金管が柔らかく寄り添っている。場面によると、しっかり甘いチェロがはまってくるし、かなり歌っている。
3拍子の頭に、しっかり重さを持たせて伸ばしているので、優美なメヌエットなのだ。 メヌエットの欠かせない、パンパンパンっという響きがある。 「らぁ〜 そみど れれれ そぉ〜 みどら ふぁっふぁふぁ」という、1音目から2音目に移るところのかすかな間合いが、ニクイ。なにせ、弦の伸ばしが綺麗だなあ。と思わせるフレーズなのだ。

ブロムシュテット盤が、杭を木槌で打ち下ろしているような、薪割りシーンのような素朴で、コミカルさがあるって感想を書いてしまったが、薪割りみたいだったイメージとは、えらい違いっ。
カラヤンとブロムシュテットさんでは、まるで、月とすっぽんだ。
(あっ 誤解のないように、ワタシ、ブロムシュテットさんの方が好きです。)
また、ホルンの綺麗なこと。なんとまろやかに、歌うんでしょうねえ。まるで、ソロじゃん。
他盤で聴いたけど、こんなところで、ホルンいたっけ〜 (← アタリマエ、居ます)
えっ〜 ホルンさまさまじゃん。これは腕の見せ所、こりゃ〜 ホルン綺麗すぎ。耳のご馳走ですわ。
いや〜 この3楽章、これだけ綺麗な盤。ありましたっけ・・・ 再び目から鱗でした。

4楽章
これまた、目から鱗の快速バージョン、ありゃーっ すごいっ。
かーっ ここまでやるかって感じの超快速で、あーっ 目の前で、新幹線が通過中・・・。
しかし、歌って欲しいところは、しっかり歌ってますが。
いや〜 それにしても早口で、耳がついていけなくって、、、、
リズム感はあるんですけど、あっという間に6分半で終わってしまう。

極端な話、「どしらそ らしどっ。」とか、「ふぁそふぁそ〜 どどどっ・・・」ってフレーズしか、耳がとらえきれないかんじで〜 バババっバンというティンパニーの優美な響きが、ガツンっと入ってきて、のけぞってしまう。
音が、空中に散布されていくような感じといういか、ハジケテているというか。
まるで、ネズミ花火のように、アチコチにくるくる回って、パンパンっとはじけて鳴っていくというというか、この運動能力の機敏さには、圧倒されてしまう。
が、なにも、ここまでしなくても〜っ。あちゃ〜っ。ホント、パチパチあちこちではじけていく、花火ですねえ。
指揮者としては、手のひらを上にして、指だけ、ふあふぁっ・・・と、開いて、弾かせて終わっているんじゃーないだろうなあ〜って感じだ。どんな指揮してるんだろ。
DVDでも買って見ないと〜(って言っても、その気はあまりないんだけど)

まあ、速い。速い、超快速、極端に速すぎだけど・・・ これだけ速いと、なんとも言えない気分に。
これだけ、やれるってことを見せつけたいんだろうか。と、ちょっと、イヤミな感想も言いたくなっちゃう。
まあ、これだけ、やられると快感というか、圧巻というか。
しかし、C・クライバーの4番のように、情熱が籠もってくるというワケでもないしなあ〜
痛快さとか、面白さとか、なんか、もう少し後味が有れば良いんですけど。
確かに、綺麗さはあるし、精緻だし、リズミカルだし、美音だし、文句のつけようはないし、目から鱗ではあるのですが、機械に演奏させりゃーいいじゃん。って感じにもなるんですよね。
肌で感じる温度感が、あまり感じられないっていうか〜 呼吸感がないというか、人間味が感じられないというか、耳から聞いているんですけど、音が留まらないというか。まるで、すーっと、鼻から抜けてしまうような気もするので、、、ワタシ的には、ちょっとなあ〜って感じです。
  ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1978年
Herbert Blomstedt
Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

ばっちグー!

録音状態は良い。柔らかいかと思いきや、意外と硬めで豪快。
木質的だが、硬い弾力性のある演奏。
ブリリアント(Brilliant Classics)レーベルから発売されている5枚組BOXからの1枚 原盤は、Brilliant Classics

1楽章
「れぇ〜しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」
「どぉ〜らしどど れ〜ど しれっそっらっそ」「そそぉ〜し そそぉ〜ど そそぉ〜み そふぁっ〜れっれ」
ティンパニーを伴って、まるで序曲のように豪快に鳴ってくる。
「っそそぉ〜そ そど みみど みみ ど みみっどぉ みみっどぉ」
この8番の出だしって、ティンパニーも入ってくるし、いきなりノックアウトを出すパンチのようで、豪快なのだ。畳みかけてくる豪快さ、ごごぉ〜っと鳴ってくるティンパニーの音。

ベートーヴェンの交響曲8番って、単純に分けちゃうと、この1楽章の冒頭は、バンバンと叩いてくる豪快な盤と、意外と腰の柔らかい女性的響きで行く盤と、2種類に分かれていくような気がする。
で、ブロムシュテット盤は、シュターツカペレ・ドレスデンの響きで聴くため、木質的で柔らかいのかと思いきや、結構熱くて、バンバンっ!
弦をかしげながら、鳴りっぷりもよろしく、これでもか〜っと、突き進むタイプで。あらら〜っ。豪快な、硬めの構築で、この堅牢さに思わずのけぞった。いきなりだっ。汗が出ちゃうという感じなのだ。
8番って、ホント小規模で、地味な交響曲だと思いこんでいたら、大違い。
音の刻みが鋭く、キレも良く、「タタっ タぁ〜 タタっ タぁ〜」と歌う。
歌うって表現は変な感じがするのだが、しかし、これ歌ってるんだよなあ。リズミカルで弾んでいる。
「っらっふぁ っしっそっ しっそっ しっそっ どぉっらっ ふぁっれっ そっそっ」
「みっみれ ふぁふぁみみっ らっそ らっらそっ!」
言葉で書いてしまうと、ちょっと紋切り調になりそうなフレーズなのだが、いやいや、これ歌ってますねえ〜 歯切れ良く、見事に歌うのである。「れっ れれれぇっ〜 れっれれ れぇっ〜」
「れぇ〜しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」と、見事に主題に戻ってくる。
う〜ん。この冒頭だけで、結構、やられてしまいました。お見事っ。
この質感は見事です。硬いのかと思いきや柔らかく、まるで、お料理のようで〜
外の皮はパリっとしているのに、中は、しっとりしてて〜ジューシーだ。という感想を述べたいほど。

2楽章
「そそそそ そそそそ そらそら そらそぉ〜み みれれっふぁれみ ど〜」
とっても軽やかな響きのある楽章で、室内楽的な、柔らかいフレーズが続く。
メトロノームの刻みを参考にしたというが、ハイドンみたいな軽やかさがあって明るい。
ただ〜 うとうととしてしまいがちなのと、ふんわかしてて、するり〜っと耳から抜けていく。

3楽章
「それそれ それそれ しっしっ しっしっれ〜どらふぁ らそしそ・・・」
このメヌエットと言われている楽章も、前の2楽章と同じで、室内楽っぽい。
柔らかいのだか、ティンパニーが入ってくるので、少し硬さもあり、重さも加わっている。
面白いのは、「れっ そぉ〜 れ そしっし〜」というトランペットと、ドンドンっと響くティンパニーの掛け合いだ。「れっそ〜れ」と伸ばす音が幾分キツメなことと、杭を打つようなちょっと硬めのティンパニーの音。
ブロムシュテット盤は、そぉ〜れっ。しっしっしっ。と、フレーズをあげておいて、ガンガンっと打っていく。
まあ〜 杭を木槌で打ち下ろしているような、薪割りシーンのような素朴で、コミカルさがある。

4楽章
最初は、可愛く、静かに、そろっと柔らかく出てくるのだが、唐突に「どれぇーっ!」
「しししっ しどら しどら どどど どれど どれどっ」と、シコを踏むように変貌する。
ガシっとした、リズムが気持ちよく刻まれていて、堂々としている。
まるで、あっかんべーっ。と人を食ったような感じがしたのに、木管のフレーズにさしかかると、はあ。やっぱ可愛い女性のようで〜 
木管と弦の掛け合いと、弦をうねらせて、スケールを大きく踊る。
「れどら れどらっ どしらそ らしどっ」「どしらそ らしどっ」
ブロムシュテット盤は、木管の柔らかさ、弦の太さがバランス良く醸し出されており、そこに、短いスカートをはいたオチャメな女の子のような跳ねるリズムが加わる。
それと、やっぱりティンパニーの締める音が決め手だろうか。

総体的には滋味な楽曲なんだけど〜 木管の芯のある明るめの柔らかい音質と、意外と、重量感を合わせもった硬いクヌギのような木の肌、ちょっとしたゴツゴツ感がスパイスになっている。
ショルティ盤のような金属っぽいメチャ硬質で男臭い音でもないし、イッセルシュテットとウィーン・フィル盤のような、高音域が目立つ、しなやかな女性っぽい音でもない。
結構、バランスの良い演奏だと思うが〜 いかんせん、2楽章、3楽章が、いつも、ワタシの耳からこぼれ落ちていくのだ。この中間楽章がなあ。もう少し、何か特徴があって欲しいのだが〜。
  ショルティ シカゴ交響楽団 1988年
Georg Solti  Chicago Symphony Orchestra

殴られた気分だ

録音状態は良い。あっという間に、終わってしまって〜 ちょっと、もったいない感じがするほど推進力がある。豪快というか剛毅というか、低音の響きが、よく入っており、ちょっとマッチョ系なのだが、これに慣れると、癖になってしまうほど。
造型美というか、ミケランジェロの彫刻をみているかのよう均整のとれた大理石の像を見ているかのような気持ちになる。いずれにしても、歯ごたえ抜群のベートーヴェンで、昨今の草食系のベートーヴェンではない。
1楽章
「れぇ〜(ドン) しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」
「どぉ〜らしどど れ〜ど しれそら らぁらぁ〜し」 ← 木管フレーズ
「どぉ〜らしどど(ドン) れ〜ど しれっ そらっ そぉ〜(ドン)」
「そぉ〜しぃ〜 そそぉ〜(ドドン) どぉ〜 そぉ〜(ドドン) みぃ〜 そふぁ〜(ドドン) れっれ どっら」
「そぉ〜しぃ〜 そそぉ〜どぉ〜 みみ〜どぉ〜」
冒頭のフレーズのなかで、木管が登場するのだが、あまり印象的に入ってきておらず、ドドンっというティンパニーの音が、ちょと強めに、ドドン ドドンっと入ってきて、もろ、剛毅だ。
それに、メチャ切れがあるというか、弦の引きが、ものすごく強い。
「みみれ ふぁふぁみ ららそ ららそっ」という繰り返しも、硬いっというか、ゴツイというか。  
ごーっという低音の響きと、「ドドンっ そぉ〜 ドドンっ み〜 ドドンっ み〜」というティンパニーの叩く音と、続く弦の響きが、剛毅そのもの。凄い弓の力強さが、腕をめいっぱい使って、ぐぃ〜っと、ボーイングしているような感じがする。
木管の音色もあるんだが、そこに、覆いかぶさってくる感じで、コントラバスに、チェロの音色が、ぐぐーっと、目をむいて引っ張っている感じだ。圧巻というか、もう凄いっ・・・ 
ごごごっぉ〜〜 「そぉれっ そそっ らぁ〜し」「しれっ そそ ららっし」と、低弦がめいっぱいひっぱられ、弾もうとしている。
すげっ。すごいパワーで、引きの力強さに、猛烈な刺激を受ける。低弦とティンパニーのパワーにやられました。

2楽章
「そそそそ そそそそ・・・ そらそら そらそぉ〜み みれ れっふぁっ れみど〜」
なんとまあ〜歯切れの良いフレーズでしょう。カチカチカチ・・・と、目の前で、メトロノームが左右に揺れている感じで、規則正しい。まぁ〜 どっみっそっ ふぁっふぁっ れぇ〜 しっ と、リズミカルで、硬いアクセントがついている。
これが快感って感じになるほどで〜 ちょっと癖になる感じだ。
カチカチカチ・・・と言うが、その機械的ではないんですよね。音は良いし、低音の響きも良いし、ところどころ、妙な軽やかさもある。

3楽章
「それそれ それそれ しっしっしっしっ れぇ〜 ど らふぁ らそしそ れみふぁみ らししど しっ れぇ〜どしら・・・」
メヌエットの舞踏風の華麗な楽章なはずだが、こりゃ剛毅です。
歯ごたえは抜群ではあるのだが、硬いっ!と、思わず、眉に皺をよせて、しかめっ面するほどでもなく〜 低音の響きが良く入っているのだが、弾力性があり、嫌な感じは受けない。
ヴァイオリンの音色は、キンキンしているわけではなく、ちょうど頃合いというか、歌っているし〜 ティンパニーは、結構硬めで、重く、しっかり叩かれているので、全体的に締まっている感じ。
で、ホルンが入ってきたら、そこそこに、牧歌的でフレーズも歌ってはいる。フルートだって、まずまず歌っているし、悪くないのだ。でも、どっか変っというか、剛毅さが顔をだしているので、ふふっ 無理しちゃって〜というような感じ。
ちょっと、妙な感じのするメヌエットである。 

4楽章
「しししっ しどら しどら どどど どれど どれどっ」と、硬めで、快活に、カシカシ・・・と動く。
弦のフレーズが、「れぇ〜ら〜し しみみふぁ そっら〜 ふぁ〜」と、歌謡風に歌うところは、う〜ん。
なんとも、マッチョなおじちゃんたちが歌っている感じで、なんとなく、ユーモラスだ。
優美、流麗、華麗・・・ 女性的ではないのでねえ、なんとも厳ついのである。
ここは、もう少し、優雅に、女性的に歌って欲しい場面なのだが、ゴリゴリゴリ・・・ あらら。
バタバタした野暮ったさが、ちょっと垣間見られて、う〜ん。仕方ないのかなあ。
もっと、フルートを前面に出して、すーっと歌ってくれよぉ〜 と思うし、ティンパニーさんは、もう少し奥にひっこんで〜 低弦も、ちょっと控えめにしてて〜 と言いたい感じ。
ええ? 無理って? アハハ〜 仕方ないですね。

総体的に、正攻法という感じがすごく、強靱というか剛毅なベートーヴェンです。
昨今の草食系な演奏ではなく、まさに、頑張って〜 頑張るぞぉ〜という気合いが入っており、力強さ、爽快な推進力で、潔さを感じる。ゴリゴリ感があるが、録音状態も良いので、低音の勢いも切れもあり、歯ごたえ抜群だ。
良い意味で、すごく剛毅で、ガツンっと一発〜である。
プレヴィン ロイヤル・フィル 1989年
Andre Previn  Royal Philharmonic Orchestra

ほぉ〜良いヤン

録音状態は、まずまず。さほど刺激的ではないし、個性的でもないし、いたって凡庸な演奏だと思ったのだが〜 主旋律だけでなく、副旋律や内部の音が多彩に聞こえてきて、なかなかに気持ちが良い。まろやかに、気持ちの良いハーモニーが聴ける。
カップリング:ベートーヴェン交響曲第7番、8番、エグモント序曲

1楽章
「れぇ〜 しどれしそぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしど」「どぉ〜らしどど れぇ〜ど しれそぉ〜 ららぁ〜し」
「どぉ〜らしどど れぇ〜ど しれっ そぉっ らっそっ」「そそぉ〜しぃ〜 そそぉ〜どぉ〜 そそぉ〜み〜 そふぁっ〜れっれ」
テンポは、ゆったりしており、付点のリズムをあまり弾まないで、なだらかに歌わせるタイプだ。
で、十分に低弦を、よく響かせ、残響を伴いながら、なだらかに伸びていく。

ホント、弦の響きが多層的に響き渡っているが、木管は、さほど付点を強調していないし、駆け足になりそうな旋律であっても、結構、どっしり〜 安定しているというか、慌てず騒がず。
さほど、リズミカルでもないし、弾力性も抜群ってほどでもないし、動きが鈍いのかと思ったのだが、意外とそうでもない。
弦の響きが多層的なのが、面白く、よく聞こえるので、鈍く感じない。
また、ごごごぉ〜っと、コントラバスの響きがすごく〜 音がぐぐぐ〜っと重なるものの一部分のみで、むしろ、「たぁ〜 タタタ たん」と、しっかり、振り子のようにアクセントがついて、エッジの深い刻みも、しっかりと感じられる。
特に、副旋律が良く聞こえる。
チェロやヴィオラの旋律が、すごく綺麗に目の前に広がってくる。
コントラバスの音も、ほほぉ〜っと言うぐらい、奥から聞こえてくるので、思わず、何度も繰り返して聴いて楽しめる。
なかなかに面白い。

2楽章
「そそそそ そそそそ・・・ そらそら そらそぉ〜み みれれっふぁれみど〜」
意外と几帳面に、ゆったりめに、メトロノームが左右に揺れる。主旋律だけでなく。和音を構成する音が綺麗に入ってくるのと、低弦の響きが、カチャカチャカチャ〜っと大きく入って、アクセントを効かせている。
あまり弾まないし、リズム主体でもないし、すばしっこい演奏でもなく、どちらかといえば鈍重と言われかねない。
しかし、1楽章と同様に、副旋律などの情報量の多さが、退屈をぶっ飛ばしてくれる。

3楽章
この楽章もゆったり〜 「それそれ それそれ しっしっしっしっ れぇ〜どらふぁ らそしそ れみ・・・」
メヌエットと言われている楽章だが、こりゃ遅いでしょ。
あまりアクセントをつけず、強いティンパニーの叩きもなく、インパクトがない。
結構、大げさに、身振りの大きい演奏をする盤があるが、それとも違うし、室内楽っぽく、こぢんまりした演奏でもないし、どっちつかずの凡庸な感じのする演奏なのだが、ホルンの響きがシルキーで、まろやかに〜響く。
また、ホルンと弦が、綺麗にハーモニーを描き、フルートやクラリネットの木管のフレーズが、まろやかに絡む。
個性的な演奏ではないなぁ〜と、多少、楽しい演奏を期待していたのだが、いたって平凡。
凡庸すぎるなあ〜と文句を言いたいところだが、しかし、普段あまり聞こえない、内に埋もれがちな音、旋律が聞こえてくるのは、結構楽しい。
それが、また、古楽器のキツい音ではなく、いたってまろやかな音で〜 ちょっと、嬉しくなってしまった。
ちょっと古めかしい演奏スタイルかもしれないのだが、単に綺麗なだけでもないし、付点を強調した過激な演奏でもないし、リズミカルで、速いだけの演奏でもない。
まあ、今となっては、少し刺激も欲しい気分だけれど〜 このような演奏も、微笑ましくてよろしいかと。(笑)

4楽章
「しししっ しどら しどら どどど どれど どれどっ」と、元気よく、弾む楽章で、メチャ楽しいのだが〜
この楽章も、スピードは遅め。
あらら〜 これも凡庸じゃん。と文句を言いかけたのだが、弦のフレーズが、「れぇ〜ら〜し しみみふぁ そっら〜 ふぁ〜」と、やっぱ歌謡風は優美に歌われるし、「どしらそ らしどっ どしらそ らしどっ!」と、結構可愛いのである。
楽譜通りといっては語弊があるかもしれないが、多少、リズム優先で、はしょってしまいそうな旋律だが、几帳面に、付点のリズムを、重たい弦も軽めの弦も、しっかり一様に刻んで行くし、ティンパニーの叩きも、これもハイ、几帳面です。
はぁ〜 最近の録音じゃーないのに、結構、良く聞こえるのだ。

メチャクチャ明瞭な録音でもないし、暖かみのある、どこか、ピントの甘い録音ではあるのだが、まろやかに溶け合ってシルキーな響きをしている。
そのくせ、それぞれの旋律が、個別にこれほど明確に聞こえてくるのは、ホント、驚きである。大づかみ的な、大きな波のなかで、ゆったりと身を委ねながら、個々の旋律がなだらかに曲線を描きながら、主となる旋律のうえに、したに、絡んでいく。
この凹凸のバランスは、とても不思議な感じがする。ホント。こんな風に演奏されているのだろうか。
もっと、実際には、低弦の響きが、ごごごぉ〜っと邪魔をしているような気もするのだが、どうなんだろう。

これほど主旋律以外の旋律が、また、木管群が。分離の良い録音で、いろんな音や旋律が聞こえ、それが嫌な感じを与えず、情報が多いな〜と、楽しめて〜 心地よい気持ちにさせるのは、大変な力量だと思う。
ハイ、勉強になりました。他盤で、8番を十分楽しんでからも、また新しい気分できっと聴けると思います。
サヴァリッシュ コンセルトヘボウ 1993年
Wolfgang Sawallisch  Royal Concertgebouw Orchestra
(Amsterdam Concertgebouw Orchestra)

ばっちグー!

録音状態は良い。ライブ盤なのだが、豊かに広がるホールで芳醇な香りが漂っている。EMIとは思えない音質で、しなやかで、柔軟性に富んでいる演奏で、意外と掘り出し物だ。ライブ盤(最後、拍手入り) 交響曲全集 5枚組BOXより
ブリリアント(Brilliant Classics)レーベルからも発売されている。

1楽章
サヴァリッシュさんのコンセルトヘボウとのベートーヴェン交響曲全集は、8番と9番がライブ盤となっている。
で、8番って、結構、ゴツゴツした、がっつり気味の演奏が多いなか、サヴァリッシュ盤は、軽やかで艶やか、貴族的な振る舞いが似合っているような演奏である。
で、う〜ん。ちょっと軽すぎじゃん。と言われてしまうかもしれないですね。
ホント、コンセルトヘボウの音って、綺麗ですよぉ。特に、2楽章なんて、絶品っ!
あっ いけない。1楽章の事を書かないと・・・。

「れぇ〜 しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」 というフレーズだけで、しなやかさが出ている。
で、ティンパニーの音も、しっかりした音なのだが、するっと、しなやかに入ってくる。
「どぉ〜らし どどれ〜ど しれそ〜ららぁ〜し」という木管のフレーズも、なーんか柔らかすぎない?っていうほど、柔らかい。
恐らく、この冒頭のフレーズだけで、好きか嫌いか、ハッキリ分かれてしまうかも。
しかし、コンセルトヘボウの音の芳醇さ、香り高い演奏が、大好きって方には、音質が良いので、ホント、大受けしちゃうんだと思うんです。
たっぷり気味の音量で聴くと、広い空間にイッパイ香りが漂ってくる。弦は艶があって柔らかいし、なめらかだし、木管も通った音で、ティンパニーも要所をしっかりおさえてて、ツボに、はまってくるというか。
なにせ、心地良いフレージングで流れていく。ホント、心地良いっていう言葉、すっぽりハマル。
低弦のフレーズは、もう少し硬くて大きくても良いかもしれないけれど、すぱっとハジケテいく、音の広がり感なんぞ、う〜ん。唸ってしまうほど美しい。
ライブ盤なので、少し低弦の音が聞こえてこない、物足りなさがあるが・・・
あー 何故、8番がライブなんだ。セッションで、バランス良く鳴らして、くださっていたら〜申し分ないのに(涙)と、ちょっと恨めしい気分だ。
最後の方で、金管が入ってくるけれど、これも綺麗で〜 うっとり。
「しぃ〜そらしそ しぃ〜そらしそ しぃ〜そらしそ らららら」のフレーズにさしかかると、後光が射してくる感じだ。(笑)

2楽章
「そそそそ そそそそ そそそそ そらそら そらそぉ〜み みれれっふぁれみど〜」
まるで、小春日和の一日って感じで、柔らかい、刻みが続く。
この前、ちなみにチェリビダッケさんのCDを聴いたのだが、まあ、ありゃ硬かったですよ。
このサヴァリッシュ盤は、うってかわって〜 はあ。爽やかで軽やかで、なんとも言えない肌触り。
柔軟性があって、可愛い音色だし、これ、ベートーヴェンって感じの音じゃーないんですけど、モーツァルトみたいに羽根が生えて、どっか飛んで行ってしまいそうな軽妙さ。
ワタシの耳にとっては、大変なご馳走だ。
柔らかく、妖精が飛んでいるかのようで〜 陽気であり、暖かい。
そうですね〜 3月中旬以降、春を迎える、ようやく、春の陽射しに変わったなぁ〜と、喜びを感じるような朝のワンシーンって感じがする。

3楽章
「そぉ〜れ そぉ〜れ そぉれ しっしっしっ」「れぇ〜どらふぁ らそしそ どれふぁ みどら〜」 
1、2拍はゆったりしているが、3拍目でテンポをあげて、思っていた以上に、ちょっと速めのテンポ設定をしている。
なんたって、弦のフレージングが柔らかく、まろやかに溶け合って美しいっ。
また、木管の良い音が、すわーっと入ってきて、こりゃ絶品ですよ。
テンポを、そろっと落としてくるところと、すっと走っていくところと〜
この演奏が、中庸で〜面白くない。なーんて言っちゃ終わりのような気がするなあ。ワタシは。
テンポ設定も、優美だし、トランペットも、ティンパニーも、はあ。ご馳走ですがな。
「れっ そぉ〜 れ (ししぃ〜らぁし〜)」と繰り返されちゃうとところなんぞ、ちょっとバラケタ感じがしないでもないけど、スパイスが効いてて、ホルンと木管のハーモニーにも、流れていく音に身を委ね〜って感じがしちゃう。ホルンの響きも、他のオケの音と溶け合っているし〜 まっ、これだけの音が詰まっていながら、柔らかく、広がって、上昇していくフレーズを聴けると、超嬉しい。
特に、木管と金管のフレーズには、これだけ優美に絡まって演奏されてしまうと〜 うっ。泣ける。
思わず、3回連続で繰り返して聴いちゃったデスね。

4楽章
「ししし しどら しどら どどど どれどっ そっふぁふぁみ みっみれ どしらし らしど らしどっ」
サヴァリッシュ盤は、特に、速いわけでもなく、リズム感が、ちょっと几帳面かな〜って思うが、弦も、タララ ラララ らららっ。金管もティンパニーも、歯切れ良く、進行していく。
「れぇ〜ら〜し しみみふぁ そっら〜 ふぁ〜」と、フルートが可愛く合いの手を入れていくが、清々しい。
とっても清潔感あふれる演奏で、ハチャメチャに速くなく、ティンパニーも音を深く鳴らしていくし〜
締まっている感じもする。可愛くスキップした後に、「どしらそ らしどっ どしらそ らしどっ!」

瑞々しいし、弦のスキップ感が、躍動感があって、れれれっ ウパウパっ・・・・
若い感覚があって、重くもないし、この4楽章だけは、やーっぱ、きまじめっ。って感じがしちゃうし、もう少しだけ、歌謡風フレーズは、歌ってくれたほうがよかったんだけど、総体的には、やっぱ凄く綺麗だ。
舞踏性も出ているし、チャチャチャチャ・・・と刻むフレーズと、歌謡風フレーズが、彩りを豊かにしてて、ごーっとしう低音の唸りも、ほどよく入って、いろんな要素が詰まってて楽しい。
まっ 構築性とか、建造物的な、壮大なスケールの演奏というよりは、横への流れが主体となっているし、最後の盛り上がり方には。う〜ん。もちっと欲しかったな。というのが正直なところだけど〜
フレーズの流れは、とっても心地良く、8番のイカツイ演奏が苦手って方には、もってこいだと思う。

総体的には、 とても流麗で優雅。柔らかく、しなやか。弾力性があって暖かい。最終楽章は、ちょっときまじめで盛り上がらないけれど、1〜3楽章は、うへへ〜 にやにやしながら、大穴のCDを見つけちゃったぜっ、と思わず、ガッツポーズが出ちゃうぐらいで喜んじゃいました。結構、掘り出し物の演奏である。
現在、ブリリアント(Brilliant Classics)レーベルからも5枚組で発売されているが、う〜ん。EMIさんも変な方だな〜って思う。サヴァリッシュ盤って、そんなにマイナーなの? う〜ん。惜しいよねえ。
これだけのモノを、何故、これをブリリアントに? 廉価版にするのは惜しいって思う。
  C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン 1993年
Colin Davis  Sächsische Staatskapelle Dresden
(Staatskapelle Dresden)

なんじゃ こりゃ〜

録音状態はまずまず。慌てず騒がず、淡々とした演奏だ。ドレスデン、ルカ教会での録音で、幾分残響が多めなので好き嫌いが分かれてしまうかもしれない。
カップリング:ベートーヴェン 交響曲第2番、8番
ベートーヴェン交響曲全集6枚組BOXとして発売されている。また、タワーレコードの企画盤としても発売されており、こちらには、BBC響とのコリオラン序曲、ロンドン響とのレオノーレ序曲第3番が含まれている。
1楽章
シュターツカペレは、昔からファンが多い。
78年のブロムシュテット盤も好きだが、93年のC・デイヴィスさんの演奏は、どうだろう〜と、興味津々で聞き始めた。
「れぇ〜 しどれしそぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ どぉ〜らしどど れぇ〜ど しれそぉ〜 ららぁ〜しぃ」
「どぉ〜らしどど れぇ〜ど しれっ そぉっ らっそっ  そそぉ〜しぃ〜 そそぉ〜どぉ〜 そそぉ〜み〜 そふぁっ〜れっれ」

この盤は、C・デイヴィスさんの2回目の全集になると思う。ドレスデンとの全集は、91年から93年に収録されている。
で、録音の残響が少し多めで、 ティンパニーの音が、ごごごーっと、地響きを立てているかのように響いていることと、弦の音が芯まで硬めで、柔軟さよりも、幾分乾いた硬い感じがする。
インテンポ気味で、安全運転と言えば安全だし、平凡といえば平凡に聞こえてしまうかもしれない演奏で、あまり個性的ではない。どちらかというと、歯切れの良いリズミカルな演奏とは違って、躍動感とか跳躍感の少ない演奏である。
特に、1楽章は、弦の引きが力強いと、そう感じてしまった。

また、残響に耳がいってしまう。
そのくせ、弦は目の前で弾かれているような、直接音としてストレートに出てくるので、ちょっと疲れる。弦の音が、圧が強いというか、ストレートに強く飛び込んできて、平板に圧縮されて次々と押し出されてくるみたいに感じる。
で、あまり立体的には響いていない。
また、ティンパニーの音と合わさってくると、目の前で炸裂したみたいに鳴って、う〜ん。なんとも、いえない不快感に襲われた。
1楽章は、特に違和感があって、弦だけ別格なのか、ホント、音がそのままストレートに、ペタンとした感覚で目の前にやってくるって感じがする。う〜ん ホント、特に1楽章は、ちょっと、聴き疲れしてしまった。
残響が多いのに、弦だけ、圧迫感のある演奏って、不思議だ。

2楽章
さほど無骨ではないが、インテンポで演奏された、ふむふむ、ほんと〜 メトロノームである。
もう少し、愛想を振りまいてくれてもいいのになあ。とは思うが、マジメな演奏に思える。
.残響の多さが、この楽章では、可愛らしく聞こえて、活き活きしている感じを与える。弦よりも、木管たちが演奏してくれると、とてもチャーミングに変貌するのである。もしかしたら、シュターツカペレの音質が、木管にあり〜なのかもしれない。
落ち着いた安定感のある演奏ではあるが、ここも気乗りしない風に、淡々と進む。

3楽章
「そぉ〜れ そぉ〜れ そぉれ しっしっしっ」「れぇ〜どらふぁ らそしそ どれふぁ みどら〜」 
どっしり腰を落としたテンポというか、テンポに関心が希薄なのか、また、ヴァイオリンが乾いてて、ひからびた感じで〜
なんだか痛ましい。
ホルンの響きは柔らかいし、木管もソロで次々に繰り出して登場するが、調和に欠いているというか、総合的な芸術になっていないというか、パラパラに演奏されてて、う〜ん。なんだこりゃ〜  ミキシングが悪いのかなあ。
音がそれぞれパラパラしてて、まとまりに欠けているというか、まろやかが感じられない。
あちこちに、音が散らばって存在しており、溶け合ってひとつの美しい形状になっていない。
トータルで、音が響きとして成り立っていないので、イマイチ美しく聞こえてこなかった。う〜ん。どうしてなんだろう。

4楽章
この盤って、ライブなの? 違うよねえ。
楽しいリズム感のある楽章なのだが、重いというか。乾いてて、カスカスした音なので重いわけじゃーないのだが、滑らかさに欠いているというか、う〜ん。
「ししし しどら しどら どどど どれどっ そっふぁふぁみ みっみれ どしらし らしど らしどっ」
四角四面で、楽しくないというか、歯ぎしりしているような音が鳴っている感じだ。
弦のスキップ感が、躍動感があって、れれれっ ウパウパっ・・・と鳴ってくるところが、妙に楽しくなってくる筈なのだが、淡々と進む。
この淡々としたところが、このC・デイヴィス盤の個性かもしれないが、う〜ん、ワタシ的には、ちょっとおもしろみに欠けてしまって、つまらない感じがする。
カペレの音を楽しみに聴いたのだが、う〜ん。せっかくだったのに・・・ ワタシ的にはがっかり、悲しかった。
チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1995年
Sergiu Celibidach  Münchener Philharmoniker
(Munich Philharmonic)

なんじゃ こりゃ〜

録音状態は、まずまず。重くて硬く、ゴリゴリ、ガツガツしている。
弦にしなやかさがないというか、弾力がないので、音が硬直化しており、聴き疲れしてしまう。面白くない。ライブ盤拍手入り。カップリング:ベートーヴェン 交響曲第7番、8番

1楽章
チェリさまの8番は、やっぱり重い。
「れぇ〜しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそらしどっ」 という冒頭のティンパニーが、硬い音でガツンと一発入ってくる。
ライブ盤なので、さほどヌケは期待できないのだが、低音のごろごろ〜というティンパニーの響きがすごくて〜 全ての音をかき消しそうな勢いだ。
低弦のピチカートもコントラバスのうねりもよく録れているが、なにせテンポが遅めなので、推進力に欠けていると言わざるを得ない。「みみれ ふぁふぁみ らららそ ららそっ」というフレーズも、弾まないんである。
シンプルな音が続くが、ティンパニーの硬くて余韻の残る響きは、そりゃー すごい。
ヴァイオリンも頑張っているんだけどなあ〜 
ここではヴァイオリンでしょ。って感じのところも、低音の響きにかき消されそうなのだ。もはや、中音域の弦は、どこへ行ってしまったの〜って、言いたいぐらいに音のバランスが 悪く、硬いけれど流麗さが欲しいところなのだが、ガチガチ。
う〜ん。ちょっと悲しい。硬めのベートーヴェンの8番って感じが、確かに雰囲気出ているんですけど。
なにせ、音が広がらない。
建設工事における、基礎の鉄杭を打ち続けている現場に、ずーっと立ち会っているかのような気分になってしまうのと、柔軟性があって欲しいな〜っていう部分でも、ガツンガツンのリズムなのだ。

8番って、結構ワタシ好きなんだけどな〜
外はパリっとしているが、内しっとり〜系の面白さがあるような楽曲だと思うんだけど、このチェリさまの演奏は、ガラガラ石ばかりで荒野を歩いているツライ道なのだ。
「どぉ〜どどど〜 どぉ〜どどど〜 しぃ〜 ししし〜 しぃ〜ししし〜」と弦が振り子のように振ってくるところも面白いが、やっぱ重いっ。「どどど どどど ドン ドンっ」と打ち込んでくるティンパニーが、怒りに満ちているかのようで。うっ。胸に石が積まれていくような苦しさがある。
金管が、それを解放してくれるフレーズなのに、後ろに引っ込んでしまって、がっく。
綺麗な弦のフレーズも、ぶっ飛びである。このティンパニー どっかいってくれぇ〜 

2楽章
ハイドンのような刻みの続く楽章だ。
「そそそそ そそそそ そそそそ そらそら そらそぉ〜み みれれっふぁれみど〜」
まあ、硬いというか、メトロノームそのままの刻み感がある。 確かに、 弦の透明度は高いし、可愛らしい音を出してて、こりゃ〜良いな。と思っていたのだが、ちょっと大きな音で、「らしそ らしそ らしそぉ〜」と言うところは、エッジが立っている。
油断をすると、すぱっと切られる感じがしちゃう。(苦笑) ごろごろごろ〜っと低音の響きが強め。
柔軟であってほしいフレーズなのだが、う〜ん。やっぱりイカツイ。本性は隠せませんって感じだろうか。
コミカルな陽気さが乏しいんである。

3楽章
「そぉ〜れ そぉ〜れ そぉれ しっしっしっ」
ギクシャクしたワルツぽいフレージングになっており、柔らかさには、う〜ん。遠い。
擦れ気味なフレーズを、無理に揺らそうとしている感じがして、カラダの硬いお爺ちゃんが、柔軟体操に挑んでいるような感じがしちゃった。
無理だよぉ〜そんなに頑張らなくても・・・と言いたくなっちゃう。
優美なワルツが、ねえ〜 ふむ。大きなアクセントをつけて、揺らしてみても、掛け声ばかりがデカクなってしまって、しなやかには動かないねえ。
ホルンとフルートの柔らかさは、う〜ん。単独では聴けないこともないけど、オケ全体的に鳴っておらず、中音域がヌケてしまって、まあ、なんともカスカスした調和のない音なんでありましょう。超がっくし〜
まるでアマオケじゃん。いや、それ以下だ〜 聴かなきゃよかった〜
(と言えば、酷評になっちゃうんですけど・・・)まあ、ちょっとねえ。 

4楽章
「ししし しどらっ しどらっ どどどれ  どれどっみっ・・・」と、ガシガシ鳴る楽章なので甦ってくる。
バラバラしている感があって、ドロドロ〜っと鳴るティンパニーばかりが目立ち、若い、キビキビした躍動感は、残念ながら、ここでは感じられない。
弦に弾力性が少ないっていうか、押したり引いたりするパワーは強いし、ガッと、一発目を、叩きつけるように引き出すところは、エッジが鋭いんだけど、なだらかに膨らんだり、萎んだりするフレーズになると、う〜ん。ちょっと苦手というか、はっきり言っちゃうと、ダメなような気がする。
えー これって、弦特有のフレージングじゃん。と思っちゃうんですけど。
でも、硬い、硬くて硬直しちゃってます。全て、この硬直感で、8番をやられちゃうと〜
えー 聴く方は、疲れて聴けませんよぉ。(ってワタシの個人的な感想ですけどね)

総体的には、チェリビダッケさんのテンポは超遅めっていうのが定説だが、まあ、この8番では普通である。
でも、全体的に流麗さに欠けて、しゃちこばった感じがする。音が、凶暴に怒りに満ちた感じで、硬く叩かれて出てくるだけになっている。72年のケンペ盤と同じミュンヘン・フィルなのだが、う〜ん。えらい違いで驚いちゃった。もはや硬直化されて歌を忘れている感じなのだ。
ワタシ的には、かなり疲れて、こんな8番は、う〜ん。楽しくないです。ダメでした。
バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン 1999年
Daniel Barenboim  Sächsische Staatskapelle Berlin
(Staatskapelle Berlin

なんじゃ こりゃ〜

録音状態は良い。
どうも柔軟に弾まないリズム感で、ドスコイ、ドスコイに聞こえてしまって、愉悦性はイマイチ。はっきり言って、ワタシ的には、何ともつまんない演奏です。
← 交響曲全集6枚組 レオノーレ序曲1〜3番、フィデリオ
一応、何度も聴いたのだが、どうも・・・ピンと来ない。ホントに何度も聴いたんですけど・・・。
冒頭、ドスンという感じで出てくるので、威力はあるのだが、弦にノビがなく、ババン ババンっ〜っというティンパニーの音だけが、異様に感じられる。

躍動するような、しなやかさが感じられるわけではないし、音が下にぶち当たってはいるが、弾まないで、ドスン。という感じで落ちていく。特に、付点のリズムが面白い楽曲なのに、その付点のリズムが、全くもって面白くない。
ティンパニーと弦の絡む面白い場面も、どうもなあ。
チャチャン ちゃーん チャチャン ちゃーん というところの弦が、素っ気なさすぎて、色気も、なにもあったものじゃーない。硬直しきってて・・・という感じで、トリツクシマもなし。

メリハリは感じるのだが、このメリハリは、ティンパニーのドスンというのと、バーンっという叩きつける音のみで感じられるもののようで、はあ。なんでしょう。音が硬すぎて、いや硬いのはいいのだが、全て硬くては、どうもいただけない。
ティンパニーが硬いならば、弦は、しなやかさが欲しいし、木管も、通るような、すーっと宙を飛んでいくような感じにして欲しいと思う。

鳴り方の違う楽器が、いっぱいあって、それぞれ質感が異なるものを、巧く調整して、ブレンドしてもらわないと困るんだけどなあ。う〜ん、オケ全てが、硬いと、硬さが感じられない。
甘い、お善哉には、塩をひとつまみ入れないと、甘さが引き立たない。
スイカに、少しの塩をかけると、甘いのにねえ。
何も全て歌って欲しいわけではないが、旋律の美しさは、感じられないし、ドスコイばかりだと疲れる。
音の量だけを調節したって、メリハリがでるわけではないし、活き活きとした闊達さもないし、どうも・・・音質も悪いし、最終楽章になると、緻密ではなく、縦ラインが揃ってないような、バラバラになった感もするし、急いで録音したのかなあ。
ライブ盤ではないんでしょ。う〜ん、どうも、1楽章も、2楽章も・・・ 全く同質的に聞こえてしまって、ワタシには、高揚感もないし、愉悦性の感じられない楽曲になっており、どうもダメでした。
なんじゃーこりゃ。って感じでした。期待していたのに・・・。
録音状態は良いのだが、どこかヌケきらないし、せっかく全集を所有していのに・・・ 超がっくしです。

ギーレン 南西ドイツ放送交響楽団 2000年
Michael Gielen  South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden(SWR Symphony Orchestra)

むむっ〜

録音状態は良いが、中音域が抜け落ちている感じがする。ティンパニーと金管の音が、主体となってサクサクと進んで行ってしまって〜即物的だ〜っというか、きっぱり潔すぎて〜あぜん。調和が欲しいかなあ。
カップリング:ベートーヴェン 交響曲第8番、ピアノ協奏曲第3番(1994年)
大フーガ変ロ長調(編曲:ギーレン ピアノ:ステファン・リトウィン) 
ギーレン・アニヴァーサリー・ボックス 5枚組BOX ヘンスラー・レーベル

第1楽章
「れぇ〜 しどれしどぉ〜 れそそふぁ ふぁそ らし どっ」 という、冒頭のフレーズの速くて硬いこと。
「タ〜 タタ タタ タタ・・・」という叩きつける音が主体となっており、木管のフレーズは、硬くて無愛想このうえなく〜
ティンパニーと金管の「パパ− パパ−パパっパパっ・・・」という音が、いや音というより破裂音として聞こえてくる感じで、耳につんざくように入ってくる。
ひとことで言うと、強烈である。

「どぉ〜らし どどれ〜ど しれそ〜ららぁ〜し」という木管のフレーズも「しれっ そん らっらっ そん」と投げやりというか〜
あちゃーっ。なんだか、最初からけんか腰で、怒鳴りつけて家に押しかけられたような気分で〜
「ぱっぱ ぱん ぱっぱ ぱん」 
どりゃ〜っと、背負い投げで一本とられた感じで、アハハ〜 こりゃ、優美とか、流麗とか、という言葉もなく、しなやかさとは、全くご縁がございません。
で、休む暇もなく、窮屈に旋律が奏でられていく。一刻の余裕もありません〜という感じで、槍で突いて、前に進んでいくようなタイプで、とっても戦闘的、挑戦的だ。
旋律が伸びないんですね。優美には歌わない。曲線的な膨らみ感がないので、直線的。厳めしく、何か怒っているの?と尋ねたくなってしまう。(いや〜 質問する気にもならないほど)

で、1楽章で致命的なのは、低弦の響きがほとんど入ってこないこと。
前の弦と、奥のティンパニーしか焦点が当たっていないみたいで、中音域の弦が、一緒になって演奏している筈なのに、耳に届かない感じで、バランスが悪い。
横には広がっているが、奥行き感の少ない詰まった感じのする録音で、かなり違和感がある。
音質が硬く、音の見通しは良いように思えるものの、一部、音が届いていない。響きの幅がなく、一部の派手な音だけが主張している感じがする。

2楽章
「そそそそ そそそそ そらそら そらそぉ〜み みれれっふぁれみ ど〜」
この楽章は、残響が適度に入ってきて、リズミカルに演奏されている。
1楽章とは異なり、室内楽風に見通しよく、録音されているようで、少し遠いけれど低弦の響きが入ってきている。
もっと、ギクシャクするかと思ったが、さほどではない。
まあ、可愛いかと訊かれたら、う〜ん。それはどうかなあ。弾力性が少ないので、ワクワク、可愛いという雰囲気はしないですえね。
 
3楽章
「そぉ〜れ そぉ〜れ そぉれ しっしっしっ」
前につんのめった感じのするタクトで、 ギクシャクした感じが、わざと? へそ曲がりなのかもしれない。
きっと、わざとはやぐちで、前につんのめった感じで演奏しているような気がする。
特に、ヴァイオリンが余裕なく、こけそうになっている感じ。
金管の音は華やかではあるが、木管の音が強すぎて、硬いな〜と思う。
弦の引きも強くて、髪をつかまえられて、後ろにぐいっと直線的に引っ張られている感じで、その引っ張られ感が、きつい。

「れっ そぉ〜 れ (ししぃ〜らぁし〜)」と、繰り返されちゃうとところも、かなり、せっかち。
金管の華やかな、てかっとした音が、ハレーション起こしそうで、(笑) 
強烈な紫外線の強い日射しを浴びているかのようだ。豪快というよりも、優美な、華やかな豪快さではなく、無骨なおじちゃんが、周りの空気が読めないまま、ガツンガツンと打楽器を叩いている感じで、ちょっと迷惑。
で、せっかくのホルンの柔らかさが〜 全体を包むかと思ったが〜 クラリネットの強い音で、ぶちこわし。
ホルンの柔らかい膜が、無情にも破けてしまう感じだ。この3楽章、いつもなら楽しく何度も聴けるのだが〜
う〜 ギーレン盤で聴くと、きつすぎて〜圧迫感あって、やりこめられた感がする。

4楽章
「ししし しどら しどら どどど どれどっ そっふぁふぁみ みっみれ どしらし らしど・・・」
ここのティンパニーさん、めちゃ迷惑なんだけど〜
弦は歌わないしなあ〜 ヴァイオリンの旋律が、主役をはれていないのか、弦部全体が調和を欠いているというのか、う〜 他の楽器が強すぎなのか、とりあえず、木管は強くて、他の楽器から浮いて聞こえる。
「れぇ〜ら〜し しみみふぁ そっら〜 ふぁ〜」と、フルートが可愛く合いの手を入れていくのだが、ここぞとばかりに、主張が強すぎるように思う。 他のフレーズでも、そんな主張しなくても、もっと、他の楽器と溶け込んで欲しい感じがする。

総体的には、いっけんして、強烈な派手さが耳に飛び込んでくる個性の強い盤なので、それなりに、おもしろさを感じるのだが、何度も繰り返しては聴けない。
また、深みがあるか〜と言われても、ちょっと困る。
あまりに無骨すぎて、取っつきづらいというか、個々に主張していて悪くないんだが〜 調和が足らないというか、う〜ん。
ティンパニーって、演奏している空気を絞めるというか、雰囲気を締めるんだと思っていたんですが〜
ギーレン盤で聴くと、やたら、バタバタ、ゴンゴン、金管さながらに、派手に音を放っている、開放している感じがする。
なので、ちょっと違和感を覚えてしまいました。

1972年 ケンペ ミュンヘン・フィル EMI ★★★★★
1977年 カラヤン ベルリン・フィル ★★★
1978年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン DS ★★★★
1988年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec ★★★★
1989年 プレヴィン ロイヤル・フィル ★★★★
1993年 サヴァリッシュ コンセルトヘボウ EMI ★★★★
1993年 C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン Ph ★★ 
1995年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI ★★★
1999年 バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン Teldec ★★
2000年 ギーレン 南西ドイツ放送交響楽団 Hns ★★★
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